第6話 たんぽぽと街へお買い物
目覚めはたんぽぽのもふもふ感。
ふぇ〜
ピュー
あたしは目を擦りながら農屋を出て行くと、たんぽぽはあたしの後をトコトコついてくる。
お出かけの時以外は手綱を外している。
パパがすみれとたんぽぽはお友達だから手綱はお出かけの時につければ良い。そう言っていた。
あたし達お友達!
玄関に入るとママが朝ごはんを食卓に運んでいた。
「おはようございます」
あたしは思いっ切りお辞儀をするが、いつもの様にでんぐり返しをさせてくれない。たんぽぽがあたしのお洋服の後ろを咥えている。
「すみちゃんおはよう」
「すみれ、おはよう」
たんぽぽはあたしの背中を押し席に付かせる。
朝食。今日は焼き魚とのびるとわらびの和え物。
焼き魚は大根おろしに醤油をかけ、のびるとわらびの和え物と一緒に食べる。さっぱりしていて美味しい。
更にご飯を一口。あ〜米文化に生まれて良かったと思う。今日も美味しかった。
ご馳走様
あたしがたんぽぽと出かけようとサドルをつけていると
「すみちゃんお買い物お願い」
渡された紙には卵、ウインナー、お豆腐、納豆等色々《いろいろ》書いてある。
これがないと卵焼きやたこさんウィンナーが食べれない。
「はい。行ってきます」
お買い物かごとお財布、他の紙も渡されたがポーチにしまった。
もう慣れた!※1
手綱を引きながら歩く時代は終わり。今は玄関からたんぽぽに乗り走るのだ。
国道まで一直線。小川の川橋を渡り民家がぽつぽつ見えると県道にでる。
やったぁ。けんどう。けんどう。
県道から国道までは荷馬車で向かう。
国道まで荷馬車で一時間。街まで更に一時間かかる。
荷馬車の待合室で待っているとあたしもたんぽぽも瞼が重くなる。
うとうと
待合室のベンチに座ってたんぽぽの背中に頭を持たせている。
こつ、こつ、がたん、がたん
馬の蹄と荷車の車輪の音がしてくる。
ピュー
たんぽぽがあたしに荷馬車が来た事を知らせている。瞼を開けようとするが眉毛が動くだけだ。
荷馬車が止まるとたんぽぽが御者にピューと訴える。
御者は降りあたしとたんぽぽを荷車に乗せてくれて出発した。
ガタン、ガタン、ガタン
あたしは荷車に揺れながらたんぽぽとぐっすり。国道に着いたのも知らなかった。
御者はあたしを起こすのも忍びなかったらしく軽トラックをヒッチハイクしてくれたので街までぐっすりだった。
「お嬢ちゃん気をつけてなぁ」
「お兄さんもぉ〜」
あたしは両手いっぱいに手を振った。
あたしはスーパーを探しにたんぽぽの手綱を引いているとパパの車がゆっくり走ってきた。
あたしは大きく手を振ると車が止りママが車から降りてきた。
「すみちゃん頑張ったね」
ママはあたしの頭をなでなでしてくれた。
「すみちゃん良い子良い子ぉ」
パパとたんぽぽは車でお留守番。あたしはママとお買い物をした。
※1 絆が強くなった事を言う
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次回は「ももとお散歩」だよぉ。
次回をお楽しみに♪