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§1.0. プロローグ
「人を愛してはいけない――俺達はそれを守れない
友人をつくってはいけない――俺達は片腕で己を守り
恋人をつくってはいけない――俺達は片腕で依頼主を守る
大切なひとをつくってはいけない――きっとそれは枷となって、俺達を滅ぼすだろう」
在りし日の養父の教えだ。彼は四本ある腕のうち右の小腕でまだ幼い少女だったアズノアの頭を撫でながら、さらに続ける。
「それにお前の場合は、お前が……であることを隠すためにも必要なことだ」
それこそが、アズノアにとってもっとも大切な養父の教えだった。




