月
そっと照らす君の顔に僕は恋をした
微笑みなんて望まない
瞳の中に閉じ込めて欲しい
この願いを口にしたら君はきっと僕を嗤うだろうね
紅い唇が弧を描いて
夢に誘う爪で引き鉄を引くんだ
迷うことなんてなかった
過ちなんて恐れずに
腕に抱かれて夢見る蝶のように
金色の衣に包まれて羽ばたきながら足掻く
ねぇ もう一度だけこの手に繋がれてよ
空に放たれた小鳥のように
僕は君を求めて飛立つよ
寒さも渇きも忘れて
その頬を濡らす涙を拭うんだ
きっと君は笑いながら涙を隠すだろうね
幾筋もの煌きに唇寄せて
夢に誘う言ノ葉を紡ぐんだ
甘い綿菓子に絡まれて
同じリズムで廻る虚空
君なしで進む世界に僕を置いていかないで
迷うことなんて愚かだ
幾ら過ちを重ねても
僕は君を求めて両手を伸ばす
金色の粉に塗れて仰ぐ天は君の軌跡
あぁ 夜の刹那に満ちる想いを染めて
もう一度だけ抱き締めて