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水雫先生による特殊能力練習機器使用

『おい黒崎、そちらの準備は整ってるか?』

モニターの両サイドについているスピーカーから水雫先生の声が響いた。

「ええ、準備万端です。いつでもどうぞ」

黒崎さんは耳元につけていたマイクで返答する。

『わかった。じゃあ生徒の諸君!目ん玉ひん剥いてよぉーく見とくんだな!これからミッションを開始する』

《ミッション内容》

 この街の何処かに存在するとあるマフィアのボスを暗殺せよ。


らしいのだが最初の武器庫で地図とかそこら辺の必要情報は限りなく入手されるため場所を特定するのは探さずともいいくらい簡単だそうだ。大事なのはそのあと、どれだけ的確にローリスクで敵を暗殺()るかということだ。場所がわかっても見つかって殺されちゃ意味もない。ミッションの最も重要なのはそこからだという。



水雫先生は狭い裏路地を挟むビルの壁を巧に登っていく。

まるで普段から壁上りしているかのような軽やかさだ。

「これはPK(パルクール)というもので、のちのち皆様にも出来るようになってもらいます。因みに同じ意味の言葉にFR(フリーランニング)というものもありますね」

黒崎さんは先程の水雫先生の動きについて説明を述べた。

あれを練習してマスターしないといけないのか。

うん、無理。

絶対無理。

そんなことを思っているうちに水雫先生はビルとビルを何も躊躇もなく飛び越えていく。

かっこいいけど……かっこいいけど…………無理でしょあんなの。

できるの人間じゃないっしょ。

さすがにそれは先生に失礼か。

対象(ターゲット)がいるビルを発見』

水雫先生の声が聴こえたため思考を切り、画面に目を向けた。

水雫先生はビルの端に立ち止まりジッと一つのビルを注視している。あれがターゲットのいるビルなのだろう。

すると最上階の窓ガラス側に一人の男性が現れた。

タバコを吸いながら夜景を眺めている様だ。

どこかで見たことあるな?と思い画面の端に現れているターゲットの顔写真と一致した。

「あ、ターゲットだ」

「今頃気づいたの?プクククク、さっすがおバッ……御剣(みつる)ねプクククク」

「にゃろお……」

不意に言ってしまった言葉に椛は笑う。

いつか必ず仕返しをしてやる。何回心に誓ったかな…これ。

目標(ターゲット)発見。これから殺る』

すると水雫先生は片手をターゲットの方向に上げた。

一体何をするのだろうか……。

手から光弾でも発射して殺るのか……それともビーム?

なにも武器を持っていないかつなんらかの特殊能力(スキル)を持っているはずの先生はどうするのか?と、興味を抱き画面を凝視する。

すると数秒後、いきなりターゲットは胸を抑えて苦しみだし、その場に倒れ込み動かなくなった……。

そして直ぐに画面にはCLEARの文字が……なんて読むんだあれ。

し……し……しれ…………。

「しれある?」

なんだろうしれあるってシリアルみたいだな。

すると再び椛が笑い出した。

しまった、また失言をしてしまったっ……!

「プフフフフフフフフッ!なっ、なにしれあるって……!も、もしかしてクリアのことっ……ククッ……」

笑いすぎでしょコイツ。

彼女は笑い涙を手で拭き取り答える。

「御剣……勉強をしよう」


ポン。


と彼女は俺の方を軽く叩く。

「うっ!うっせえっ!」

「はいそこうるさいよー」

黒崎さんから棒読みの注意が入る。

渋々俺らは黙り画面の方を向く。

CLEARの文字は画面の上に移動しており、5桁程の数字が数行ごとに現れていく。

「上からソロボーナス、タイムボーナス、移動ボーナス、非戦闘回数ボーナス、スキルボーナス、クリアボーナスって英語で書かれているわ」

横から椛からの言葉が入る。

「あ、ありがと」

「いいのよ、これぐらい」

こいつ……意外といいところがあるんだな……。

「ん?どしたの?おバッ……御剣」

訂正しよう殆ど嫌な奴だけど数パーセントいいところがある、と。

「はい皆さん、ちゃんと見ましたでしょうか?これがこの練習機器の使い方と例でした。それでは……明日早速これを使ったバトルロイヤルモードを行いますので明日の8時までにここに集まってください」

黒崎さんがここでの説明のまとめを言い始めた。

ところが、

「すみません、先ほど水雫先生は何をやったんですか?」

生徒の説明がそこに割り込んできた。

「あ、あれですか?あれは水雫先生の特殊能力(スカコル)です。残念ながらどのような特殊能力なのかは教えることができません。戦闘では自分の手駒を相手に知られないようにしないといけませんから」

「あ、はい分かりました」

「」ー、じゃそれでは解散と致しましょうか、入口で水雫先生が待ってますよ」

その言葉に驚いて入口の方を向くとそこには水雫先生が身体を壁にもたれかからせて立っていた。

いつの間にっ!

そんな驚きのあと俺らは教室に戻るべくこの部屋をあとにした。

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