夢のサバイバル
尾我輪は、見知らぬ場所に居た。見る限り、田園が広がっていた。そして、「ここは、外国ぢゃのう!」と、腰に両手を当てながら、あっけらかんと言った。
そこへ、胸元に、日輪模様の大熊猫が、敵意剥き出しに現れた。
尾我輪は、咄嗟に、身構えた。そして、一定の距離を取りながら、右回りに動いた。野獣と戦うのは、初めてだからだ。
「ウガーッ!」と、大熊猫が、吠えた。
「ほう。威勢がええのう!」と、尾我輪は、口元を綻ばせた。猛々しい者と対峙する事に、心躍るからだ。
その直後、骨格が透けている直立歩行をする豚が、大熊猫の反対側から現れた。
「うひょーっ! スケル豚まで現れたかっ!」と、尾我輪は、上気した。まさか、魔物とも、やれるとは、思わなかったからだ。そして、「先ずは、どっちをやるかぢゃな」と、舌なめずりをした。どちらも、手合わせをしたい者だからだ。しばらくして、「ようし! お前ぢゃ!」と、右手で、大熊猫を指した。熊とやりたかったからだ。
その瞬間、「ウガーッ!」と、大熊猫も、呼応した。そして、突進して来た。
「よっしゃあ!」と、尾我輪も、投げられるように、身を低くした。程無くして、「なっ!」と、目を見張った。不測の事態が起きたからだ。
豚が、寸前の所で、大熊猫へ、跳び蹴りを見舞ったからだ。
大熊猫が、もんどり打って倒れた。
間髪容れずに、豚が馬乗りになり、大熊猫の顔面を殴った。
その間に、尾我輪は、豚の前へ回り込むなり、「止めんか!」と、豚の顔面へ、右手のビンタを食らわせた。不意討ちは、頂けないからだ。
大熊猫が、隙を突くなり、「ウガァーッ!」と、体を左右に動かして、豚を振り落とした。
尾我輪も、飛び退って、離れた。
大熊猫も、起き上がり、体勢を立て直した。
しばらく、三者は、睨み合った。
「これじゃあ、埒が明かん!」と、日輪大熊猫へ、仕掛けた。先手必勝だからだ。
少し後れて、豚も、大熊猫へ、跳び蹴りを繰り出した。
程無くして、大熊猫が、仰向けとなり、降参をした。その直後、二名の攻撃を食らうなり、「ウガ…」と、伸びた。
「次は、お前ぢゃのう!」と、豚へ、視線を向けた。豚だけでも、仕留めたいからだ。
「尾我輪、尾我輪…」と、豚が、呼び始めた。
「何で、わしの名前を知っちょるんぢゃ!」と、尾我輪は、怒鳴った。名乗っいないからだ。間も無く、周囲の景色が歪み始めた。そして、「ここは?」と、黒板を視認した。程無くして、夢から覚めるのだった。




