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特殊能力練習場

特殊能力練習場は道定(みちさだ)と龍ケ崎ののびている真っ暗な一番下まで降り、先生は二人に声をかけた。

「ほら道定、龍ケ崎そんなところでのびてないでさっさと起きろ!日が暮れちまうぞ!」

「んっ……ぐぐっ」

「っ…………ん……」

二人は声を漏らしながらゆっくりと立ち上がる。

「よし、起きたな。それでは!特殊能力(スキル)練習場に到着だ!」

……と、言っているが周りは真っ暗でどのようなものなのかははっきりしない。

「先生?真っ暗で何も見えないのですが……」

生徒の一人が先生に質問を投げ掛けた。

「……あ、おっとすまん。練習場への扉を開け忘れていた」

おいっ!

生徒達は口に出さず心で突っ込む。

そうしている合間に先生は三度カードキーを取り出して鍵を開け扉を開いた。そして先生が一歩中に足を踏み入れると……


カッ!


蛍光灯が勝手に輝き練習場を照らした。

「おおっ!」

生徒達は異口同音の感嘆の声を漏らす。

練習場には両サイドに何やら配線や機器のついたカプセル状の機械がズラリと対を成して奥まで一列に並び、最奥には大きな画面とコントロールパネルが並んでいる。

「では皆……これが特殊能力(スキル)練習場だ。それじゃ中に入ろうか」

皆は先生の声に従いゾロゾロと中に入る。

「水雫先生!」

最奥の方から白衣を着た若い一人の男性が先生の名を呼びながらこちらに走ってきた。

「おおっ!黒崎、すまんな遅くなって!」

「いやいや全然、ところで後ろにいるのが今年の十組の生徒達ですか?」

「まぁな。1人とんだバカがいるがな!」

俺だ……絶対俺のことを言っている……

「はっはっは!おバッ……御剣のことだね!絶対!」

「うっせー!口軽女!しかもさっきおバカ君て言おうとしてなかったか!?」

一番言われたくない人に言われた……

「気のせいよ!あと誰が口軽女ですって!?私の名前は口軽女じゃなくて高倉 (もみじ)!それくらい覚えておきなさいよ!このおバカ野郎っ!」

「また言ったなぁ!」

「私が言わないと約束したのはおバカ君!おバカ野郎は例外よ!」

「なんだとォ!」

俺と椛は互いに睨み合いその場に火花が走る。

「おいこらバカップル!こんなところでも喧嘩をするな!」

「バカップルじゃありません!」

「その前に付き合ってません!」

クスクスとその場で軽い笑いが起きた。

「まぁ……先生の言うとんだバカは誰なのかは解りました……」

先生曰く黒崎という名の男性は苦笑いしながら言う。

「取り敢えず……というかこの場の説明をしないといけませんね。では説明に入ります」

ゴクリ……俺は唾を飲む。

「……とその前にここに入るためのカードキーを配りますね!一番の方から順番に来てください!」

俺は呆気に取られた……。そうしている合間に次々とカードキーが配られ、俺の番が来た。

「どうも」

俺は軽く頭を下げる。

「はいでは皆に配りました!これはカードキーとしての意味だけではなく身分証明書でもあるため絶ッ対になくさないでください!なくしたら作り直すのが面倒なんで!」

なくしそうだな……俺は素直に思う。

「名前は知らないおバカ君……なくしそうだなとか思わないでくださいよ……ホント作るの面倒なんですからね」

「ウグッ……」

心を読まれた……まさかこの人の能力(スキル)は心を読む能力者(ホルダー)なのか?

「どうせ私は心を読む能力の持ち主とかでも思ってるんじゃないですか?違いますからね」

ニコッと笑いながら男性は答える。

「それじゃ改めてここの説明をし」

「おっとすまん。この者の名前を教えるのを忘れていたな!」

先生っ!空気読んで!俺らは再び心で突っ込む

「この男の名は黒崎 (つとむ)。覚えておくようにな!」

「はーい」

「ど、どうも黒崎です」

生徒の返事と黒崎の遅れた挨拶が重なる。

「では、黒崎。説明を頼む」

「了解。じゃ、生徒の皆さんは前の大きな画面を見てください」

皆は顔を画面の方に向け、静かに説明を受けることにした。

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