階段
「ほえー、すげー」
中は数メートル先に台がたくさん置いてありその上には拳銃が1つ、それと四角い箱……弾薬かな。そしてその数十メートル先には的が立掛けられていた。
「ここがスキル練習場……」
「あほ、どう見たって銃器の練習場やろ」
あ、なるほど
椛に突っ込まれて納得する
「ほれ皆、こっちこっち」
先生が部屋の奥の方に向かいながら手招きをする。俺らは足を動かして先生に付いて行く。
「特殊能力練習場はこの奥やで」
すると先生はカードキーを取り出して鍵を開けるとそこには下に降りるための階段があった。
「はい、じゃあ滑らないように降りるんだぞー」
「はーい」
通気性が悪いのか確かに階段が少し湿っていた。
カツ カツ カツ
静寂の中に地面を叩く足音のみが響く
その静寂を破ったのは他でもない
「うわあああああああああああああああああ!!」
ドン! ドン! ドン! ドン! ドン!
一人の生徒が滑り階段の一段一段で尻餅をつきながらこの先に広がる静寂を突き破るが如く闇夜に消えていった
「御剣……あんたちゃんとお約束事はやってくれるのね」
「残念だったな!俺はここにいる!」
「えええええええええええええええ!!」
どうやら御剣ではなくほかの生徒だったようだ。
「全く……誰が落ちt」ツルン
「うわあああああああああああああああああああああああああ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
やはり御剣は約束を守ってくれるそうで2発目の静寂を切り開く斬り込みとして進撃していった。
残った生徒たちは朗らかに笑う。
「おいこら、龍ケ崎!道定!注意したのになぜ滑ってる!」
どうやら先に滑っていった人は道定と言う名前らしい。
すると階段の下から
「むぎゅう」
と言う声が聞こえてきた。
「たくっ、まさかトラップを仕掛けてみて引っ掛かるとは……」
先生は小さく独り言を言った。その声は笑い声でかき消されて誰の声にも入ることはなかった。