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入学式

「十組の皆様はこちらの列の前の右側から左へと番号順に五人ずつ横に並んで座ってください」

生徒の声が聞こえる。先ほど生徒がヘリに乗ってたから普通の生徒は授業があっていると思うから…生徒会とかなのかな。

「さて、おバカくん。問題です」

「誰がおバカや!」

またあの女子だ。

「一クラスはここで横に五人ずつ並んで座りますます。そしてその並びは縦に続きます。ではその横に五人並ぶ列は縦にいくつあるでしょう?」

ええっと…五人ずつ並ぶんだろ…んで、一クラス五十人だから、五十を五で割って…

「十?」

「はっはっは!残ね………あってる!?」

「ドヤァ」

「いやいや『ドヤァ』言う程じゃないからね!小学生レベルだよ!」

「早く座ってくださーい」

生徒会の人?から声をかけられたので俺らはソサクサと席に座った

「今から第二十回入学式を始めます。新入生、職員起立」

ガタッ

「礼」

「着席」

やっと…待ちに待った入学式が始まる。列の並びは前方に一組から五組までが横五人、縦十人の並びで座り、後方も同じく六組から十組が横五人、縦十人並んでいる。こうやって見ると五百人って結構いるんだなと思う。

「校長先生の話」

放送の声とともに体育館の端の方に座ってた先生のうちの一人が立ち上がりステージに上がっていく

「新入生起立」

ガタッ

「礼」

「着席」

「えー、皆さん、入学おめでとう。この高校は──」

何処ぞの学校も同じであろう長い校長の話が続く。

「──では、これで私の話を終わります」

やっと終わった…と思っても五分も経っていない。退屈だとこんなにも時間が長く感じられるんだな。

「新入生起立」

ガタッ

「礼」

「着せ…くしゅん」

「プププッ」

席に座ったあと隣に座っているよく話しかけていた女子が笑っている。そりゃあ式の放送がいきなりくしゃみをしたら笑うよな。

「す、すみません。では次、生徒会長の話」

また端の方に座ってた生徒会の一人が立ち上がった。へぇあれが生徒会長か

「新入生起立」

ガタッ

「礼」

「着席」

「皆さん。 東京都国立学問・実技総合高等学校改めて東京都国立暗殺専門高等学校への御入学おめでとう。」

生徒会長の言葉で殆どの人が凍りついた。今なんて?暗殺?専門?とでも思っているのだろう。俺だってそうだ、驚いている。

「えっ?暗殺?」

「今なんて言ったの?」

「乗る船間違えたかしら?」

周りの人々は頭に疑問符を浮かべて騒ぎ出した。ただ右隣の女子は来ました〜待ってたよ〜的な顔をしてニヤついている。

「お前…なんでニヤついてんの?」

「へ?ニヤついてた?」

彼女はニヤつき顔を治すためか両手を頬に添えこねるように頬の上で手を動かしている。

「うん。ニヤついてた」

「た、多分気のせいだよ」

「じゃあその動作なに?」

「え、いや、そのー」

何故か彼女は困惑している。

「皆さんお静かに!」

放送が入って少しずつ騒ぎはおさまり始めた。

「えー、すみません。いきなり言ったらそりゃあ驚きますよね。この高校の本当の名前は東京都国立学問・実技総合高等学校などではなく、東京都国立暗殺専門高等学校というものです。その名の通り暗殺専門の学校です。」

「ふざけんじゃねー!」

「お家に帰らせてー!」

また皆が騒ぎ始めた。

「お静かに。ただの暗殺専門ならばあなた方のような武器をまともに扱ったことのない素人は入れません。もちろんこの中に暗殺の知識があり、ここの高校は暗殺専門と知って入学した人もいるでしょう。じゃあなぜ素人がここに入学できたか、それはあなた方が暗殺に関する才能を持っている可能性があったからです。皆さん、帰りたいなら帰って結構です。明日出航する船に乗ってね。だあなたに帰る家があるのですかね」

その時一人の男性が立ち上がって生徒会長に向かって叫んだ。位置からして四組の人だろう。

「何が才能だ!こんなふざけたところにいれるかよ!帰ってやるよ!俺にはちゃんと帰る家がある!」

彼がその場から退出しようとしたとき

パァン

右上の方から発砲音が聞こえると同時に彼は見えない何かに押されたように倒れ込んだ。皆は発砲音の聞こえた方を向くとライフルを持った黒ずくめの人がいた。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

倒れた人の近くにいた女子が叫んだ。

「あなた方に帰る家などない。あなた方に関わった人の記憶や経歴、記録などは全て抹消しています。もし家に帰ったとしてもあなたは他人扱いされるんですよ。それでも帰りたいのなら彼のように頭を撃ち抜かれます。問題を起こされる前に原因は潰さないといけないので。ではみなさん、いい学校生活を」

そのまま生徒会長は一礼をし、ステージから退出し、頭を撃ち抜かれた彼は生徒会の人に回収された。

「これで一年は四百九十九人か」

「いえ、五百人よ」

右隣の彼女が俺の言葉を訂正した。

「いや、だってさっき」

「わからなかったの?あれは単なる脅し、そしてあれはただのペイント弾。しかもあの威力じゃ彼は死んでなんかないよ。」

「いや、わからねぇよ」

「あなた、頭だけでなく視力も悪いの?血の出方がおかしかったじゃない」

「あなたが異常なだけです」

この距離でそんなことがわかる人なんているのかよ……

「じゃあ脅しってことはあの抹消のやつも?」

「あれはホントよ」

「えっ?なんでそう言いきれるの」

「ここはそう言う事ができるからよ」

「…あんた何者だよ」

「単なる新女子高生です」

その後の入学式の流れは生徒会長の話の衝撃で何も覚えていない。いつの間にか終わっていた。

「はい、これで第二十回入学式を終わります。入学生、職員起立」

ガタッ

「礼」

「着席。では新入生はそれぞれの教室に移動しますので指示があるまでその場でお待ちください」

一組から順に一クラスずつ教室に行く指示を受け体育館から退出していく。そして十組の番が来た。

「では十組の皆さん起立してください。あなた達の教室に移動します。教室には既にあなた達の担任がいます。では、移動しましょう」

そして俺たちも教室に向かうため体育館から退出した。

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