4話 いざお試し斬り!
リティと共に機能確認してから数分後。
早速さっき倒したジャイアント・ゴブリンなる魔物と再度遭遇した。
俺のライトセイバーのサビにしてくれよう!
と構えたのはいいものの、敵の握るブロードソードが怪しく僅かに光っていた。
なんだあれ、なんか怪しいな。
《あれは、魔力付与という、この世界の戦闘技術です。
魔力を纏う技術で、斬れ味や耐久力が上昇します。
魔力付与状態の武器は"強化力場"を中和します。力場では受けきれなかったダメージが肉体に及ぶ可能性がございます。
ご注意くださいませ。》
なるほど、エンチャント中の武器は危ないと。
アドバイスありがとうな!リティ!
《いえ。それよりも敵を注目ください。
既に視認されています。》
あいよ!頼むぜ相棒!
『かしこまりました。マスター』
俺は省エネのためにオフにしていたライトセイバーのスイッチをオンにした。
気分ノリノリで構え、スタイルの変更を叫ぶ。
「チェンジ!バスタースタイル!」
《お知らせいたします。すでにスタイルは変更済みです》
あ、そうなの?
なんか恥ずかしいんだけど。
まあいいや。誰も見てないしな。
《……》
何かを感じた気がするが、気のせいだろ!
スイッチをオンにして、ブレードが発生する。
スタイルを変更したからか、白い刃の色が変わっていた。
真紅の光を放つ刃は、白かった時と比べて少しだけ分厚く、音も大きくなっていた。
手に来る振動も強くなっている。
これが攻撃重視型の効果……。
《型は変更するだけで効果を発揮します。特性発揮時はより強く効果を感じられるでしょう》
特性発揮時、ってことは、攻撃重視型なら敵に攻撃する時だな。
「ウグルァァァァ!!」
早速敵が攻撃を仕掛けてきた!
俺も迎撃の為に構え、ライトセイバーを振るう。
ゴブリンの握る剣と、ライトセイバーが接触する。
そのままゴブリンごと真っ二つ、と思っていたのだが、鍔迫り合いに移行。
なんでだ?出力は上がっているのに!
と疑問を抱くと、リティが答えをくれた。
《強化力場と剣に纏われた魔力の膜は互いに中和します。
ブレードを形成する際にエネルギーが漏れ出ないよう、ブレードの周囲に強化力場が展開されておりますので、互いに中和し合います》
要は魔力を纏っている武器や防具には防がれるってことね!先に言ってよ!
《……申し訳ございません。》
次からは頼むよ!一応命がかかってる戦いなんだからさ!
《学習致しました。事前にお知らせ致します》
わかってくれたか!ありがとうな!
《いえ、寛大なお心に感謝致します》
ところでこのゴブリン、力強くね?
攻撃重視型のパワーでも押し勝てないって、結構強いやつなのか?
《魔力操作を行えるゴブリンなので、先ほど撃破したゴブリンよりも強いと言えば強いでしょう》
なるほどね。にしても攻撃重視型の身体能力アシストとはいえ、あんまりパワーアップした実感が無いな。
経験値がどうのこうのって言っていたし、もしかして、敵を倒すと能力がレベルアップするのか?
《いいえ。機能の追加と出力の向上のみです》
一旦鍔迫り合いから逃れる。
力場の補助があったからかあんまり疲れはない。
ふぅむ。思っていたよりアシスト出力が弱いな。
これじゃ隙を突くしか無いぞ。
《お知らせいたします。
現在では攻撃重視型の効果は十全に発揮されておりません》
え!?なんで?
《攻撃重視型は、あくまで攻撃時の出力を高め動きを補助するもの。
先ほどのように、攻撃に対し防御、或いは押し合いに対してアシストは働かず、力場の出力も低下します。》
あ、そういうこと。
確かにさっきは防御に近い感じだった。
なら、こっちから仕掛ければいいんだな?
《左様にございます》
さっきはこっちが受けに回ったが、今度はこっちの番だ!
少しの間合いを取った所から、俺はライトセイバーを担ぎ構える。
そして地面を強く蹴り跳ぶ!
その瞬間。
《攻撃動作を検出。
攻撃重視型の強化アシストを開始します》
体がとても軽くなった。羽が生えたようだった。
そして、構えた動きを補助する力を感じる。
たった一歩の踏み込みで、開けた間合いを瞬時に埋めた。
そして、溢れ出す力のままに担いだライトセイバーを振り下ろす!
《攻撃対象を検出。ブレードの出力が向上。》
腕を動かし始めると同時に、手に来る反動が高まる。きっとブレードの出力が上がったからだろう。
ブレードの光が一層強まり、ブゥン、という重低音がヴゥゥンッ!!と大きくなる。
ブレードが伸長して、表面が荒々しくスパークしている。
見てすぐに分かる。高出力状態だ。
ゴブリンも防御する。魔力を纏った剣でこちらの攻撃を防ぐつもりらしい。
だが。
《攻撃対象の防御を検出。
防御作用の構造を解析…完了。ブレードの構造を変化させます》
防御に回れば、その上から叩き伏せるまで!
それまでただ棒状に放たれていたエネルギーが、その流れを変えた。
荒れ狂う高出力の光の刃は、魔物の持つ剣に纏われた魔力を削り取って破壊した。
特攻状態となったブレードよって加速された一撃は、ゴブリンを真っ二つに切り裂いたのだった。
「ぐ、ぁぁぁ」
《攻撃動作終了を検出。通常状態へ移行。》
ブレードの荒立っていた表面部が滑らかに戻った。
高出力状態では表面にスパークが走っているようになるらしい。
というか、攻撃力高いな!
真っ二つだぞ真っ二つ!
《攻撃威力が最も上昇するのが攻撃重視型でございますので、当然かと》
モンスター相手だからよかったものの、これは人相手に使えないな……。




