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短編集共

異世界転移でもらった植物魔法が半端なかった件

作者: 資笑




「いや、あり得ねぇ……」


周りの同情や嘲笑の視線を受けながら手のひらの上の胡桃みたいな木の実をみて、思わず呻いてしまう。


「試すか……」


取り敢えず、その胡桃見たいな木の実の殻を取り口にいれてみる。


うん、胡桃だ……喉が乾く。


「ステータスオープン」


木の実を呑み込み。そう口にすると、目の前にモニターのようなものが映し出される。

テンプレのステータス確認。


植原 彰

Lv1

ジョブ 無し

HP 25/25

MP 0/20

力  8

体力 7

器用 13

魔力 12

敏捷 7

知力 11



「マジかぁ……ダメだろこれ……」


現れたステータスにため息をつくしかなかった。














教室で光に包まれたら、ここ運ばれた。創作によくある集団転移ってやつだろう。


実際、移動中に神様を名乗ってる人?にもあったし。




『スマンな、事故やねん』


「事故?」


『君たちとは別の世界の召喚魔法が暴発してな、君たちお呼ばれ中なんや』


「……何で大阪弁?」


『君たちの言葉で一番フランクそうやからね』


「……さいですか」


『で、巻き込んだお詫びに君たち全員にちょっと高めなステータスと属性適性に加えて特殊能力をプレゼントやね』


「おお、みんな個別で呼ばれてるんですか?」


『いや、適性者だけやね』


「選ばれし者見たいな?」


『いや、移動中に起きた人だけにボーナスで選択肢あげてるだけやね、残りは適性に合わせてプレゼント』


目覚めなければ適性にあった特殊能力を選別してくれるなら、ぶっちゃけ、そっち方が楽そうだ。


というか……


「絶対もめるやつだ……帰せとか」


『そういうヤツは大抵起きんから平気』


「……さいですか」


『で、どんな能力にするん?』


「送還術で、最悪俺は帰せなくてもいいや」


『無理』


「えー、即答とかねぇわ……」


『むしろ何でできると思った?』


「盲点オチを期待して……」


『期待すんなや、そんなもん』


「じゃあ、植物系魔法の適性で」


『植物系?』


「果物とか野菜とか生やせるなら飢え死には無いでしょ?」


『水とかじゃなくて?』


「こういうのって水属性は普通にいそうだし」


『確かにポピュラーやな』


「だから植物系で」


『おお……実はな……』


「はい」


『無いんや』


「え?」


『これから行く世界に植物系魔法無いんや』


「えーまた選択肢潰された……ねぇわ」


『だから、特別に創ったるわ』 


「マジですかい?」


『おおマジですわ、その代わり』


「はい?」


『ちょっと、初期ステータス犠牲にするで?』


「……むしろALL1で良いので送還術創ってください」


『無理』


ちっ


「……じゃあ、植物魔法おねしゃす」


『まかせとけい、初期ステータス50ずつ削ればなんとかなるやろ』


「……基準がわからない」


『おし、次はスキルやな』


「鑑定系で、毒とかあったらやだし」


『それと原語系ははサービスで全員についとるで?』


以外とサービス良かった。


「じゃあ、図鑑で」


『……地味やな』


「派手なのは他に任すよ……」


『なら、これで終わりやから君はいったん寝とき』


「え?」



そして、目が覚めると城みたいなところの広場にいた。


召喚した人たちに話を聞くとどうやら、国の守護者(現地世界在住)を呼ぼうとしたら魔方陣が暴走したらしい。


守護者といっても聖獣かなにかに力を借りたかっただけで、具体的な対象がいたわけでもないとのこと。


異世界人なんて前例がないが勝手に呼んだお詫びとして暫くの間は衣食住は保証してくれるし、帰還方法も探してくれるらしい。


因みにステータスは100がひとつでもあればで一人前の兵士クラスで、召喚した国の騎士団長さんの一番高いのが280位だそうだ。
























あのあと、回復したMPでとある樹を作ってみようとしたら、双葉が生えた……マジかよ……



「その、……気にしない方でいいと思うよ?」


「いや、やり過ぎたろ……これはねぇよ……」


「えーと、私は応援するよ?」


「?別に要らないけど?」


「はうっ!?」


何故か、クラスメートの坂巻さんが慰めてくれる。


もともと、人気があるらしく、坂巻さんが俺にくっついているお陰で男子の視線がいたい……みんなが能力に慣れたら闇討ちとか受けるのかな?


因みに彼女は初期ステータスALL100超えのアタリを引いたらしい。


「おい」


「ん?光司と穂香か……」


後ろからの呼び掛けに振り替えると、幼馴染の綾月光司と小日向穂香の二人が立っていた。


コイツらもALL100超えらしい。


「ちょっといいかな?」


「なに?シメられんの?」


幼馴染こわい……


「私がついてるのにそんなことは起こらないわよ」


「悪者扱いは勘弁してよ……」


「内緒話らしいから行ってくるわ、またね坂巻さん」


「更科だよぅ!?」


え?























「で?」


あてがわれた部屋を出て3人になったとたんに光司に睨まれながら問いかけられる。


「呼ばれたの俺だよな?」


「……何をへこんでたの?」


「?見てたよな」


へこんでる理由なんて一目瞭然だろに。


「ハズレなら笑うタイプでしょ?」


流石幼馴染みですね?穂香さん……


「そうだね」


「当たりのリアクションでもない」


「まぁ……」


「だから、何があったか聞いてるんだよ」


ポケットから先ほど植物魔法で作った木の実の一つを取り出す。


「……これ」


「胡桃?」


にしかみえないよなぁ……


「不○議なきのみなんだ……」


「「は?」」


二人の声が重なる。


「しかも、消費MP15」


「……」


次々とポケットから取り出して行く。


「待って」


光司がこめかみを押さえながら、制止してくる。


「な、あり得ないだろ?」


「効果はあったの?」


「ひとつしか試して無いけどな」


始めにステータスみたときはMP15だったよ?


「むしろ何で最初に作ったのがそれなんだよ?」


「ロマンだろ?」


「「……」」


正直、出来ると思わなかったけどな!!……本当にねぇわ……これ。


三人でこれを秘密にして、取り敢えず自重しようとまとめ、その場は解散した。


コイツら、ステータスALL100超えだからな、しっかり自重してもらわないと……

















寝る前に浮かんだ疑問、そういえばジョブってなんだ?が翌朝解消された。


どうやら、自分に適性のある職業を得ることができるらしい。


で、ジョブを得るとステータス補正やスキルが得られると……


「ファンタジーだな」


「ホントにね」


俺の呟きに一緒に話を聞いてた穂香が同意する。


最初は特定の施設でジョブを得て、変更はわりと自由に出来るみたいだった。


『ワァァァァ!?』


「ん?賑やかだなアタリジョブがでたのか?」


「アタリって……」


穂香が苦笑しながら、友人づたいで話をきいてくれる。


「桜井くんが勇者の適性があったって、ついでに光司も」


「へー勇者か」


そういえば、図鑑のスキルあったよな、見れるかな?



ジョブ 勇者

補正


HP  +50% または+100のいずれか高い値

MP  +50% または+100のいずれか高い値

力  +50% または+100のいずれか高い値

体力 +50% または+100のいずれか高い値

器用 +50% または+100のいずれか高い値

魔力 +50% または+100のいずれか高い値

敏捷 +50% または+100のいずれか高い値

知力 +50% または+100のいずれか高い値


光系魔法のスキル取得補正

剣適正+

槍適正+

レベル上昇に伴い自動回復


「おお」


初期補正すげぇな、植物魔法の倍じゃん。


「ちょっとワクワクするな」


「そうだね」









自分の番になるとタブレットみたいなものをメイドさんに渡される。


どうやら、これに適性のあるジョブが表示されるみたいだ。


「どうぞ」


「ありがとうございます」


どれどれ



農家  薬師  庭師  錬金術師  ゴブリン 狩人 料理人


商人  木こり 山賊  学士



……下2つってジョブなの?海賊とかあるんだろうか?


農家(ファーマー)一択だな」


農家の文字をタッチする。


【それを選ぶなんてとんでもない】


「……これでジョブ選択できたの?」


出てきた文字を無視して、メイドさんに確認する。


「い、いえたぶん……出来てないかと、こんなのはじめてです……後、ゴブリンも……」


「……」


無言でゴブリンの文字をタッチする。


【あなたはバカですか】


「「……」」


「不良品?」


「さ、さっきまでは機能してました……」


「そう……」


庭師をタッチする。


【お気の毒に……】


山賊


【なぜそれを選ぶ】


錬金術師


【ステータス不足ですが仕方ないですね】


【これよりジョブインストールを開始します】


【はい】  【いいえ】


いいえ押してぇぇ!


メイドさんを見る。


「……」


何故か哀れみに近い視線を受けた。


はいをタッチする。


【インストールを開始します】


ついでに、図鑑みてみるか。




ジョブ 錬金術師

補正


HP  なし

MP  +20% 

力  -10% 

体力 -10% 

器用 +25%

魔力 +20% 

敏捷 なし 

知力 +10% 


調合スキル取得補正

合成スキル取得補正

杖適正+


うん、悪くないな。



穂香は賢者のジョブを選択したらしい、見たら俺の完全上位互換だった……マイナスとかなかったし……


あと、坂本さん?は精霊導師だとさ。




    














「錬金術師?」


光司にジョブを伝えると眉をひそめた。


「はい、勇者、光司様」


「……やめて、それ」


「えー」


「やめて」


あ、マジ泣きしそう。


「……ゴメン」


「うん……それより」


「ん?」


「自重忘れないでね?嫌な予感がするから」


「俺から自重取ったら、植原彰という物体しか残らないよ?」


「それ、抱き枕にするね」


後ろから穂香らしき声が聞こえた気がする。












それから、毎日木の実を食べながら植物魔法を試した。


アタリ組は冒険者とかになって、あちこち回ってるらしい。


桜井くんなんかはたまにバカにしたような目でみてくる。




「うわぁ、古代米の再生出るとか……」


「世界樹(1メートル)が出来たから、蒸散で雫採取してみたけど霧吹きない?」


「虹○実出来た!一度食べてみたかったんだよな」


「ミスリルの削りカスを混ぜたらミスリル樹ができて、世界樹の蒸散水で煮詰めたら液体ミスリルになったけど、液体ミスリルゴーレム作ってみる?」





「おい、植原彰という物体」


「え?」


何故か光司に呆られた目でみられたりすることもあるけど、なんとかやっている。



「抱き枕になる?」


「ならない」


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