ミルクスープ粥
ミルクスープ粥(洋風)
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オカンの評価 星5つ
作る難易度 星1つ
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ポイント!
ミルクスープ粥は、牛乳とお水の割合がポイントです。
良く牛乳を鍋で温めている時、強火にし過ぎて焦がしてしまったと聞きます。
お粥に使う時は、コトコトと煮込むので焦がす訳にはいきません。
そのコツは、焦げやすい牛乳の濃度を風味を壊さない程度に薄めること。
ミルクスープ粥の材料
お米 1合(160g)・・・基本型ロカボ粥の1〜4の処理しておく
玉ねぎ 1個(170g)
バター 10g(無塩バターだと塩分カットできます)
オリーブ油 大さじ1杯
水 3 00cc
牛乳 500cc
足し水 4 00cc
コンソメ 1個
(市販の塩分計で塩分濃度0.3%くらいの目安です)
注意! お水のccとgの比重は一緒です。
ミルクスープ粥の作り方
1
玉ねぎをみじん切りにします。
ここで切ったまま空気に触れさせるようにフライパンに広げて20~30分ほど放置します。
(硫化アリルの成分抽出です。夏場はバットに移し、冷蔵庫で寝かせてください)
玉ねぎを細かくみじん切りにすることで、玉ねぎの風味や味がスープのコクになってくれます。
大きく切り過ぎると火が通るまで炒めるので、炒め時間が長くなってしまいます。
2
フライパンにバター10gと、オリーブ油大さじ1とみじん切りした玉ねぎを入れて、火を点けて炒めていきます。途中、火加減を弱めたりしながら焦げないように炒めましょう。
焦がさないように、木べらでかき混ぜながら、玉ねぎに火が通って透明感やツヤ感が出て黄色っぽくなるまで炒めます。
見た目が分からないなと感じたら、香りが生のツンツンした香りが無くなって、美味しそうな旨味が出て来た様な香りになったら火を止めて次の工程へ。
オリーブ油だけでも作れますが、温度が上がりやすく焦がさないようにする為とコク増しする為にもバターを使います。
炒めている時の物の変化は、微妙な色だったり香りだったり変化していくので、五感で感じ取りながら見逃さないで下さいね!
3
炒めた玉ねぎに水300ccを入れて、一回沸騰させてから弱火で5分ほど煮ます。
玉ねぎスープの様に、玉ねぎからエキスが出て少し濁った感じになったら火を止めて粗熱をとります。
そのまま放置でも良いですが、水を溜めたボールに鍋底を浸すと早く熱が取れます。
粗熱が取れたら、ハンドブレンダーかミキサーでポタージュの様に固形物が無い状態にしていきます。
嚥下のために玉ねぎの繊維質を残したくない場合は、裏ごしすると飲み込みやすくなります。
4
ロカボ処理したお米を入れて、水400ccを入れます。
3で作ったポタージュ状の玉ねぎスープ300ccも入れます。
蓋をして強火で加熱しますが、沸騰するまで傍に居て下さい。
そして、沸騰したら弱火で20分炊いたら火を止めます。
煮炊きポイント
煮込んだり炊いたりする時には、強火で1回沸騰させてから弱火にします。
そうすることで、対流による噴きこぼれ難くなります。
5
30分放置して蒸します。
もし、七分粥でも飲み込むのが難しいのであれば、この時点でハンドブレンダーかミキサーにかけるか、もっと厳密にするなら、裏ごしをしてください。
その後、鍋に移し替えて沸騰するまで温めて、粗熱をとってから袋詰めします。
この再沸騰は、ハンドブレンダー・ミキサー・裏ごしなどの何か手を加えた時に必ず、加熱殺菌の意味合いで行って食中毒などの危険性を減らしてください。
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要点と考察!
牛乳は水よりも密度濃い分、水で割らないと噴き零しの原因になってしまいます。
なので水の追加量を計算して、牛乳の分量より、玉ねぎのポタージュで使った水分と追加分の水の合計の方が多くなるようにします。
後は、ロカボ米と一緒に炊きこんで作る時に、煮炊きポイントをしっかり実践すると、噴きこぼれの心配は少なくなります。
また、牛乳にも玉ねぎにも糖質と脂質が含まれていますが、作った時に使った玉ねぎと牛乳の分量は一回に摂取する量ではなく、おおよそ1/4~1/5の摂取量になります。
他のお粥を甘くないものにすれば、気にしないで食べられるのではないでしょうか。
1合のお粥として炊いた時に200gなら5パック、300gなら4パックで袋詰めすることが出来ます。
嗜好と至高2
病気になったり体力が落ちたり免疫が下がったりした時、人は無意識で本能的に食べたい物を要求する欲求が沸き起こる事があります。
オカンから「ミルク粥が食べてみたい」と聞いた時、倒れたばかりのオカンが入院した病院の食事で少しずつ回復したことによって、量を食べられるようになり、食べる意欲が湧いてきたのだと思いました。
今までで、何種類かのお粥を食べている内に、過去の記憶にあった食べた事の無いミルク粥に焦点があったのではないかと。
そして、その記憶の奥底にある欲求に繋がる本能が、『牛乳』を選んだのだと思いました。
熱中症と脱水症で倒れた場合、お医者様が気にされていたのは内臓がダメージを受けていないかでした。
その検査をして弟が説明を受けていたので、内蔵が回復するために必要な栄養を食べさせるためのお粥が必要だと考えていたのですが、オカンは本能でチョイスしていました。
牛乳にはタンパク質や、ビタミンB2やB12、カルシウムが豊富で熱しても栄養がほぼ変化しません。但し、牛乳を熱した時に薄い膜ができますが、その膜を取ってしまうと栄養価が減ります。その膜にタンパク質や脂質が詰まっているからです。
なので、牛乳をお粥に仕立てる時には、使う牛乳以上の水を入れて膜が出来ないようにする事が必要なのです。
タンパク質は筋肉や内臓を作っている主要な成分です。ホルモンや免疫物質の材料にもなっています。
ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を保つために必要です。
ビタミンB12は赤血球が作られる時に関与し、造血作用に必要なものです。
カルシウムは骨や歯の大切な主要成分であり、筋肉の収縮や神経興奮の抑制などに関与しています。
適量を持続的に摂取したい牛乳ではありますが、ただ単に牛乳と米を炊くだけで良いのかというと、食べる側になって考えた時に食欲を向上させていくような作り方を考えていく必要があります。
ミルク粥のお題を貰って、真っ先に考えたのはポタージュスープを作る工程でした。玉ねぎのポタージュやキノコのポタージュや野菜のポタージュ。そのどれもに、玉ねぎと牛乳を使っています。
ポタージュスープを作るやり方を工程に組み込む。
そして、それをロカボ米と合わせてお米と炊いていく。
これらの作り方は、正にイタリアのリゾットの作り方が適していると考えました。
リゾットを柔らかく水分を多くすれば、お粥です。
玉ねぎは甘味も風味もコクも出してくれます。
そして、玉ねぎは硫化アリル、ケルセチン、カリウム、オリゴ糖、食物繊維などが含まれていて、今回のオカンの身体にはベストチョイスだと思いました。
硫化アリルは、水に出やすい物質で、血液をサラサラにして血栓や血液凝固を防いでくれます。
ケルセチンは、強い抗酸化作用を持ち、LDLコレステロールの酸化を抑制してくれます。
カリウムは、余分なナトリウムを水分と一緒に排出してくれます。
オリゴ糖は、腸内環境を整えてくれます。
食物繊維は、糖や脂質の吸収を抑えてくれます。
特に玉ねぎの持つ効果で、硫化アリルとケルセチンは有効だと思いました。
硫化アリルは空気に触れさせると沢山出てきてくれるので、みじん切りにした後、30分程放置して独特の匂いが立つ状態にしてから炒める様にしました。
そして、ケルセチン。
倒れた直後の人の身体は、かなりのストレスを抱えています。そのストレスは、活性酸素を生みだし身体を酸化させていきます。
ケルセチンの持つ抗酸化作用は、LDLコレステロールの酸化を抑制をしてくれるので、他の抗酸化作用を持つ食べ物と並行して摂っていきたい大切な栄養の一種です。
そして勘違いしないで欲しいのは、これらの栄養がある食べ物を1日や2日続けて食べたからといって、直ぐに効能を手に入れられる訳ではありません。
健康は一日にしてならず。
人の身体が摂取できる容量というものも、そして、その結果が反映されるのも個人差があります。
ただ、ここで最も大切なのは、良いからと言って偏った食べ方をしないこと。食べられる量は有限です。だからこそ、満遍なく、旬の野菜やお肉や魚、乳製品、ありとあらゆる食材を摂取して、健康を維持していくことが大切です。
ほぼ、全ての食材に効能効果はあります。
食する側であり調理する側が、同じような効能を持った食材、効果を増幅させる物や補助する物と組み合わせて美味しい料理を作るからこそ、健康は保たれます。
料理は科学だと良く言われますが、素材を生かしたテトリスの様な組み合わせのパズルを、どうか楽しんで挑んでみてはどうでしょうか。
きっと、挑んだ先には、かけがえのない家族の健康があるはずです。
読んで頂きありがとうございます。
試行錯誤の文章で、目下文章起こしに遠い目になっています。
レシピがどんどん溜まって、早く投稿できれば良いなと思う今日この頃。
今のところ、塩分濃度がタニタの塩分計で0.3%くらいで作れています。
次回はマッシュルームのミルク粥です




