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2話 追う物と追われる者

(ガサ、ガサ、ガサ…)


草木を退けながら前に進む

(多分もう1、2時間くらい歩いたよな?)

しかし街道に出る気配はなく森をさまよっていたのだった。すると…


(パキン)

と小枝を折るような音が聞こえた。とっさにカイトは自分の足下を確認する。カイトの足下には小枝の1本も落ちていない


(とするともしかして……)


カイトはそう思うと急いで周りを見渡した。しかし何かいる気配は無い。カイトは恐る恐る音のした方へ足を進める。


草むらを掻き分けながら進むとそこには猫のような生き物がいた。その生き物の見た目は猫だ。どこからどう見ても猫だ!しかし何か違うような気がしてカイトは首を横にし数秒悩んだ。


しかしわからないなら仕方ない。

そう思うと猫のような生き物の足に視線が行った。足は血まみれで何とも言えないグロさがあった。その傷のせいで動けないのだろう。とすぐにわかった。見るからに可愛く今すぐにでも抱き抱えて手当をしてあげたくなる。そんな風に思いながら見つめていると猫のような生き物は小さく鳴いた。


(に、に、ゃゃ〜)


鳴く声は痛々しくも美しい声だった。

そんな声を聞くと普通だったら誰しもスっとんで行き手当や応急処置をするだろ

しかしカイトは1歩も踏み出せなかった


何故なら


何か違和感と物凄い黒い『ナニか』を感じたからだ。


おかしいぞ?何だこの違和感は、それにこれは…

(あーそうかこの感じ このオーラ感じたことあったな。そうこれは紛れも無い『殺気。』)


そういや猫のような生き物の足は怪我をし動けないはず。ましてやそこの生き物の重さなら小枝を折る様な重さも無いはず。なのに『パキン』と小枝の折れるような音がした。だとしたらあの足音は一体?……


そんな事を考えているとふっと何かの視線を感じるその視線は凄い狂気的で背筋が凍る。

近くから何かの滴る音も聞こえてきた。それはまるで高い位置から勢い良くバケツをひっくり返したような音だった。

確かにそんな音はさっきまでして居なかったし視線も感じなかった。


(なんだ、なんだ俺の熱狂的ファンでも一緒に転生されてきたのか?)

なんて冗談で自分の恐怖心を和らげる。


すると次は

(メキ、、メキ、メキメキメキ)

と木がしなるような音がする。次に小さな地震が起きたのかと思うような地響きもし始めた。

カイトは音の方に目をやると身体は赤く全身に炎を纏っているかのような『ナニか』が居た


(こりゃまずいな、こんな序盤でゲームオーバーなんて笑えねぇよ!てか武器も持ってないのにこの『化け物』を相手にしないと行けないとか選択肢[逃げる]しかないだろ!)


「いや、どんな嫌がらせだよ!」


つい言葉に出てしまった。がそんな事を今言ってる余裕はない。そう思うとカイトは目の前の猫らしき生き物を抱き抱えると全力で走り始めた。


(俺が読んできた小説ではこんな強そうなやつは中盤かそれ以降に仲間と一緒に助け合ってやっと倒すようなやつだろ!)


全力で走りながら頭はそんな事を考えていた。

全力で逃げ出した後、後ろからは「ドン、ドン」っと音が近ずいてくる。

全身があらわになってカイトは思った。


(これ、俺死ぬんじゃね!いやこれは無理でしょ)


カイトはそう嘆く。しかしそれもそのはず今自分を追ってきてるモンスターは体長5メートルはありそうな『化け物』で、二足歩行のドラゴンと言うより恐竜に近い姿をしていた。ちなみになんでそんなデカい『化け物』に気付かなかったのかはカイト自身も分からなかった。


「うわぁ〜これ口から炎とか出すタイプのやつだよ。身体赤いし炎タイプだよこれ絶対!!」


なんて叫んでいると、


「ボォーー」

化け物から放出された炎は周りの木々を燃やしながらカイト目掛けて飛んでくる。


「ほらぁ〜言ったそばから口から炎出てきた〜!!」


このまま走っていてもそのうち体力が切れ後ろから来る『化け物』に食われてしまう。しかし唯一の救いは森の中の為木が多く『化け物』も簡単には追いかけて来れないということだ。


しかしメキメキと木をへし折りながら進んで来る。木の折れる音、足音が段々と大きくなってくるにつれカイトの焦りと恐怖を掻き立てる。でもふとこの『化け物』について思った


(囮を使うほど頭が良いのにこんな追いかけにくい場所をなぜ選んだのだろう?やっぱり動物だからそこまで気が回らなかった?それとも逃げるとは思っていなかった?)


なんにせよ今はそんな事どうでもいいことだ。


カイトはどう逃げれば助かるか頭をフル回転させながら考えていると猫らしき生き物が急に鳴き始めた。

「にゃ〜にゃにゃ〜にゃ〜」


「いやちょっと何言ってるか分からないです。」


つい聞いた事あるようなボケゼリフを口にしてしまう。

しかしあまりに猫のような生き物が真剣な眼差し?でこっちを見てくる気がしたので前しか見てなかった目を周りに向けてみる。


すると、


右手側の川に気づく。その川は流れが速く流木も流れていた。まるで山頂で雨が降り川が氾濫しかけているかのように、、


(クソ〜命大事に!!が1番だよな。でも川に飛び込んだら溺死。走りまくったら喰いちぎられる。後者は考えたくも無い!まぁだからと言って溺死も嫌だけど……)


「あぁぁぁあー!もうどうにでもなれ!」


叫びと一緒にカイトは一か八かで川へ飛び込んだ。

流れは速く足もつかなかったが懸命に泳いだ。何度か流木が体に当たり流されそうになったがなんとか反対側の岸にたどり着く事ができた。『化け物』の方を見ると追ってくる感じはなくその場から去って行くのが見えた。


「ふぅぅ〜」

っと息を吐く。


「やっぱりアイツ火属性のモンスターなのかな?だから水を見て追いかけるのをやめたのか?」


なんてブツブツ言いながら

腕に抱えてる猫みたいな生き物を見た。猫のような生き物は泳ぎながら水に浸からないようになるべく上に持ち上げていたので死んだりはしてないはずだ。


「助かったよ、ありがとな」

カイトは猫のような生き物に礼を告げた


猫のような生き物は小さく頷くも足が痛むのだろ。蹲って動こうとしない。しかしカイトは怪我を治すような物は持っていない。取り敢えず自分のシャツの袖をちぎると猫のような生き物の足に巻いてあげた。


手当てをしたあと抱えて少し歩いてみる。が一向に村も人影も見当たらない。


周りを見渡すともう暗くなってきていた。


「今日は野宿かよ!飯抜きでこんなに歩かされるなんてこんな事ならもっと朝ごはん食べるんだった!!」


とついつい言葉に出てしまう。

しかし今なんて言っても状況は変わらないし起きていると空腹で死にそうになるので早めに寝る事にした。サバイバル経験のないカイトは火をおこすこともできず暗闇の中で一夜を過ごすことになった。


(こんな事になるなら少しくらいサバイバルの知識を身に付けとくんだったな)


周りからは生き物の鳴き声や草木の揺れる音が鳴り響く。夜の森、周りには誰も居ないそんな条件と相まって音は綺麗に耳に届く。昼の事もあり警戒し中々眠れない。しかし猫のような生き物はカイトに寄り添うようにして寝ている。猫のような生き物と引っ付いてるところが暖かく心地よかった


(明日からどうしよう?てかこの猫みたいな生き物はホントに猫だよな?なんか違和感感じるんだよな)


なんて考えながらカイトは星を眺め一言

「この世界は星がキレイだな」

と言葉にし眠りについた。




ゆっくり投稿していきたいと思ってます!皆さんに楽しんで貰えたら嬉しいです!この作品が初めて書く小説になるので感想やレビューでの意見も待ってます。

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