0004最強魔王家畜竜を焼く
『貴様何者だ! どうやって飛竜なしで飛んでいる!? その禍々しい鎧兜に同族の闇の魔力! ここまでの力を持つ同族が我が知らぬはずが!』
俺の前にいるのはワイバーンにの乗った赤いローブ魔族の姿。
こいつが魔王軍6人衆の一人飛竜帝滅炎のルーブだろう。
その周りにはうじゃうじゃとワイバーンの姿が俺ワイバーンの肉大好きなんだよな。
じゅるりと思わすよだれが。
「うるさいやつだ! 家畜竜が飛竜? ふざけたことを! 家畜竜など肉をとるための家畜ではないか!」
『ワイバーンが家畜だと!? ふざけているのはお前だ! 肉を取るためだけに凶暴なワイバーンを飼うものがいるわけなかろう! 千を超える飛竜を従える空の王者である我を侮辱した罪命で償え! こいつを食えワイバーンたちよ!』
すると大量のワイバーンが俺に食いつくが。
『ふっ! 馬鹿な奴め! それよりも勇者を――なっ!?』
「何を驚いている? ワイバーン程度の牙では我が黒邪鉄の鎧にかすり傷つけることさえ不可能だ!」
『ありえん!? これだけの数のワイバーンの牙でかすり傷一つつかない強度の鎧など伝説の勇者の鎧と魔王様の鎧しかあり得ぬ!? 貴様まさか魔族のくせに勇者か!? この裏切り者め!』
「不本意だが厳密にいえば裏切ってはいない! なんだこの世界は! あんなとんでもない聖剣使って倒す割にはその幹部が数だけいる家畜を従え悦に浸る無能とは! 飛竜と呼ぶなら最低でも火竜でも連れてこい!」
『火竜だと!? そこまで強力な竜種が背など貸すものが! ワイバーンたちよ! 火炎で蒸し焼きだ!』
俺の周りのワイバーンたちは俺をぐるりと囲みブレスの構えを取る。
はっきり言ってそんなもの効くわけがないが。
このまま受けるのもしゃくだ。
「なんだ貴様! 家畜竜を力で従えることすらできんのか?」
俺はそれを気づき口角を上げた。
『馬鹿なことを! これだけの数のワイバーンを力で従えるなど魔王様でなくては不可能! これだけのワイバーンのブレスミスリルの鎧であろうと耐えることはできん! いくら勇者の鎧であろうとただではすむまい! 消え去れ!』
「我に従え家畜竜」
俺は静かにそう言葉を放つ。
次にワイバーンたちは動きを止めた
『ワイバーンたちよ何故動かん!? 何故だ支配の魔道具が効かんだと!?』
「無駄だ! この場全ての家畜竜は我の支配下! いかなる魔道具であろうと絶対的強者の前には無効! 強き者に本能で従うそれが竜種だ! こ奴を食え家畜竜!」
『そんな馬鹿な!?』
ワイバーンたちがルーブに集団で食らいつこうと群がる。
すると次に爆発が起こる。
『舐めるな! 我は魔王軍6人衆の一人飛竜帝滅炎のルーブ! 我が最大魔法を使えばこの程度の飛竜物の数ではないわ! 食らえ我が最大魔法極炎陣爆裂!』
ルーブは自身の体の数倍の大きさの炎の竜巻を出現させる。
「ふっ! 下らん!」
俺は魔力を籠めて手を払う。
『そ……そんな馬鹿な!? 我が最大魔法が手をふるだけで消滅!?』
「次は我の番だな! この数と範囲の家畜竜を調理するなら中の下の魔法でよかろう! 獄炎爆裂!」
『この規模……この魔力……魔王様の――』
俺が放った獄炎爆裂でルーブの先ほどはなった極炎陣爆裂の数倍の範囲の爆発が周囲全てのワイバーンとルーブと俺を包み込み夜空に赤がともった。




