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1話 転生

 今ここには、この世界で大賢者と呼ばれる4人が揃って居た。その中の1人が唐突に話し始めた。


「なあ、お前ら、俺もうこの状況に耐えられねーよ。」


 とても深刻な様子でユリウスが話し始める。


「どうしたんだ急に?」


 それに対し訳が分からないといった様子でロベルトが応える。


「はぁ。とうとうこの時が来てしまいましたか。」


「シャミールも気付いていたのか。」


 まるでこうなる事を予想していたかの様にシャミールとヴォルフが言った。


「ん?なんの事だ?」


 1人訳の分からないといった様子のロベルト。


「お前たちと一緒にこれまでやって来て苦労する事もいっぱいあったけど、とても楽しかった。

 幼なじみという理由だけで1人だけ弱い俺とずっとパーティを組んで冒険者してくれてとても嬉しかった。

 そこまでは良かったんだ。

 俺たちはお前たち3人が強いだけなのに俺まで一緒に大賢者扱いされる様になってしまった。

 最近は何処に行っても大賢者様と崇められ、期待される様になった。

 実際は、平均的な魔法使いなのに、何処に行ってもこの様な扱いを受け続けるのが辛い。

 それに、俺はもう一度普通の冒険がしたい。」


「なんだ、そーいう事だったのか。お前は昔っからそーいうどーでもいい事に拘るよな。そんなこと気にしなかったらいいのによ。まあ、お前がそう決めたんなら俺から言えることは何もねー。」


 納得しながらも、呆れながらロベルトが言う。


「まあ、ユリウスは真面目過ぎる所がありましたからね。あなたがそう言うならば、私は止めませんよ。」


 普段は、感情をあまり外に出さないシャミールが少し寂しそうに言った。


「俺も、そう言い出すと思って覚悟していたからな、ユリウスがそう決めたんなら手伝うぞ。」


 このパーティーのリーダーであるヴォルフは、ユリウスの決意が鈍らない様に笑顔で言った。


「お前たち、、、ありがとう。」


 少し泣きそうになりながら満面の笑みでそう言った。


「よし、それじゃあ転生の魔法をかけるぞ。」


「ああ、やってくれ。」


 どこか寂しそうに決意のこもった声でユリウスは言った。


「お前と冒険出来て楽しかったぜ。転生したら俺たちみたいなのにまた、まきこまれたりすんなよ。」


「私も楽しかったですよ。」


「俺も楽しかったぜ。来世では上手くやれよ。出来れば来世でも、また会えたら良いな。」


 口々に別れの挨拶を済ます。


「俺も楽しかったよ。最後まで付き合ってくれてありがとな。」


 そう言ったところで転生の魔法が発動した。


「アイツ、行ってしまったな。」


「まあ、それも仕方の無いことです。ユリウスには必要な事だったのでしょう。」


「これから少し寂しくなるな。」


 残された3人は寂しそうにそう言った後、しばしの間その場に立ち尽くした。

今回は三人称視点ですが次回からは一人称視点でいきたいと思います。

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