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魔法少女のプロローグ(後編)

―——きっと、きっと、蛍を殺した犯人は罪に問われることになるだろう。

そんな・・・少しの期待をしていた。


ただ・・・そんな期待というのは次の瞬間に崩れ去ることになった。


「———無罪!無罪です、ただいま―————」


そんなテレビの声が・・・私の頭の中にこれでもかと言わんばかりに響く。


「・・・・・・・・え?どうして・・・」


何も・・・訳がわからない。

なぜ?どうして・・・


どのようにして呼吸をするのか・・・わからなくなる。

私は今、ちゃんと呼吸ができているのだろうか?

私は今・・・あれ?私は・・・私、わたし・・・・・・


何もかもが、わからなくなる。

自分という存在ですら、曖昧で、歪で、一瞬にして泡のようにして消えてしまうと思えてしまうぐらいに。


「容疑者は精神疾患を患っており――――」


ニュースの音だけが聞こえる。

が、頭の中にニュースの内容が入ってこない。

ただ・・・だとしても、一つだけ”今の私”にもわかることがあった。


それは―――――。


「正しくない、何も・・・何も、許す?許せるわけがない」


あぁ、そうだ。

だから・・・その正しさは間違いだ。


「人を殺した・・・そんな奴が、無罪?許される?あり得るはずがない、間違っている」


罪を犯したの者にはそれ相応の罰がないとおかしい。

そうじゃなければ・・・きっと―――――。

この世界というものがおかしい、そう思ってしまう。


なら私は、私がやることはたった一つだ。

ずっと忘れていたこの世界の間違い。




―———ずっと昔私は思っていたことがあった。

それは・・・この世界がおかしいと。


そのきっかけはとある一つのニュースからだった。


一人の男がとあるキャバ嬢の女性を刺殺した。

理由はそのキャバ嬢が自分以外の男と仲良くしていて嫉妬した。

そして逆上して、殺した。


・・・正直、本当にくだらない。

そしてなんと残酷なものなのだろうと思ってしまった。


ただひと時の感情だけで・・・人は簡単に罪を犯すということに。


そして・・・その男は最終的に刑務所に何十年か入れられることになったらしい。


そんな結末に私は納得できなかった。


正しくない。


人を殺した。

それなのに・・・その殺人鬼はどうして、どうしてその程度の裁きで許されるのか。


人を殺したのだ。

それなら・・・それにふさわしい、苦痛を与えるのが当たり前だと、

そう思えてしまった。


それから・・・それから十年ぐらいは経っただろうか。

もうそんなことは忘れて過ごしていた。


今思えば、それは彼女という存在がでかかったのかもしれない。


まぁ・・・そんなことも、今はどうでもよくなったわけだが―――。




「・・・・・・私が、やる・・・私がやらないと・・・この世界を正す」


それはきっと、彼女への弔いとなるから。

だからこそ、私は――――。


そんな、決意を私がした瞬間のことだった。

それは突然、本当に・・・突然すぎることだった。


目を瞑ってしまうほどの光が私を覆った。


「————っ」


あまりの光の強さからか、私がくらんでいると・・・


―———きっと・・・君になら成し遂げることができるよ。


どこからか・・・そんな言葉が私の中へと入りこむようにして聞こえてくる。



そして・・・そして・・・・そして・・・・・・

その光が収まるのと同時にして。

私は異様な力を手に入れることになった。




―——それが・・・私という魔法少女の始まり。

なんとも摩訶不思議と思える・・・出会いのようなものから始まった、

この世界を正す少女の物語の始まり―――。

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