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やおよろず生活安全所  作者: 森夜 渉
七章 やおよろず生活安全所
61/62

56/変革前

出勤前の金曜日の昼。

琉星はマンションの自室で顧客のデータをパソコンに纏めていた。

足を運ぶ時期、時間、落としていく金額、好みや趣味など。

これらは狐乃の進めで始めた物だった。

無駄を嫌う彼から指導を受けて試してみたが、データ化してから客の受けは前より良くなっている。

内情は極秘だが、店は投資家や資産家などの太客が主に占め、狐乃は裏で金融の情報を集めているとか、いないとか。

そんな噂が仲間内では流れていた。

実際、纏めたデータは共有もしている。

掘り下げて聞いたりはしないが、彼が何かしらの目的を持って社会に潜り込んでいるのはと、スタッフは密かに考えていた。

「ん?」

キッチンのテーブルに置いていたスマホが鳴っている。

「お客かな?」

店では仕事用のスマホを割り当てられている、かかってきているのはそちらだ。

取りに行くと知らない番号からだった。

客なら名前が表示されるがそれもない、ないなら間違いか迷惑電話なのか。

「蓮美ちゃんかな?」

頭に浮かんだのは蓮美だった、こないだ名刺を渡したばかりでもある。

人のいい彼女なら歓迎だ。

関係者以外なら拒否ればいいと、スマホの受話ボタンを押した。

「……はい」

「僕だよっ、僕僕っ、僕だけっ!」

ブツッ。

反射的に通話を切った。

「今のって……」

独特な呼びかけに身に覚えがある。

神である命だ。

またかけてきたのはいいとして、なぜ今回は電話番号が表示されたのかと混乱した。

彼からは非通知でかかってくる筈ではなかったか。

心の準備ができていなかったせいで、変な汗が全身から噴き出る。

「僕だよっ!」

僕では誰だかわからない。

画面を見ていると、着信音がまた鳴った。

「すーっ……」

過剰なスキンシップ、圧やモラハラなんのその。

品のいい客ばかりではない。

色欲とエゴとまずい酒も飲み干して、化かし化かされ人間社会で生きている。

売れっ子なりの根性をみせようと、深い呼吸をして受話状態をスピーカーにした。

「……はい」

「琉星さんですか……?」

さっきと違い、若い女性の声。

「もしかして蓮美ちゃん?」

「そうです、さっきはすみません。休憩時間にかけてるんですが、電話をしたら命君に奪われて……」

電話に出てみたぁいと、ゴネる声が漏れてくる。

ダメだよ、向こうで話すから盗み聞きとかしないでね、と会話がした。

ガサガサ音がして無音。

場所を変えるのだろう、数分して。

「今、電話はいいですか?」

「大丈夫だよ、自分の部屋にいたし」

パソコンをスリープにすると彼はソファーに座った。

「この間は買い物に付き合ってくれてありがとうございます。命君、喜んでました。ただ、二人が買い物に来てくれた事は内緒にしてあります、説明が長くなりそうで……」

「いいよいいよ、でも役に立てて良かった」

彼女とわかって噴き出た汗も引いていく。

「それで、名刺をもらったのでお店に……」

「蓮美ちゃんなら無料でサービスするよ、空いてる日を調べるからちょっと待っ……」

アプリのカレンダーを開こうとして、画面を切り替えると。

「命君もいいですか……?」

「えっ?」

この返事には、さすがに琉星も固まった。

「お店でのお酒の出し方とか、皆さん凄く様になってて。命君に大人の場っていうか、マナーを知る勉強になるかなと思って。少しの時間でいいんです、でも男の人と行っていいのか知らなくて……」

休んでいる時は何をしてるのかと尋ねたら。

「ネットで取り寄せた本を読んだり、コンビニで買ったお菓子を食べたり……」

社畜と自称していたが、満足な休みを過ごした事があるのかわからない。

彼らと知り合えたのは狐乃の計らいだが、他人と関わる事で距離感が掴めないだろうかと思っていた。

今のままでは姉代わりが続いてしまう、対等な関係を持てる相手はやはり同性しかいない。

ただし、協力してくれる人物は命の正体を知り得る相手でなければ。

頼めるとしたら彼らだ。

「そっか、そういう理由なら……」

琉星はしばらく考え。

「同業じゃなきゃ男のお客でもいいけど。ならさ、店が開いてない時間に二人で来てみたらどう。その方が気兼ねがいらないよね」

「いいんですか?」

「社会勉強をさせたいんだよね、あの神様に」

「そうです……」

「俺らもね、狐乃さんに拾われた頃は人間の勉強をしてたんだ。見習いの研修も含めて。洲汪さんが厳しくてさ、結構大変だったよ」

狐乃のマネージャーである洲王を思い出した。

命に向けた鋭い眼差しを思い出す。

「洲王さんは来ますか?」

「開店前にしか来ないから安心していいよ。時間は二、三時間かな、堅苦しくしないから大丈夫。ゆるい感じで体験していくといいよ」

「ありがとうございます」

やはり彼らは頼りがいがある。

実は彼女自身がお店に行ってみたいが、一人では不安という本音もちょっとあったりした。

男子と接点のない自分だが、彼らだと甘えてしまいそうになる。

だが。

「ところで体験って、なんでしょう……?」

「神様の一日ホストの体験入店だよ」



読んで下さる皆様、そうでもない皆様もいかがお過ごしでしょうか。

何だか急に秋が来た感がする気がしています。

過ごしやすいと書く気力も湧いてきまして、少しずつパソコンに向かい合うようになってきました。

読んで下さる方がいると意識しますと、岩石の様な肩こりもハハッ!

                           (↑乾いた笑い)


余談ですが、「小説家になろう」様でホラーの募集があったので投稿したかったのですが、書きだしたら出だしはホラーでオチが必ずギャグになるという怪異に見舞われてしまい、書けずにいます……。

今もなぜかシリアスよりギャグの話しに考えがいってしまい、どうしたらいいのか……。


気を付けて下さい、浸食はすぐ近くに……。


※そう言えば、以前書かせて頂いたのですがどこかの区切りで一度物語を整理したいかなと考えていまして、

(まとめて編集し直したり、誤字の見直し、登場人物がどうとか……、ここまで書いてきて適当感がすごいのですが……。)


どこらへんでしようかなとか思案していまして、その際はしばらく更新が止まるかと思います。

忘れられたら少し悲しいので、なるべく早くまとめようかと……、そう言って夏休みの宿題みたいに伸ばすんですよね……。


静かな場所が好きなのですが、もしできるのなら山か川のほとりで書いたら進むかなとか妄想しています。

(最近なぜか無性に山か川に行きたい気分で……)


また何かありましたら、こちらでご報告させて頂きたいと思っています。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


※読んで下さっている皆様、そうでもないという皆様、いつもありがとうございます。

こちら二回目の直しの後のコメントになります。


読んでくださっている皆さん、そうでもねえよクソが、という皆さんもお世話になっています。


暑い日が続いていますが、お体は大丈夫でしょうか?


「生きてますかーーーーーーーーーーーーーーーーあっ!」


狐乃「うるせぇよ」


ご無事なら何よりなのですが……。


大変な時期な中でも、こんな愚作を気にして下さった皆さんのおかげで、一年近くかかりましたでしょうか?


なんとかここまで戻ってくる事ができました。


頭を抱え、うーとかあーとか言いながら、パソコンと睨み合う一年でした。


ようやくここまでこれたと思っていますが、陰ながら応援や読んで下さる皆さんの励ましあってこそ辿りついたと感じています。


直したい箇所は山ほどありますが、一旦無視して先に進めたいと思います。


まだまだ先は長いのですが、お付き合いの程を、どうかよろしくお願い致します。


※「犬猫いるなら、鳥もいる」

今回は鳥殿の出演はカットしてしまいましたが、いずれ書かせて頂きたいです。


ですが、この物語では生き物の飼育を推奨をしている訳ではなく、もし飼育に興味を持たれましたら、まずは動物園などで生き物の観察や、飼育員さんのお話し(飼育の難しさなど)など聞かれてからではいかがかなと思っています。







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