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やおよろず生活安全所  作者: 森夜 渉
七章 やおよろず生活安全所
58/62

52/雨上がり

ショルダーバッグ、ヘアワックス、デオドラントスプレー、メンズ用のコロン。

男ならではの必需品を二人は揃えてくれる。

洗濯機も最新ではなく手頃な型落ち品を選んでくれた。

テキパキと買い進め、頼もしいな、こんな風に頼りになる彼氏がいたとしたら。

恋に縁遠い蓮美も、ちょっとだけ想像を膨らませたりする。

あらかた買い揃えると食材探しも手伝ってくれた。

「狐乃さん、前から気になってたんですけど……」

霧人が惣菜コーナーのひじきと狐乃を見比べる。

「何だ?」

「普段食った物ってどうなってるんですか?」

「俺も気にしてた、トイレに行かないですよね?」

言われてみれば蓮美も見ていない。

やおよろず生活安全所にも、もちろんトイレはある。

近代的で古くはない、温泉と同様に空間をつなげて移動させたらしいが、職員の利用はなく命と蓮美専用になっていた。

「食ったもんは力だ、自然の力に還元されて神通力に変わるんだ。形にはならねぇ」

「じゃあウンコは異次元にでも行くんですか、胃の中がブラックホールになってるとか?」

「説明を聞いてたか……」

「……」

誰かが言いそうなコメントだと隣で蓮美は考える。

誰であろう、命だ。

なぜこうも男子からウンコの話しを聞くのだろう。

もしかして世の男子の半分位がウンコに興味があるのだろうか。

将来彼氏ができたとしたら、ウンコについて語らう事はできるのだろうか。

生物は食物を供給すれば、体内から排泄物を出すのは当たり前だ。

場合によっては自然の力を借りてバクテリアが分解、新たなエネルギーを生み出すが、それは人類を救う資源となるかもしれない。

(※研究者の皆様「もう調査してる」)

明日にはウンコが光るかもしれない。

明後日にはウンコが空を飛ぶかもしれない。

「一年後にはウンコが地球を救うかもしれないっ!」

(※研究者の皆様「急すぎるわ」)

作者が熱い想いをせていると、蓮美は支払いを終えて買い物は終了となっていた。

傘置き場で傘を取ると雨は止んでいる。

食品から運ぼうと、軽トラまでついて来た二人がゲラゲラ笑いだした。

「きゅっ、きゅっ、狐乃さんがっ」

「けっ、けっ、軽トラに乗っ、グフッ」

「これな、借りもんなんだがブレーキのかかりが甘いみたいでよ。確認したいから前に立ってくれ、俺の安全のために」

霧人と琉星はダッシュで駆け出し、代車を借りて商品を運び出してくれる。

洗濯機は店も手伝ってくれ、ブルーシートで固定して積み込みを完了した。

「助かりました」

「どう……」

「……いたし」

どういたしまして、と二人は言おうとしたが蓮美の後ろで狐乃が目配せをする。

気を利かせろや。

指示を出すアニキのまなこる気満々だ。

「え、あ、な、なら、また店に遊びに来てよ。か、か、寛大な狐乃さんのおごりでいいから……」

「太っ腹なきゅっ、きゅっ、狐乃さんのおごりでいいから……」

嘘という名のすり鉢が割れんばかりに、琉星と霧人は全力でゴマを擦った。

「おいおい、お前ら~」

持ち上げられたアニキは白々しく棒で読む。

「まいったなぁ。こう言ってるし、近いうちに来てみない?」

「……ここで決めるのは」

彼女の表情が嬉しげではないと、勘のいい琉星はピンときた。

途中で狐乃と何かあって、返事に困っているのでは。

「いきなりじゃ予定もわからないよね」

財布を取りだすと名刺を一枚取り出し渡す。

洲汪からも貰った彼らの店の物だ。

「メールでも電話でも予約していいよ、狐乃さんだって都合のいい時に来てほしいですよね?」

「じゃ、俺らは帰ります。帰って寝なおします」

「待て」

メシでも食って帰れと狐乃が五千円札を渡し、二人は歓喜する。

「よっしゃ!」

「あざっす!」

何を食おうかと、はしゃぎながら乗って来た車へと歩いて行った。

「さて、帰ろうか」

「……」

狐乃が運転席に乗り込み、蓮美もドアに手を掛けようとしたが。

「狐乃さん、少し待ってて下さい」

「ん、いいけど」

蓮美は広い駐車場を慌てて走り出す。

「霧人さん、琉星さん」

呼び止められた二人は追ってきた彼女に驚いた。

「どうしたの、買い忘れでもあった?」

「違います、さっき人間みたいだなんて私が……」

「あー、俺が言った事か」

気にしないでと霧人は手を振る。

「人間の蓮美ちゃんが嫌いって意味じゃない、言い方が悪かったな。言葉が足りねー」

琉星が車にキーを差し、パワーウインドウを開け放った。

「根っから人間みたいにはならないって伝えたかったんだろ?」

「そう、それ」

それそれ、それが言いたいんだと霧人が興奮する。

「こんな生活してても狐だって忘れてないって意味。やべー、言葉なさすぎてホント客が付かなくなる」

「それな、いつまで補欠でいるんだよ。新人に抜かれてんだぞ、気合い入れろよ」

お前に言われるとムカつく、だったら売れろと言い合いが始まり、本気のケンカになりかけた。

「稼いでるからってあんま調子乗んなよ」

「同じこと狐乃さんの前で言えんのか?」

「言えるに決まってんだろ」

「じゃあミーティングに来たら同じ事言えよ」

言い合いしながら車に乗り込み、そのまま去っていく。

車を見送り、蓮美が戻ろうとすると風が吹き抜けた。

初夏の香りを含んだ風に、なびく髪を抑える。

「眩し……」

見上げると雲の切れ間が広がり、頭上に光が差し込んでいた。




こんな駄文ですが読んで下さっている皆様、こんな話はウ〇コだろ、と思って下さる皆様、体調は大丈夫でしょうか?


ここ最近、天候の変わり目が激しく、体の不調を感じられたりはしていないでしょうか。

自分は前回のコメントの後にホントに熱中症になりかけ、笑えない事態になりました。

ハハッ!(←乾いた笑い)


それはさておいて、現在各地で雨による災害など多発しています。

暑さも危険ではありますが、どうか水による災害にも注意を払われて下さい。


自分の命を守れるのは自分だけかと思います、危険だと感じれましたら避難、遊びたい夏真っ盛りではありますが命は一つしかありません、悔しいかもしれませんがどうか安全を最優先にして下さい。


こんなきれい事書いてムカつくとか思われるかもしれません、ごもっともです。


ですがお父さん、お母さん、おばあちゃん、おじいちゃん、兄、弟、姉、妹、二次の嫁、イッヌ、ぬこ、なんかもう生きとし生けるもの。


とにかくは何事もなければいいと本当に思います、遠くからですが皆様の安全とご無事を祈っています。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


※読んで下さっている皆様、そうでもないという皆様、いつもありがとうございます。

こちら二回目の直しの後のコメントになります。


皆さん、お世話になっています。


やっと。

やっとこの回も直しが進めました、今回も丸投げな感じになります。


次の展開を目指して進みはするのですが、見直すとアラだらけで直したい箇所だらけです。


あまりにひどいので全部を改めて直したいのですが、そういう訳にもいかず、今はただただ書くのみです。(時間の問題もありまして)


飽きずにお付き合い下さる皆様には、心から感謝を。


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