表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

7話 珍道中

 街への道には何匹かの魔物が出た。

 今度はゴブリンではなく、オークやコボルドといった魔物だった。

 

 だが持っている武器は刃毀れした剣や石斧、棍棒と言ったボロい武器ばかりで、纏めて一撃の元に切り伏せた。

 その際にイフェルと連携していたのだが、イフェルはそれなりに剣術が扱えるようだ。

 

 気になったので本人に聞いてみることにしたのだが、どうやら彼女は冒険者だったらしい。


 通りで腕は立つようだ。

 だが、素人のオレにも分かる。


 多分彼女は、剣に向いていない。

 正確な一撃は素晴らしいと思うが、動きがぎこちない。

 剣を扱うというよりかは剣を当てることに意識を向けているような。

 防御に至っては反射神経頼りなのだろう。

 剣はよく手入れされているが、剣腹は傷がついている。


 「よし、イフェル。俺が剣を教えてやる」

 「いいのかしら?確かにあなたの剣を教えて貰えるなら、今後の依頼も卒なくこなせそうだけど」

 

 とは言っても、俺もアシスト頼りなのだが。

 まあアシストしてもらっている時の感覚はあるし、それを伝えれば大丈夫だろう。


 というわけで、道中は魔物を相手に戦闘訓練だ。

 一応リティにも見てもらい、少しずつ改善していく。

 五回ほどの戦闘で、イフェルはすぐにぎこちなかった動きを改善した。

 戦いのセンスはかなりのものみたいだ。


 「動きがよくなった。

 思い切りは大事だからな」


 イフェルの剣はチグハグだった。

 攻勢に打ってでる場面で踏み込みが甘かったり、防御に回る場面で敵との距離が近かったり。

 そこを指摘したのだが、すぐに飲み込んで反映するのはなかなかできることじゃない。


 「ありがとう。もっと頑張るわ!」


 いいね。素直で可愛い女の子。

 きっとモテるんだろうな。


 ちなみに俺の方は、今さっき倒した魔物で経験値が溜まったらしく、新たな(スタイル)の解放が可能になったらしい。


 そういえば。このライトセイバーで使える(スタイル)は、幾つあるんだろうな。


 《解答します。

 (スタイル)には大まかに分けて二種類存在します。

 一つは、プログラムされている基本の(スタイル)

 そしてもう一つは、(スタイル)同士を掛け合わせたものです。

 基本の(スタイル)は経験値で解放可能です。

 (スタイル)同士を掛け合わせた(スタイル)は、(スタイル)を同時に発動させる分魔力の消費量が増加しますが、新たな機能や効果を発揮します。

 特化型(エクストラ・スタイル)と呼ばれるそれは、扱いが難しい分、高い能力を発揮します。》


 ほーう。なかなか気になるな。

 ということは複数の(スタイル)を開放している方が幅広い戦術を使えるってことだな。


 《現在解除(アンロック)可能な(スタイル)は、

 ・防御重視型(ガード・スタイル)

 ・乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)

 ・精密重視型(アキュラシースタイル)

 ・速度重視型(クイック・スタイル)

 ・機動重視型(アクロバットスタイル)となっております。》


 うおっ、結構あるな。

 うむ。どれにしようか悩む。


 まあ普通に考えれば、攻撃重視型(バスタースタイル)の弱点を埋める(スタイル)にすべきだよな。


 《攻撃重視型(バスタースタイル)の弱点は、手数の少なさと防御力の低さです。

 一撃の攻撃力の重きを置く反面、連続攻撃や手数重視の攻撃にはアシストが働きません。

 また、攻撃力を重視しているため強化力場の強化アシストは、身体能力補助に割いているため、強化力場の防御力は大幅に低下します》

 

 ふむ。だったら……。

 乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)一択だな。

 たしかに防御力は大事だが、オレにはライトセイバーの攻撃力を活かす方が合っている。


 《かしこまりました。乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)解除(アンロック)しました。


 『《乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)【特性】》


 【特徴】

 ・攻撃の回数に重きを置く(スタイル)

 連続攻撃や、手数重視の動きを強くアシストします。


 【特殊効果】

 ・『ブレードの取り回し向上』

  ┗追加効果:ブレードの推進力発生。

   ・攻撃時、ブレードの反動を推進力へ変換し、攻撃速度を高める。


 ・『乱撃時身体能力向上』

  ┗手数重視攻撃時の身体能力アシスト出力が上昇。

 

 ・『連続攻撃時加速』

  ┗攻撃が連続するほど強化アシスト出力による攻撃速度上昇』


 と、情報が頭に浮かんだ。


 見てみた感じ、本当に手数重視って感じだな。

 取り回しを高め、連続攻撃をし易くする上に、連続した攻撃が続く限り攻撃速度が上がる、と。


 なかなかいいね。

 はやく使ってみたい!


 と、思いながら魔物を撫で斬りにしていたのだが、


 「あっ!ダメっ!」


 イフェルがそう叫ぶも時すでに遅し。

 知らぬ間に、キノコの形をした魔物を両断していた。

 何か問題があるのか?と思っていると、


 「ブッシャァァァ!!」


 と、両断されたキノコ魔物が黄ばんだ霧を放出してから死んだ。

 毒か?と思ったが、多分俺は力場が防いでくれる。


 と思い様子を伺う。

 

 すると、黄ばんだ霧が木に触れると、そこからさっき倒したきのこ魔物が大量に生えてきた。


 「うっわぁ、きんも……」


 きのこが生えた木が萎んで枯れ木になった。

 そこから飛び出したきのこ魔物は俺たち目掛け走り寄ってくる。

 あの黄ばんだ霧は胞子だったのか。


 はっ、ちょうどいい!

 乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)の性能をみるのにぴったりな状況だ!


 だが問題は、あの大量のきのこ達がまた胞子を出して死んで、を繰り返したら森の木が全て枯れてしまいそうだ。

 

 「レイジくん!

 あれはインクリース・マッシュルームよ!

 傘の部分を斬ってしまうと胞子を撒き散らすの!」

 「要は胴体を切れば良いんだな?」

 「ええ!撒き散らした胞子は魔力を吸い尽くして、一瞬で自身を複製するの。気をつけてね!」

 「あいよ!」


 木一本から出てきたキノコは大体十匹。

 それがまたそれぞれ十匹を出して、と考えると恐ろしいな。


 まあいい。

 全部斬れば同じことだ。


 リティ。今のスタイルは?

 

 《乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)となっております》


 「よし。じゃあ行くぞ!」

 「ええ!やりましょう!」

 《はい。マスター》


 大量のきのこを相手に攻撃重視型(バスター・スタイル)ではきつかっただろうが、乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)なら相手するのは楽だった。

 

 攻撃重視型(バスター・スタイル)と同じく攻撃時の強化アシストが入るのだが、感覚が違う。

 攻撃重視型(バスター・スタイル)は起動と共に、ライトセイバーを握る手に頼もしい手応えを感じると同時に、体には凄まじい力の励起を感じるのだ。


 だが、乱撃重視型ラッシュ・スタイルは起動と同時に体が軽くなったような感覚を覚える。

 手に握るライトセイバーは振るう方向に向かって加速してくれるように感じるのだ。


 《『ブレードの取り回し向上』によるブレードの推進力発生の効果かと。》


 だな。

 手に来る反動が加速に使われているみたいだ。

 

 飛び掛かってくるヤツを切り落とした後、攻撃重視型(バスター・スタイル)なら動きが鈍る。

 だが、乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)なら動きは軽い!

 二体目の迎撃が間に合うのだ!


 迫り来るきのこを帰す刃で薙ぎ払う。

 すると、


 《手数重視の動作を検出。『乱撃時身体能力向上』が起動します。》


 体がさらに軽くなった。風みたいだ。

 ピューン、と一陣の風になって魔物を撫で斬りにする。


 《連続攻撃の動作を検出。『連続攻撃時加速』

 が起動します》

 

 ギアが上がったようにもう一段階速くなる。

 すごいなこれは! 

 速い。あまりに速すぎだ。

 いつの間にか十匹全てを斬り倒していた!


 攻撃が終了したと同時に起動中の効果がオフになる。

 なるほど、この加速は戦闘中だけみたいだな。


 「あ、あなた本当に何者!?

 瞬く間に魔物全てを斬り捨てるなん……て」


 俺もこれ程加速するとは知らなかった。

 意識していれば次から大丈夫だろうが、初見であれはいくらなんでも速すぎる。


 そこでイフェルの言葉に違和感。

 なんかあんまり気持ちよくない語尾だな……?


 と思っていると、


 「ブッシャアァァァァァ!!」


 と、最後のキノコ魔物が胞子を爆発させて撒き散らしながら死んだ。

 よく見ると、縦に真っ二つだった。


 「あ、やべ」


 乱撃重視型(ラッシュ・スタイル)

 攻撃の連続速度は目を見張るものがある。

 だが、制御が難しいほどに加速する点は、この(スタイル)の弱点かもしれないな。


 《いえ、マスターの制御不足です》


 うっせえ!ちょっと高速連撃がダンスみたいで楽しかったんだよ!

 

 その後、「さっき伝えたでしょ、もう!」と言われながら新たに現れたきのこ魔物を倒し切ったのは、いうまでもないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ