すみちゃんとたんぽぽの冒険記

プロローグ

　大自然《だいしぜん》に囲《かこ》まれた街《まち》。

　　　　　　　　秩父《ちちぶ》

　森《もり》があり小川《おがわ》がある。

　森《もり》では虫《むし》や動物《どうぶつ》達が、小川《おがわ》では魚《さかな》や水中《すいちゅう》の生き物が元気《げんき》に暮《くら》している。

　そして、

　　　　　　　　牧場《ぼくじょう》

　沢山《たくさん》の牛《うし》が美味しい草を食べ、ゆっくり歩き新鮮《しんせんな》な空気《くうき》を吸《す》い気持《きも》ちよさそう。

　たまには欠伸《あくび》をして長閑《のどかな》な村《むら》で過《す》ごしている。

　あたし「すみれ」のすみちゃん

「ももより1、2、え〜と1、2、うん？」

　すみれは親指と中指を折って、右手と左手を見比べる。両方とも同じ様に親指と中指を折る。終いには人差し指も小指も折れグーになってしまう。

「ももよりぐー大きいの！」

　目の前のももは首を傾けあたしと同じ様に両手の親指と中指を折ろうとするが、全て折れてしまう。

「うん。すみちゃんぐーお姉さん」

すみちゃんはももより三ヶ月お姉さん。秩父《ちちぶ》の村で生まれた。ももととっても仲良し。いつも一緒。お洋服もお持ち物も大体同じ。

　しかし、最近ももに新しいお友達が出来た。