特殊能力練習場説明
「えーっと……まずこの左右に並んでいるカプセル状の機械なんですが、これは特殊能力練習機器というものでして、先ほど配られたカードキーで開けることができます。んで、中に入るとヘルメットのようなモノが配置しているのでそれを頭にかぶってその場で横たえてください。これらの用意ができたら接続開始略語がありますのでそれを言ってもらいます。」
黒崎の淡々とした説明がその場に流れる。
皆は静かにその説明を聞き入れているが一人が質問のため手を挙げた。すると黒崎は説明をやめた
「接続開始略語ってなんですか?」
「接続開始略語ですか?ええっと、最初は特殊能力練習機器接続開始!だったんですけど……あっ、これは言わなくてもいいですね。んで、その接続開始語が長すぎるという生徒の声がありまして、今は“リンクスタート”と言うものになってますね」
「わかりましたありがとうございます」
生徒の突然の質問も終わり再び説明に入る。
「どこまで話しましたっけ……あっそうそう接続開始略語までですね。で、言ってもらうと脳から体に伝わる信号を遮断しその信号を機械の中に送ります。んで、機械の中にあなた方のアバターが生成されるのでそれを動かして特殊能力の練習をして頂くわけです。まぁわかりやすく言えばゲーム内に入ってもらってそこでジャンジャン動いてください、ってわけですね」
なんか物凄い技術を言っているような気がする。
「ゲーム内に入れる……ってそんな技術が現代社会にあったのか……」
「あるに決まってるじゃないの御剣」
「決まってるじゃないって、椛はなんとも思わないのか?こんな技術」
「そりゃあ聞いたときは驚いたけど、考えてみ?私たちが持っているらしい特殊能力、あれを思うように使えばこれぐらいのものは容易く作れるんじゃないかって」
「なるほど……じゃあなんでこんな技術の結晶を隠してるのかな」
「あんたってホントに馬鹿よね。少し考えたらわかるでしょもしこの技術が国外に漏れて戦争のためになんかに使われたらただじゃ済まないじゃない」
馬鹿って言われたが……今は無視する。間違っているわけでもないし
「戦争のために使うってどうやって」
「……この大馬鹿」
そう言い人差し指で俺の額をつつく。
「さっき黒崎さんの言ってたようにゲーム内に入って練習するなら兵の練習に弾代やらなんやら掛からず実践的な練習が出来るというわけよ」
「おー、成程」
流石俺より順位が高い人、考えることが違うね。出席番号四十九だけど。
「そこの二人話は終わったかい?」
「ひぃえ?えっ!?」
俺はなんなのかわからない声を上げた。
「いやなんか楽しそうに話してたからさ。で、そこの女の子、その考察合ってるよ。素晴らしい」
「あ、ありがとうございます」
椛は顔を赤くしている。褒められたからではない、今までの話を全て聞かれていたからだろう。多分俺も赤くなっているだろうな。
「それじゃ続きいきますよー」
三度黒崎の説明に入った。