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3話 いざ!街へ!!

「にゃ〜にゃ〜にゃ〜」


「チュンっチュンっチュンっ」


(カサカサカカサ)

猫のような生き物の声に鳥の鳴き声風が木々の隙間をすり抜けていく音で目が覚める。

周りを見渡すともう太陽は昇っていた。


「はぁぁぁあ〜背中が痛すぎる」


背伸びをしながら呟いた。

夜はあんなにビクビクしてたと言うのにぐっすり眠った事に自分でも驚いた。と言うかモンスターに襲われなかったのを安心する。


(もし襲われてたら、、、いや考えたくもねぇ)


カイトは身震いしながらそう思った。

移動を始めようとすると猫が肩に乗ってきた。カイトはとっさに


「アニメなんかでも動物を肩に乗せるシーンはあったけど乗せた時の気持ちってこんな感じなんだな、てかこの猫のような生き物って意外と重いんだな!」


と声にすると肩に乗った猫のような生き物が急に頭にかぶりついてきた。


「イッイタタタタ〜ゴッゴメンナサイ〜」


まるでカイトの最後の言葉は聞き捨てならないと言わんばかりに……

頭から血を流しながら森を進む。途中で桃のような果実を見つけた


「これって食えんのかな?毒とか持ってないよな」


と誰も居ないのにブツブツと言う。すると肩に乗っていた猫のような生き物が急に手に持っていた果物にかぶりついた。まるで食べても平気と言わんばかりに食べている。まぁお腹が空いていただけかもしれないが。


美味しそうに食べる姿を見た俺は空腹に負け毒なんか考えずにひと口かじる。口の中に果汁と果肉が一斉に広がる。その果物の味は元の世界の桃と全く同じ味がした。

昨日は何も食べずに走り回って居たのでまさに楽園に居るかのような気持ちになった。


「うんめぇ〜!!」


そう言うと次々に果物を食べていく。お腹を満たすとまた移動を開始する。両手には2つずつ果物を持っていた。

途中でお腹を満たすためだ。


食べながら歩いていると木々が減り街道が見えて来た。街道沿いを歩いているとお婆さんが座り込んでいたのを見つけた。よく見ると服はボロボロで近付くにつれイヤな臭いが鼻を指す

カイトは何も見なかったようにして横を過ぎ去ろうとする。


すると


「あのぉ〜そこの若いお兄ぃさんやい申し訳ないのじゃが手に持っている食べ物を少しだけでも分けては貰えないだろうか?」


お婆さんは弱々しくカイトに言葉を投げかけた。

カイトはそーくると思ったと言わんばかりに手を差し出した。


「ほら!4つあるんで2個あげますよ!」


「しかし4つしかないのに2個も貰えんよぉ〜」

とお婆さんは言うがカイトは聞いてないと言わんばかりに2個差し出す。

お婆さんはそれを見て


「じゃあ有難く頂くね。」

っと言うと果物にかじりついた。


「そうだ〜」

お婆さんが何かを思いついたかのようにおもむろに指にはめていた指輪を外す


「これはお礼だよ、こんな物じゃ嫌かもしれないけど持って行くといいよぉ〜」


お婆さんはそう言うとカイトに宝石がはめ込まれた指輪を手渡してきた。そしてお婆さんは指輪の事について話し始めた。


「この指輪わねぇ私の父がまだ幼かった私にくれたものなの。この指輪にはめ込まれている宝石は『願いの欠片』と言われるものらしいの。」


「願いの欠片?そらまた不思議なものだな。願いとか言うんだったらやっぱりなにか叶えてくれるのか?」

カイトが尋ねるとお婆さんは微笑みながら言った


「その通りだよぉ〜願いを叶えてくれると言う不思議なものらしいんだけどねぇ〜私の願った事はこの宝石には響かなかったらしいのよぉ。」


願いの欠片と言うのにお婆さんの願いは叶えられなかったらしい。カイトは偽物なんじゃないかと思ったが流石にそれを口にはしなかった。そしてお婆さんはまた話を続ける。



「でも貴方なら、その優しい心なら使うことが出来るかもしれないわ。ごめんなさい貴方の足止めをしてしまったようじゃねでは私はここで。ご馳走様でした。」


手を合わせながらそう言うとお婆さんは立ち上がりカイトに一礼する。フラフラとした足取りでカイトとは反対の方へ歩き始めた。カイトはフラフラ歩くお婆さんがちゃんと家に帰れるか心配になった。ふと貰った指輪を見て思った。


(この話聞いたあとじゃ流石に売ろうって言う考えが無くなったな、、)


カイトは貰った指輪をポケットにしまい過ぎ去るお婆さんの背中を見送る。お婆さんが見えなくなってからポケットに入れた指輪を手で握りしめてお願いした。


「超強いチートの武器が欲しいです!」


宝石に語り掛けたが何も起こらなかった

溜息をつきとぼとぼとまたカイトは歩き出す。


その出来事から数時間後の事


カイトは歩みを進めているとまだ遠目だが明らかに大きな城壁があるのを見つける


(もしかしてあそこが街かもしれない!)


そう思い城壁の見えた方角へ歩き続ける。

進むにつれ馬車や人が何回か横を通り過ぎる。もうすぐだと思いながら歩みを進めるがもう限界が近づいて居るようだった。足取りはフラフラで何度も立ち止まって休憩を挟んでいた。そのちょっと後のこと完全に足が止まってしまった。


「あんちゃん大丈夫か?かなり無理してるようだな、良かったら俺の荷車に乗ってけ!近くの街まで乗せていってやるよ!」


急に話しかけられカイトは驚きを隠せなかった。

横を見ると若い兄さんが隣に荷車を止めて心配そうに俺の顔を見ている


「あの、俺お金とか持ってなくて、、」

カイトがそう言うと「金なんかいらねぇよ!まぁ出世払いでも良いけどな!」と笑いながら言ってくれた。


「では、申し訳ありませんが街までお願いします。」

カイトはそう告げた。


「俺はロンってんだ!あんちゃん名前は?」


「俺はカイトと言います。」


「おう!じゃカイト荷台に乗りや!出発するぜ!」


そう言うと馬を叩き荷車を進めた。荷台を見渡すと武器がたんまりおいてあった。


「ロンさんは武器を売りに街へ行かれるのですか?」

カイトは尋ねてみた


「俺は武器を売りに行くんじゃねぇよ!俺は武器屋の主だからな!この武器たちは近くの村が盗賊に襲われ返り討ちにした時に出た武器さ!ちょうど俺がその村の近くを通りかかった時に買い取ってやったって感じだ!」


「へぇ〜ロンさんは武器屋を経営してるんですね!」

「おうよ!腕にはかなり自信があるぜ!」


なんて話をしているとあっという間に街の大きな門を目の前にしていた。門の前には数名の門番が居た。荷台に乗ってる武器やロンさんの事を見たりしてる。カイトのことを見もしたが何か言われることもなかった。


「よし行っていいぞ」


そう言われるとロンさんは馬を叩き荷車を進め門をくぐり始める。

門をくぐると街中は石畳で出店などがずらりと並んで居た。


「うわぁーすげぇ〜あれってエルフか?獣耳だ!すげぇ〜ちょ〜可愛い!」


カイトが興奮しているとロンさんがそんな俺を見て笑う!「あんちゃんあんまキョロキョロしてると周りから田舎モンだと思われるぞ!」


俺は「はっ」っとして顔を赤くしてしまった。

そんな事をしてるとロンさんの武器屋の前までやってきた。俺は荷台から降りた。


「ありがとうございました!ホントに助かりました!」

とお礼を告げる。


「おうよ!困った時こそ助け合ってなんぼや!」


またロンさん笑ってる。この人は良く笑う人だと思いながら俺もまたその笑顔につられて笑みを浮かべる。


「そう言えばあんちゃん金がねぇんだろ?それはヤバいなこれ持ってき!今日明日の分の宿代はあると思うぞ!」


そう言うと腰から小さな皮袋を取り出し手渡してきた。


「いっいえそんな!ここまで連れてきてもらっただけでもありがたいのにお金まで貰えません!俺は野宿の経験もあるんで大丈夫です!」

まだ1回しかしたことは無いんだがキッパリ断わるためにもそんな事を言う。

がロンさんは


「あんちゃんどうせ冒険者になるんだろ?そんときは稼いだ金で俺の所の武器買ってくれればそれでいい!だろ!それに1人の野営は危険だからな!」


とグイッと皮袋を手に握らせた。俺はありがたかったけど申し訳なさの方が大きかった。


「俺、絶対ロンさんの武器や防具買いに来ます!それにロンさんのお店で1番高い武器なんかも買わせてもらいますよ!」


と言うと「しっかり働いて来い!」とロンさんに背中を押された。

俺は「はい!」と元気よく言うとロンさんと別れて街へと歩き出すのだった。


ゆっくり投稿していきたいと思ってます!皆さんに楽しんで貰えたら嬉しいです!この作品が初めて書く小説になるので感想やレビューでの意見も待ってます。

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