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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

春夏秋冬

ナツ

作者: 柏木ひな

春夏秋冬の夏の物語

家にも学校にも居場所のない主人公

多感な時期に居場所のない主人公がとる行動とは

それは紫陽花が終わりキキョウの花が咲き始める頃

梅雨も明け初夏が始まった


初夏と言えども最近は暑い

温暖化の影響だろうか

少し歩くだけでTシャツが湿ってくる


少年の家庭は酷く荒れていた

毎夜毎晩両親の怒号は耐えなかった


少年は苦悩していた

ずっと居場所を求めていた


少年は学校にも馴染めずにいた

自分は変わり者らしい

それに加えて家庭の事情から少年に近寄る者はなかった


少年は学校も休みがちになっていた

いってきますと返事もない挨拶をし学校へ行くふりをしてキキョウの花の咲く丘へと向かう

少し前までは紫陽花が咲いていた

その場所はあまり手入れがされておらず植物が乱雑に生えていた


少年はここに来る時だけ少年でいられた

何も考えずただ花を愛でては空を仰ぎ風を感じるだけでよかった

たったそれだけの事が少年を少年にさせていた


今頃学校では何をしているだろう?

少年は決して勉強嫌いという訳ではなかった

鞄の中から教科書を取り出し今やっているであろうページを開いた

学校で習うはずの勉強を独学で学んでいた

狭くて硬い檻のような場所に押し込められながら勉強するより遥かに捗る感じがしていた


没頭して勉強をしていたらお腹が鳴った

もう食事時か

少年は弁当など持ち合わせてない

多少の金が手元にあるくらいだ

少年は丘を降りコンビニへと向かった


昼時のコンビニは混んでいる

特に弁当のコーナーと飲み物のコーナー

少年は弁当を買おうかと悩んだが辞めておにぎりを二つとお茶を買った

流れ作業のように会計する店員がまるでロボットのように感じた


コンビニから出ると隠れるようにまたあの丘へと向かった

丘についた少年は早速おにぎりをほうばった

お茶で流し込むようにおにぎりを食べた

とりあえず空腹がみたされればよかった


おにぎりを食べ終えた少年はゴミを片付けて少し昼寝をした

花の香りと風が心地よく少年は眠りに落ちた


嫌な夢を見てハッと目が覚めた

寝汗でシャツが濡れていた

辺りは太陽が傾きかけてた

少年は身の回りの物を片付けて帰る準備をした


下校時刻より少し早いくらいか

少年は持っていた鍵を使い家に入った


『ただいま』


返事なんてあるわけない挨拶にも慣れている少年はすぐ自室へと向かった


両親は共働きだった

二人共この時間にいないのはわかりきっていた

少年は着替え洗濯機の前に行くと今日の服と皆のパジャマを洗濯機へぶち込んだ

そのまま洗濯してその間に軽い掃除をする

今は掃除機なんてものがあるから便利だ

ある程度多方のゴミを取りワイパーで簡単な雑巾がけをする

書いているだけでは簡単だが少年の家は広い

持ち屋一軒家は一階だけでも広いのに二階も合わせるとそうとうな掃除量になる

何とか掃除を終わらせた頃洗濯機も終わったみたいだった

洗濯物を干しに縁側へ出る

干し終わると夕飯の買い物だ

いつも少年がこれが食べたいと直感で思う物を買ってレジへ向かう

買い物から帰宅すると夕飯の準備だ

料理をしながらいつも思う事がある


食べてくれているだろうか?


少年は律儀に三人分の料理を作りメモを残して冷蔵庫へ食事を入れる

次の日には料理はなくなっているが怖くてゴミ箱が開けられないのだ


まただ…


急に言い様のない疎外感で蝕まれる

学校でも上手くいかず家でも疎外感

少年は孤独を感じていた


いつからだろう

この孤独感と戦っていたのは

そんな事はもうどうでもいい

ただただ孤独感に襲われるだけだった


気が付けば少年は風呂桶に水を溜めていた

何が少年をそうさせたかはわからない

ただ少年は溜まっていく風呂水を見ながら色々な想いをかけ巡らせていた

風呂桶に水が溜まり切ったところで少年は自らの腕に包丁を当てた


痛い


痛みが腕全体、体にも伝わるようだった

その赤く染まる腕を風呂桶の水の中に入れた


ようやく居場所が見つかるかもしれない


淡い願いと共に少年は眠りについた

少年が起きる事はなかった

春夏秋冬の夏のお話です

多感な時期の高校生の物語を書いてみたかったです

これも作者が中学生の頃、20年以上前の作品です

少し手入れ入ってますがこの作品も厨二病な感じです

お粗末ですが楽しんで貰えたら嬉しいです

読んで頂きありがとうございました

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