歯車で回る幸福論
この停滞社会に仕込まれた 破裂寸前 時限爆弾
君のもとたどり着けずに 僕の魂もメルトダウン
数学の授業は 人生教えて あっちやこっちでタンジェント
行き先も知らない ロッカーの旅路に みながそろそろ飽きている
やりきれないね
「僕の運命は 辞書に載っていない」
そう 嘆いては 迷い込む 流浪人
「僕の幸せは 計測出来ない」
そう 不思議がっては 立ちすくむ 都会人
秋風は熱を帯びて 夏も未だ冷めない温暖化
君の祈りは 誰にも届かず 地球はけっこう疲弊気味
やったらめったら講釈垂れてるは 信頼出来ないアウトドロッパー
独り身の良さを 説いたはずの スナフキンも女 追いかけて
痛々しいね
「僕の仕事は 二進法さ」
そう 割り切っては レジを打つ アルバイター
「僕の夢は 経済誌に載ってる」
そう 嘯いては 駆け出した 企業人
「僕の夢は……」
「僕の心は……」
「僕の魂は……」
「僕の精神は……」
時々 夕暮れの過去を振り返り 涙 零す
時折 流れ星を探しては 夜空を見上げる そんな。
「僕の信じるのは 数だけなのさ」
そう 頷いては キーを叩く プログラマー
「僕の真実は 統計学だけさ」
そう 煽っては スウィッチ押す大統領
未来が見えないと 歴史をひも解き 今から登るは 象牙の塔
とりあえず 鞄は軽くはしたが お部屋のフィギュアが名残惜しい
白髪だらけで 現世に 降り立つ頃には あっちもこっちも戦場だ
こちらやそちらで 撃ち鳴らされて 耳鳴り 響かすマシンガン
「僕の恋人は 体だけさ」
そう 信じては 腰を振る ストリッパー
「僕の辞書は 心がない」
そう 閃いては 泣いている 赤ん坊
「僕の夢は……」
「僕の心は……」
「僕の魂は……」
「僕の精神は……」
古い映画のフィルムだけに 残された 幸せの形
今では 観る人もなく 化石と化して 映写機は回ってる
誰も見向きもしない 舞台を 時には一人で覗き込み
そんな時代も あったと天を仰ぐは ヤハウェか聖徳太子