前へ目次 次へ 17/25 窓辺の島 「こほっ、こほっ」 咳 風邪で寝込む目から、窓に浮かぶ島が見えた 埋立地との境界みたいに残った小さな島 泳いで渡ろうと思えば渡れる でも、その島に行ったことはない ただの島 小さな浜があって、小さな森があって、カモメたちが羽を休める岩場がある そんな島 でも俺には唯一の世界で、目標で、憎いアイツだ 冒険心だろうか 目の前にある 全部見える 見えるだけ 意味がない この足で立って制服したい欲求 熱でボンヤリとした目には、窓の中の島は薄く揺らいでいた