今日は私が死ぬ日
20XX年X月X日
俺は目田。31歳だ。15年前に起きたことを落ち着いてきたのでここで書かせてもらう。
当時の俺はただの高校生である。そして、漫画・アニメ・ラノベ・ゲームが好きな割といるインドアなモブ男が俺であった。
そして、当時の俺は大きな不満があった。「ネットで好きな作品の某巨大掲示板へコメントを書きこむと荒れて、俺が毎回非難されるのはわけわからん。しかも数年で垢バンされて書きこみができなくなり、今はいろいろなところで垢バンされる前に書きこんでいる。悪いのは俺じゃない!相手のほうだ!」と。
それはさておき、それがあったのはちょうど15年前のあの日だ。
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休日を満喫するため、幼稚園からの友人(時手という)といいものを発掘しようと町に出た日であった。いつも通りテンションMAXで出かけた。
家から三十分ほどのところに目的地がある。いつものようにしょうもないことを駄弁って、目的地に着いてからもいつものように探して、昼飯のために時手と合流した時だ。
人混みの中で一人やや目立つ女が歩いていた。大体大学生ぐらいの年と思われる。日本人と白人のハーフであろうか背が高めである。顔は日本人顔でおとなしい感じの美人であり、髪はゴールドである。瞳は黒ではない。形容できる色が見つからなかった。ちなみに胸はなかった。
俺は、なぜかその女が気になった。特に知人に似てるとかそういったものでもない。ただ、なぜか気になったのだ。
すると、時手がその俺の様子を見て
「お前あの子に一目ぼれしたのか?お前凸れよ。彼女いないんだろ?」
さすが幼稚園からの親友とあって俺の動向を知っている。しかし、許せないことがある。
「お前…今なんつった?あの女に一目ぼれ?んなわけねえだろ!俺の好みは!ビッチで!経験豊富で!巨乳な!アメリカンな女だ!いつも言ってるだろ!しかも!三次元が二次元に勝てるわけねえだろ!ふざけたことぬかしとったらぶん殴るぞ!」
「ああん?やんのか?せっかく俺が気を利かせて言ってやったのによお…。あの女優良物件だと思うから凸れって。」
「だから俺の好みちゃうと言うてんやろうが!あの女は俺からしたらゴミ以外でも何でもない!」
「だから……
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しばらく大ゲンカしてると、やじ馬が寄ってきて俺らの周りに円ができていた。
「てめえら俺は見世物じゃねえ!ゴミども!とっとと消えろやカスが!」
…DQNww…あんなことしててなに言ってんだw…頭おかしい奴かww…ガキがww…
人のことを勝手に言いやがって。ぶっ殺す。
「あなた…ちょっとこっちに来てください。」
気づいたらあの女がやってきて手を引っ張りどっかへ連れてこうとしていた。
「ああん?誰が手前のいうことを聞くか?ぶっ飛ばすぞ。」
だが、女の力は強くほどくととも逆らうこともできなかった。
「私に逆らえないのはわかった?わかったら素直についてきなさい。」
非常に反抗したかったが、どうにもできそうになかったのでしぶしぶついていくことにした。
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少し歩き、小さな公園に連れられ俺は今、ベンチに座らされている。その公園は都会に数少ない緑を提供し、ちょうどよい日陰を作り出しいる。普段ならいい休憩場所となりそれなりにいい気分となるのだが、こいつのせいで気分は最悪だ。ちなみに時手は途中で俺らを見失ったようだ。
「すまないわね。勝手に連れてきて。」
「いや、すまないと思ってねえだろ。すまないと思ったんならやんなよ。じゃあ俺はもう行くぜ。」
早々に論破し、内心勝ち誇り、帰ろうとするがまた手を引っ張られ、止められた。
「何するんやこのゴリラ女。原始人。」
「仕方ないのよ。こうなる運命だから。これから私の話を聞いてもらうよ。聞かなかったらあなたは死ぬだけだから。」
「はん。そんな出まかせを言って。これだから「黙って。」」
「大概の人は信じないかもしれないけれど私、予知夢を見れるの。しかも人生で大事なところの。私が子供のころはタダのデジャヴだと思っていたわ。ただ、日増しにその力が強くなっていったの。見れる未来の時間は変わらなかったけどだんだんその夢にリアルになっていったの。要は情報量が増えたの。そこでさすがにおかしいと思って、ちょっと特殊な病院に通ったの。そこで今私は研究されているわ。」
「ああそう。そんな人がなぜ俺に?」
非常にめんどくさい。この妄想を聞かないと帰れなさそうだから次を促す。
「この予知夢には今までにかなり助けられてきたわ。非常にね。ただ、昔からある二つの夢を見ているの。一つはある日を境にして怪物にこの世界を侵食されて人類が滅亡する未来。もう一つはとある日にあなたと出会い、私があなたをかばい死ぬ未来よ。そしてその日というのが今日よ。その怪物には水爆すら無傷であったわ。新しい兵器を開発するように世界に言っているけど世間の風当たりが強いのと怪物が未知なのが原因でなかなか進んでいないのよ。夢でも兵器は強くなっているようだけど怪物に効く様子はまだないわ。ということで私はこっちに来たの。私があなたと出会った未来では人類が滅亡しているかどうかわからないわ。だから私はこっちに賭けた。」
「はいはい。妄想乙。君につきあってられないよ。じゃあ俺はもう帰るよ。」
「はあ、あなたならそう言うと思った。事前に調べたけどあなたろくな人間じゃないわね。社会では割と普通の人間だけど私生活ではクズそのもの。社会のゴミね。ネットでは匿名なのをいいことに過激な持論を展開。そして矛盾点の私的や反対意見を出されると暴言を書き、あらぬ噂を流す。沸点も低く、脅迫なども当たり前のようにやり、それで相手が関わるのが無駄だと判断して無視したら勝ち誇る。これ以上わかりやすいものがないクズね。」
「このアマ…!俺は正義だ!ぜってえ後悔させてやる!」
「正義は自分の都合のいいものでしかないのよ。だから正義で周りに迷惑をまき散らすことがある。周りからあなたはそう思われているのよ。あなたはクズ。それがすべてなのよ。それと私を後悔させる?残念だったわね。私はもうすぐ死ぬのよ。後悔する時間なんてあるのかしら?…あなたに未来を託すのは不安でしかないというのが唯一の後悔かしらね。」
とてもじゃないがこんな妄想になんてつきあってられない。さて、どうやってこいつを後悔させてやろうかと考えていたところ、クソアマの顔がだんだん青ざめてきた。
「ああ……もうすぐ来るわ……しっかりしなきゃ私…!」
「っは!一人で勝手にビビってやがる。この様子を動画で流せば…」
「私は…別に怖いわけじゃないのよっ!頭では!ただ、体が受け付けないの…あの怪物のおぞましさや痛み、死んでいく感覚が、そして、あれが……」
突然の出来事であった。
ピシィ
世界中に世界にヒビが入る音が響いた。
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それから、ある場所から怒号や悲鳴が聞こえる。俺にはとにかく嫌な予感しか感じず、体が固まる。俺には全く何が起きているのか理解できずただ茫然と立ち尽くした。だんだん怒号や悲鳴が近づいてくる気がするが、頭が動かない。何も理解できない。そして、そいつは俺の前に現れた。
その姿からは嫌悪・憤怒・憎悪・嫉妬などの強い負の感情、いやそれを超えた何かが現れた。正に怪物と呼ぶ代物だ。
「う…あ…」
俺はそれの雰囲気に捕らわれ動けない。
バチャァァァ
俺に生暖かい何かが降り注いだ。
それがあの女の血とわかり、怪物が俺に攻撃を仕掛けたのをかばった結果だと理解したのは、吹き飛んだ女の上半身が俺の目の前に落ちた時だ。女の顔はこの世のものとは思えないほどの負の感情に晒された後の表情だと直感的に理解してしまった。
俺の意識はここで途切れた。
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目覚めると、俺の部屋であった。そして日付を確認すると翌日である。あれがただの夢かと思ったらあの女がいた。いや正確には少し違う。半透明な姿、つまり、幽霊として俺の部屋にいる。
そこで俺は思考放棄していつものように学校に出ようとしたが、あれが現実だったとニュースで知った。ニュースによると今なお侵略を受けているらしい。そこでようやく俺はいつもの生活が崩壊したのを理解した。
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と、ここまでがあの日起きたことだ。
その日のことは後に「カタストロフ」と言われるようになった。この日を境に非常に具現化という現象が起こりやすくなったらしい。具現化とは想像したことが現実に起こることだ。「カタストロフ」での被害は人類が一時的に半減したらしい。
そしてあの日現れたものは、人間の強い負の感情によって生まれたものであるらしい。
そのため、現在では社会管理プログラム・通称「パンドラ」が構築された。人々が、負の感情や強い感情を持たないための管理社会である。昔の人はこれをディストピアだと言い反対したらしいが、俺はそんなわがままで危険にさらされたくない。たぶん現物を見ていないから言えることだろう。将来の子供たちが刺激を求めてと冒険しなければいいなと思うのが今の俺の感覚だ。
彼女はあれから研究所と連絡を取っていたが、数年前のある日に「パンドラ」のコアとなるためにここから去っていった。永遠に消えない彼女は最適なそうだ。時々会いに来いとは言われる。
俺のほうはというと、どうやらはあの日怪物を倒していたらしい。怪物には心理次元のダメージを与えないと消えないということだ。物理次元に攻撃を与えても無駄だったのが兵器の製作ができなかった原因らしい。それに対し、俺は自我が強く心理次元への適性があり、心理次元を強く支配できるので対怪物には最適であったらしい。
俺はあの日以降彼女とともに世界中に現れた怪物を倒すために飛び回っていた。(彼女はだんだん来なくなったが)
「パンドラ」の完成により俺の出撃回数がかなり少なくなったためこのようなことを書けるようになったわけだ。
これを読んでくれた未来の諸君
世界はこのようになったから君たちはそう過ごしているのだ。そう。何事にも理由がある。だから、カタストロフィを引き起こしたくなかったら「パンドラ」のことをよく聞くんだ。
あと一つ。「パンドラ」と積極的に話してやってくれ。彼女は喜ぶはずだ。
よりよい未来を!