7/7
08「拒絶」
「拒絶」
ああ、どうして忘れていたのでしょう。
こんなにも愚かしい過ちを。
忘れなければあの世界では生きてはゆけませんでした。
これこそが正気。私の本当の思い。
歩み寄れると思っていた。共に歩いてゆけると、そう思っていました。
けれど、この世界は不浄の地。
穢れは清められることなく、巡り流れる。
この身はそれと知らぬ間に、いつからか汚れきっていました。
愛のためにたくさんの犠牲を生み出しました。
信義のためにたくさんの偽りを語りました。
理想の為に多くの思想をないがしろにし、
幻想の為に多くの現実から目を背けてきました。
もうここで終わらせるべきです。
これ以上罪を重ねてはいけない。
愛しています。だから死を。
愛しています。だから終焉を。
私はもう、これ以上もうあなた達を愛していられる自信がありません。