桜の思い出
桜咲き誇る春、太陽が沈み始める時間、地元で有名な花見ができる川沿いにきている。
俺は歩きながら左手をポケットに入れて中身を確認して、スマホを取り出しアリスと桜を撮影する。
「桜花!!桜です!綺麗です!感動です!」
目の前を幼い少女のように駆け回るのは交換留学という制度で留学してきた、アリス・ヘンリー、17歳、イギリス人。
かなり高貴なお方らしい、今俺の家にホームステイしている美少女である。
金髪に初雪のように穢れを知らない綺麗で白い肌、すらりと伸びた華奢な手足、完璧と言ってもいいスタイル、そして一際目を引くのはサファイアのような右目に太陽に反射し光り輝く黄金色の左目のオッドアイ。
「人もいるんだからあんまり走るんじゃない!」
「大丈夫ですよー!それよりも早く行くです!」
アリスは今日帰国することになっている。
最後の思い出として1年前に見に言った桜を見たいと言いだしここに足を運んだ。
「早くしないと時間が来るです!早く早く!」
こちらを見ながら笑顔で手を振るアリス。
「バカ!前見て歩け!」
「むっ!バカとはなんです!アリスは桜花より頭がいいんです!わきゃぁ!」
土手の坂の方に足を踏み外し足が真上に上がるくらい盛大にすっころぶ。
今日はショートパンツ姿なのでパンツは見えなかった。
(何考えてんだ俺は!!静まれ俺のハート!静まれ桜花!静まるんだ!鬼塚桜花!)
「おい!大丈夫か!!」
顔を真っ赤にさせながらこんなことを言っても何を言ってるんだとしか思わないだろう。
「うにゃぁ〜・・・・痛いですぅ〜・・・・桜花の言いたいことがわかった気がしますぅ・・・」
お尻をさすりながら涙目で反省するアリス、まるで失敗した子猫のように愛くるしい。
「だから言ったろ前見て歩けって、全く羽目外しすぎだ」
「にゅぅ〜・・・はぁ〜い・・・」
アリスが転んでちょうど座る形になった土手に俺も座る。
「・・・・あっち行ったら俺や姉さんや母さんもいないんだから、気をつけろよ?」
少し声のトーンを落として真面目な空気を作る。
「うん・・・桜花だってアリスがいなくなるんですから起こしてくれる人がいなくなるんですよ?毎朝起きでくださいね?」
アリスも少しシリアスになる。
太陽も落ちてきて辺り一面が夕暮れに染まる。
「アリスは桜花にちゃんと連絡しますよ?連絡先だってわかりますし、スカイプだってあります!他にも・・・他にも色々あります!」
必死にこっちで作った縁を切らないように考えるアリス。
「そうだな、これで完全にお別れなんて絶対にさせねぇよ」
そんなアリスを見たら苦笑が漏れた。
「そうです!・・・お姉さんともまだ話せてないことだっていっぱいあります!・・・お母さんからも教わりたいことはまだまだあるんです!・・・だから、だから・・・これでお別れなんて絶対ダメです!」
涙声で、涙目で、今にも泣きそうに必死に言葉を紡ぐ。
「・・・桜花ともまだやりたいことがたくさんあるんです!・・・だから、ダメ、お別れなんて、ダメなのぉ・・・」
とうとうげ限界を迎えてアリスの涙腺が崩壊する。
「・・・なぁ、アリスお前とやりたいこと残してるのは俺もなんだよ」
そう言って左のポケットからあるものを取り出す。
「アリス、この一年色々あったよな、全然飽きない最高の一年だった。
これからもアリスと会いたいし色々教えてもらいたいし教えたい、だから離れても忘れないで欲しいのと絶対にもう一回会うってことを約束したい」
まだ泣いてるアリスを見ずに一気にまくしたてるように言う。
そしてアリスの左の手をとる。
「ふぇ・・・?」
気の抜けた声を出して顔を上げるアリス。
ポケットから出したものを左手のある場所につける。
「・・・今から小っ恥ずかしいこと言うからな!二回は言わねぇからな!
んんっ!えー・・・アリス、この一年で俺は、その、お前のことが、えっと、好きに、だな、なったから・・・この指輪の意味とかわかってくれるならいいんだけど・・・その、絶対にイギリスに行ってお前をさらいに行ってやる!必ず、家柄がなんだ!好きになった女に人生かけた大勝負しに行かなくて何が男だ!・・・あとお返事ください」
ちょっと勢いがついたと思うとすぐに勢いがなくなるなんと格好のつかないことか、ダサすぎる。
「・・・・・」
アリスが左の薬指を見つめながら無言になる。
「お、おい・・・」
「アリス・・・・感動です・・・素敵です、好きな人からこんなこと言われるのは初めてです・・・!必ず、必ずきてくださいね・・・?アリスのパパとママを紹介したいです!必ずですよ?」
アリスが涙目&上目遣いと必殺のコンボを無意識に繰り出してくる、これで落ちない男はホモくらいだろう・・・。
「もちろんだ!何年かかってでも行ってやる!惚れた女のために全てを尽くしてやる!俺の人生はアリスのものだ!待ってろ!幸せにしてやる!!」
「はい・・・・・・はい・・・・!」
完全に泣き崩れたアリスを家まで連れて行き親の車に乗らせ空港まで運ぶ。
「・・・じゃあな、必ず行くからな」
「はい・・・」
そう行って手を振る、アリスも手を振り返しゲートまで向かう。
ゲートのギリギリでいきなりUターンし走ってくる、これには係員さんもびっくりな表情。
アリスがこっちに全力で走ってくる、
このままだと俺の胸に飛び込んでくる感じなので受け止める準備をしておく、若干腰を落とし顎を引き、手を少し広げる。
アリスは速度を落とさないまま俺の胸に飛び込んだ。
ついでに俺の唇を奪って。
とても柔らかい感触が訪れそのあとに頭がとろけるくらいいい匂いが鼻腔をくすぐる。
長い間だったのかそれとも短かったのか全くわからない、頭が働かず真っ白になった。
アリスの唇が離れる。
「桜花、約束だからね?」
唇に手を当て真っ赤な顔をしながら上目遣いに言ってくる。
全く、これで落ちない男なんているのかね?自信があるやつ教えてくれ・・・。
「大船に乗ったつもりでいろ」
そう言うとひまわりのような満面の笑みを浮かべて振り返らず走り去って行く。
桜咲き誇る春、太陽が沈み始める時間、地元で有名な花見ができる川沿いにきている。
俺は歩きながら左手をポケットに入れて中身を確認して、スマホを取り出しアリスと桜を撮影する。
「桜花!!桜です!綺麗です!感動です!」
目の前を幼い少女のように駆け回るのは交換留学という制度で留学してきた、アリス・ヘンリー、17歳、イギリス人。
かなり高貴なお方らしい、今俺の家にホームステイしている美少女である。
金髪に初雪のように穢れを知らない綺麗で白い肌、すらりと伸びた華奢な手足、完璧と言ってもいいスタイル、そして一際目を引くのはサファイアのような右目に太陽に反射し光り輝く黄金色の左目のオッドアイ。
「人もいるんだからあんまり走るんじゃない!」
「大丈夫ですよー!それよりも早く行くです!」
アリスは今日帰国することになっている。
最後の思い出として1年前に見に言った桜を見たいと言いだしここに足を運んだ。
「早くしないと時間が来るです!早く早く!」
こちらを見ながら笑顔で手を振るアリス。
「バカ!前見て歩け!」
「むっ!バカとはなんです!アリスは桜花より頭がいいんです!わきゃぁ!」
土手の坂の方に足を踏み外し足が真上に上がるくらい盛大にすっころぶ。
今日はショートパンツ姿なのでパンツは見えなかった。
(何考えてんだ俺は!!静まれ俺のハート!静まれ桜花!静まるんだ!鬼塚桜花!)
「おい!大丈夫か!!」
顔を真っ赤にさせながらこんなことを言っても何を言ってるんだとしか思わないだろう。
「うにゃぁ〜・・・・痛いですぅ〜・・・・桜花の言いたいことがわかった気がしますぅ・・・」
お尻をさすりながら涙目で反省するアリス、まるで失敗した子猫のように愛くるしい。
「だから言ったろ前見て歩けって、全く羽目外しすぎだ」
「にゅぅ〜・・・はぁ〜い・・・」
アリスが転んでちょうど座る形になった土手に俺も座る。
「・・・・あっち行ったら俺や姉さんや母さんもいないんだから、気をつけろよ?」
少し声のトーンを落として真面目な空気を作る。
「うん・・・桜花だってアリスがいなくなるんですから起こしてくれる人がいなくなるんですよ?毎朝起きでくださいね?」
アリスも少しシリアスになる。
太陽も落ちてきて辺り一面が夕暮れに染まる。
「アリスは桜花にちゃんと連絡しますよ?連絡先だってわかりますし、スカイプだってあります!他にも・・・他にも色々あります!」
必死にこっちで作った縁を切らないように考えるアリス。
「そうだな、これで完全にお別れなんて絶対にさせねぇよ」
そんなアリスを見たら苦笑が漏れた。
「そうです!・・・お姉さんともまだ話せてないことだっていっぱいあります!・・・お母さんからも教わりたいことはまだまだあるんです!・・・だから、だから・・・これでお別れなんて絶対ダメです!」
涙声で、涙目で、今にも泣きそうに必死に言葉を紡ぐ。
「・・・桜花ともまだやりたいことがたくさんあるんです!・・・だから、ダメ、お別れなんて、ダメなのぉ・・・」
とうとうげ限界を迎えてアリスの涙腺が崩壊する。
「・・・なぁ、アリスお前とやりたいこと残してるのは俺もなんだよ」
そう言って左のポケットからあるものを取り出す。
「アリス、この一年色々あったよな、全然飽きない最高の一年だった。
これからもアリスと会いたいし色々教えてもらいたいし教えたい、だから離れても忘れないで欲しいのと絶対にもう一回会うってことを約束したい」
まだ泣いてるアリスを見ずに一気にまくしたてるように言う。
そしてアリスの左の手をとる。
「ふぇ・・・?」
気の抜けた声を出して顔を上げるアリス。
ポケットから出したものを左手のある場所につける。
「・・・今から小っ恥ずかしいこと言うからな!二回は言わねぇからな!
んんっ!えー・・・アリス、この一年で俺は、その、お前のことが、えっと、好きに、だな、なったから・・・この指輪の意味とかわかってくれるならいいんだけど・・・その、絶対にイギリスに行ってお前をさらいに行ってやる!必ず、家柄がなんだ!好きになった女に人生かけた大勝負しに行かなくて何が男だ!・・・あとお返事ください」
ちょっと勢いがついたと思うとすぐに勢いがなくなるなんと格好のつかないことか、ダサすぎる。
「・・・・・」
アリスが左の薬指を見つめながら無言になる。
「お、おい・・・」
「アリス・・・・感動です・・・素敵です、好きな人からこんなこと言われるのは初めてです・・・!必ず、必ずきてくださいね・・・?アリスのパパとママを紹介したいです!必ずですよ?」
アリスが涙目&上目遣いと必殺のコンボを無意識に繰り出してくる、これで落ちない男はホモくらいだろう・・・。
「もちろんだ!何年かかってでも行ってやる!惚れた女のために全てを尽くしてやる!俺の人生はアリスのものだ!待ってろ!幸せにしてやる!!」
「はい・・・・・・はい・・・・!」
完全に泣き崩れたアリスを家まで連れて行き親の車に乗らせ空港まで運ぶ。
「・・・じゃあな、必ず行くからな」
「はい・・・」
そう行って手を振る、アリスも手を振り返しゲートまで向かう。
ゲートのギリギリでいきなりUターンし走ってくる、これには係員さんもびっくりな表情。
アリスがこっちに全力で走ってくる、
このままだと俺の胸に飛び込んでくる感じなので受け止める準備をしておく、若干腰を落とし顎を引き、手を少し広げる。
アリスは速度を落とさないまま俺の胸に飛び込んだ。
ついでに俺の唇を奪って。
とても柔らかい感触が訪れそのあとに頭がとろけるくらいいい匂いが鼻腔をくすぐる。
長い間だったのかそれとも短かったのか全くわからない、頭が働かず真っ白になった。
アリスの唇が離れる。
「桜花、約束だからね?」
唇に手を当て真っ赤な顔をしながら上目遣いに言ってくる。
全く、これで落ちない男なんているのかね?自信があるやつ教えてくれ・・・。
「大船に乗ったつもりでいろ」
そう言うとひまわりのような満面の笑みを浮かべて振り返らず走り去って行く。
短い作品です、拙い文章で申し訳ありません