前へ目次 次へ 15/25 ひとりぼっちじゃない 街灯一つの夜の無人駅 聞こえてくるものは樹々噂のみ 静かだ 街灯に寄る虫達と共に光へ身を寄せる 光の外は永遠とも言える孤独 一寸先の闇 踏み込むを躊躇する世界 黒壁 乗り越え不可能なそんな壁だ 黒壁は隙間なく光を囲う どこへも逃がさない檻のよう 「少し怖いな」 出した声 ここは静かすぎる 独り言でも声を聞きたい 独りぼっちは怖すぎた その時 背後の物音に身を竦める とぼとぼと出てきたのは猫だった 何だ一人ではなかったらしい 心が軽くなり猫を膝に乗せてやった