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種族設定

人間

この世界で最も一般的種族。

身体能力、魔力ともに平均的であるが、生まれつき特別優れた特殊能力を持つ者が他の種族より多くそのことから現在では最も人口が多い。

一見特徴がないが、実は召喚士には人間しかなれない。


エルフ

 魔力と魔術を使うことに長けた種族。

 他には平均的に整った容姿と精霊との交信が可能であり、かつては森に暮らしていた小規模の狩猟民族であった。しかし、聖アルフ歴900年代ごろに精霊の加護を受けることで魔術を使用することができるようになり、現在は世界でも二番目に数が多い種族となっている。

 魔力の高さから全体的に選民意識が強い者も存在し、他の種族、特に獣人族と竜人族を見下している。また、ドワーフとは昔から殺し合いになるほど仲が悪く、現在はある程度関係が改善されている。

 ただし、身体能力は、俊敏性を除いて人間よりも水準が低く、武器としては接近戦を避けることも考慮した弓矢を好む。


ドワーフ

 手先が器用で物作りと俊敏性以外の身体能力に長けた種族であり、山岳地帯に好んで生活している。

外見の特徴として男女どちらも小柄で、男性は豊かな髭を蓄え、女性は人間で言うところの少女程度の容姿のまま成長が停止する。

 手先が特に器用で特殊な鉄を昔から作り上げることが出来た。また腕力や耐久にも長けており戦士としても適性が高い。魔術はあまり得意ではないが、錬金術は得意。

 エルフとは昔から殺し合いになるほど仲が悪く、現在はある程度関係が改善されている。 


獣人族

 高い身体能力と自己再生能力を併せ持つ種族

 南西大陸に古から暮らしている種族であり、古には大帝国を築いていたこともあった。

腕力、耐久、俊敏性の全てに優れるが、魔術と魔力の水準は人間よりも大きく劣り、聖アルフ歴1500年代頃から200年以上被差別種族として扱われていた。

 外見的特徴は獣耳と尻尾以外は人間と一緒であるが、種類はオオカミ型と獅子型に分かれる。

 その他の特徴として動物と意思疎通をすることが可能である。



竜人族

 獣人族に匹敵する身体能力を誇る種族であり、西方大陸に起源を持ち、かつては他の文明とはまったく異なった独自の文明を築いていた。

 全種族中、獣人族の次点に相当する高い身体能力を誇り、また竜と意思疎通をすることが可能である。かつては西方大陸で繁栄していたけれども、現在はエルフの勢力が大きくなったことにより、獣人族ほどではないにしても差別的に扱われるようになった。

 外見的な特徴として耳に鱗があることを除けば、全体的に体格がやや屈強な人間と同じである。

 

魔族

 この世界と隣り合わせになっている異界、魔界の人型に近い姿をした種族の総称。

 外見は千差万別であるが、上位種族はエルフに似ている一方でそれぞれの一族ごとに異なった異形の部位が存在する。

 身体能力も高く、そしてなにより、上位種族は精霊からの加護や大気中の魔力を取り込むことなく魔術を発動することが可能なほどの膨大な魔力量を誇る。

 もう一つの最大の特徴として、他の種族と混血した場合において、その種族の長所を取り入れる特性を持っていることである。



世界設定

地上界

 中央大陸ユーロ西方大陸アメスリア南西大陸アフリックの三つの大陸と、極東と、中央大陸と西方大陸の間と、中央大陸南東部に巨大な島が存在し、それぞれに複数の国が存在する。


中央大陸【ユーロ】

 この世界最大の大陸で、西方には魔術により発展を続けた【アリティス公国】、鍛冶技術によって発展した【ドベルド国】、西方最大規模の宗教、【聖アルフ教】の総本山、【シルファ教国】、大陸北西部に存在する、アメスリア大陸北東部から逃げてきた竜人族と元々住んでいた人間によって作られた【ヴァン国】、様々な剣術、槍術が発展していった、中央大陸と、西洋大陸の中間地点に島国【ブライトン】、ブライトンの西側にはブライトンとは長い間戦争を繰り返してきた島国【ケルト】が存在する。

 中東部の広大な砂漠地帯には、【聖アルフ教】とは異なる教義の宗教である【エソロマ教】を信仰する国の連合体である【サウザー連合】が存在する。

 東部、南東部には複数の小国と、東部最大の宗教【加理教】の総本山、【インディス】

極東部には、現在急速に近隣諸国に軍事侵攻を繰り返す軍事国家【シン】、そしてシンよりさらに東には古くから存在する島国、【大和皇国】が存在する。

 そして雪に覆われた北部の近年政変が起こり、隣国に友好的になった【ロマシア帝国】が存在する。中央部は世界最大の山岳地帯が存在し、東部と西部を分断している。また山岳の周辺は砂漠が広く分布している。

 また、山岳地帯西側の砂漠地帯の地下には膨大なマナ結晶が眠っている洞窟が存在する。


西方大陸【アメスリア】

 中央大陸の西方に存在する大陸で、精霊から力を借りる方法を得た人間が【ブライトン】との独立戦争に勝利して独立し発展してきた【アメスリア王国】が北部を統治している。

 南部は古くから西方大陸全土を元々支配していた竜人族が現在【ドラゴニア王国】を建国し統治している。

 最北部、および南部の山岳地位には竜が生息している。

 古代は竜人族のみが暮らす土地であったら、【ブライトン】を始めとする中央大陸西部の諸国家に侵略され、現在の形となる。


南西大陸【アフリック】

 中央大陸西部の南部に存在するやや小型の大陸。

 獣人族が大半を占める国で、数百年前までは被差別対象国であり、獣人族が奴隷として他の国の大半に売り出されていたが、聖アルフ歴1700年代中ごろの【魔導戦争】が終結した後に、奴隷として扱われ続けていた獣人族の大半が引き起こした独立戦争により獣人族の人権が保障され、現在は獣人族が独自の国を作り、繁栄している。

大型大陸の中ではもっとも自然が豊かで内陸部の大半はジャングルに覆われている。


【アリティス公国】(人間、エルフ)

 魔法によって発展していった中央大陸最古の国。

 数百年前に人間の収める大国と当時勢いを持っていたエルフの国が併合して出来た国家であり、中央大陸の西部の西側に存在する。

軍は魔術師部隊を主にしつつ、歩兵部隊、騎兵部隊も多く配備しており、全体的にバランスがよく、近年は水軍の強化も始めている。

 どの種族に対しても肯定的でも否定的でもない為、ある程度は普通に生活できる。地形としては平原が全体的に多いが国の東部にはやや山岳地帯も多い。


【ドベルド国】(ドワーフ 人間)

 物作りによって発展してきた人間とドワーフの国。

 中央大陸西部の東側に存在し、建国当初からドワーフ特有の製鉄法と鍛冶技術を発展させることで様々な武器や鎧を生み出し続けてきた国であり、大半の国家は昔からこの国の鉄や武器を貿易によって流通していた。

人間とドワーフが人口の大半を占めており、軍はドワーフ中心の重装歩兵部隊と、人間中心の騎兵部隊、魔術師部隊が存在する。ただ水軍は魔導戦争期まで存在せず、現在も他国と比べて水軍の水準は大きく劣る。

 エルフ以外にはかなり寛大であり、ほかの種族も住みやすい。地形としては山岳地帯がやや多いが、高い標高の山は国内に存在しない。


【ヴァン国】(人間 竜人族)

 アメスリア大陸北東部から逃げてきた竜人族と元々住んでいた人間によって作られた国。

 中央大陸北西部に存在し、軍は山岳地帯に生息するワイバーンを手懐け、騎乗する竜騎士部隊を主力にしつつ元々住んでいた人間たちが生み出した魔術形式を主体とした魔術師部隊なども存在する。

 アメスリア国にはかなり敵対的な国家であり他の種族は特別住みやすいことも住みにくいこともない。

地形としては山岳地帯が大半であり、また最北部は寒冷気候であり、雪が長い間振り続けている。


【シルファ教国】(人間)

 アリティス公国南方のシルファ半島に存在する宗教国家。

 世界の大半で広まっている【聖アルフ教】の総本山でもあり、魔術とはまったく体型の異なる信仰に基づいた術法が発展している。軍の代わりに信仰の父たるメシアの12人の弟子の名を冠した国家機関が存在し、国や信仰に敵対する存在に対抗している。また、昔から存在する闘技場で、高い戦績を出した剣闘士を傭兵として雇うことでも、兵力を補っている。

 教義の都合上、悪とされる魔術師や魔族に対して弾圧が行われていた時期もあり、またかつては化物とされていた獣人族、竜人族にとっても住みづらい国である。地形としては一部の内陸部以外は平原が大半である。


【ブライトン】(人間)

 中央大陸と西方大陸の中間に存在する島国。

 元々は水軍が主力だったが、人魔大戦以降は、高い水準の剣術、槍術を習得した、歩兵中心の王国騎士団を主力としている。最強の12騎士長が国の主力であり、国は代々王族の男性と女性がそれぞれ国王と女王として治めている。かつては魔術を軽視する傾向があり、精霊の力を借りることが出来る人間たちとの戦争で敗北するまでは国に魔術師がほとんど存在しなかった。しかし後にはこの国の魔術師が現在もっとも一般的な大気からマナを取り込むことで魔術を使う技術を作り出した。

 人間以外はあまり住みやすいとは言えず、特にエルフとは関係があまりよくない。地形としては島の北部は山が多く、南部はほとんど平原で出来ている。

 人魔大戦時には大魔王が通れるほどの大魔界門が開いた過去がある。


【ケルト】(人間)

 ブライトンの西部に存在する島国。

 歩兵を重視しているブリテンとは違い騎兵や戦車チャリオネットによる戦術が発展している。またヴァンから伝わった独自の魔術形式が発展しており、これらを全て使えこなせる戦車騎士団と水軍が軍の大半を占めている。

 建国当初からブライトンとは戦争を繰り返していたが、ここ数十年は和平を築くことが出来ている。

 人間以外の種族もブライトンよりは住みやすく、地形は大半が平原で出来ている。


【ロマシア帝国】(人間 エルフ ドワーフ)

 中央大陸の北部の大半を占める巨大な帝国。

 魔術と召喚術の融合によって作り出された生物兵器や、魔導騎士部隊を主戦力としており民衆によって選ばれた現皇帝が国を収めている。

 実力主義国家であり、種族による優劣はつけない。地形は平原と山岳地帯が半分程度であるが、南部を除けば寒冷な気候よる雪に覆われている。

 かつては皇帝による絶対王政であったけれども、民衆によって前皇帝は処刑され、現在は実力主義国家としての気質を残した上での、ある程度の民主化(立憲君主制)に成功している。


【サウザー連合】(人間、ドワーフ、獣人族)

 中央大陸中東部の砂漠に存在する複数の小国の連合。

 いずれの国々も、聖アルフ教とは異なる宗教である、【エソロマ教】を信仰している点で共通しており、現在は、地下に膨大な量存在する、マナ結晶によって他国と商売することによって国家経済を成り立たせている。

 種族間の争いはそこまで大きくないが、それ以上に宗教による対立が大きく、シルファ教国とは1000年近く大規模な戦争を行っていたこともある。


【インディス】(人間 ドワーフ 獣人族)

 中央大陸南部に存在する宗教国家。

 中央大陸東部に広く分布した【加理教】の総本山であり、現在も東部の国の中では大きな影響力を持っている。

 魔術は発展しておらず、進行に基づく独自の術法が発展しており、兵の練度の比較的高いが、人数がやや少ない。

兵の種類は、主に加理教の進行に基づいて鍛えられた武僧と、戦車に乗り戦う騎乗兵の二つが主なものであるが、近年は水軍にも力を入れている。

 基本的にどの種族に寛大であるが、シンとはいがみ合う形になっている。地形は内陸部が山岳地帯である一方、海辺は平原が広がっている。


【シン】(人間)

 中央大陸極東部に存在する軍事国家。

 国が分裂と統一を続けた歴史を持ち、現在は歴史ある血はほとんど残っていない。ただ軍事力は圧倒的な兵数によって高いと言われており、世界でも最大規模の歩兵部隊、騎兵部隊を中心に水軍なども持っており、近隣諸国への侵攻を現在は繰り返している。

ただ、マナが薄いことから一般的な魔術が使えず、信仰に基づく術法もほとんど存在しない。現在は土着の原始的な呪術のみが存在している。

 最大の問題として一部の有望の人材を除く雑兵の練度が近年低くなりつつあることと、大気中のマナがさらに減少し、環境が破壊されていることである。

 現在は皇帝が国を支配する絶対王政を敷いており、今までのこの地域で建てられた王朝の中でも一番長い(200年程度)王朝でもある。

 他の種族や国家にはかなり敵対的でここ十数年は数百年前までの大半の周辺諸国が自らの属国同然であったことを理由に侵攻を繰り返している。地形は、内陸部の国境付近が山岳地帯であるが、残りの大半は平原が広がっている。しかし、近年ではマナ不足の影響からか砂漠化が急速に進んでいる。


【大和皇国】(人間)

 中央大陸よりも東に存在する島国。

 世界でも最も古い王朝が現存している国家であり、また元々持っていた教えに加理教の教義を取り込みながら、発展させていった独自の信仰と、それに基づく独自性が極めて高く、国民に広く伝わっている術法【心法】を持ち合わせている。また、古くから伝わる伝統的な技法により作ることが出来る刀が特徴的である。

 軍は、防人と呼ばれる正規軍が存在し、表向きには存在しないことにされている、諜報や破壊工作などを主目的とする隠密も存在している。

 国民にも地位が、割り振られており、半分を占める市民、長い家は数百年ほど続いている武門の家である武族、政治や産業に深く関わる貴族、祭り事を執り行う神属族、そして国家の象徴たる皇族に分かれる。

 他種族にはかなり寛大であるが、近年は隣国のスパイ行動から現在は移民をほとんど受け入れていない。

地形は山岳地帯が大半であり、時期に応じた気候の変化が大きい。

 小規模な魔界の門が複数存在する。


【イースト】(人間など)

 中央大陸南東部に存在する大陸に近い大きさを誇る島国。

 かつてとある探検家、後の傭兵王が見つけた、未知の島であったが、現在では大半が探索され、一つの国となっている。冒険者ギルドは現在、この国に本部を置いている。

 元々は種族間の抗争もなかったが、近年では、新たに来た移民と、この島を探索した人物の子孫やそれに連なる人々との間で抗争が起こっている。

 沿岸部は平原が広がっているが、内陸部は広大な砂漠でできていて、やや住みづらい。また、世界でも最大規模の魔界の門(かつてブライトンで開いた大魔界門に次ぐ大きさ)が現存している。


【アメスリア王国】(人間など)

 西方大陸北部を支配する国。

 この国の人間は、人間でありながら精霊の力をエルフと同様に借りることが可能であり、魔術に関しては他の国よりも頭一つ抜けている。

 軍は、エルフと人間の複合舞台である魔術騎士団によって大半が構成されており、残りは海の向こうの国とも戦うための水軍なども存在する。近年は、飼い慣らすことに成功したワイバーンを利用した竜騎士部隊も編成している。

 政治は国王と議会による話し合いによって方針を決めている。

 獣人族や竜人族をかつては奴隷として扱っており、ドワーフとも戦争をした歴史があるが、現在はある程度は関係が改善されている。一方で建国当初から広大な国土を誇ることから移民を進んで受け入れてもいる。

 地形は国土の南部は平原と山岳地帯が大半である一方、北部はほぼ山岳地帯となっており、最北部は寒冷な気候でもある。


【ドラゴニア王国】(竜人族)

西方大陸南部を支配する竜人族の国。

 元々は西方大陸の先住民であった竜人族が中央大陸から移住してきた人間との民族闘争に敗北したことにより大陸北部の土地を追われた後に建国された国家である。

 この国には、かつての竜人族固有の文明が色濃く残っている。

 軍は強靭な肉体を利用した歩兵部隊を中心に、竜騎士部隊なども存在し、内陸部には山が多い。



【自由国家 レオス】(獣人族)

 南西大陸に作られた獣人族の国。

 元々獣人族は被差別種族であったが、魔導戦争終結後の解放戦争により、独立に成功し、現在は獣人族により政治が行われている。自由国家の名は、自分たちに由る誰かに義務を押し付けたりしない国を作るという意味が込められている。

 立憲君主制を採用しており、解放戦争の英雄「ゴールデンレオ」の子孫が代々国王を務めており、同じく解放戦争の英雄「シルバーウォルフ」の子孫は代々将軍を勤めている。

 過去の歴史からかなり他の国や種族には否定的である。地形としては北東部に大きな砂漠地帯が存在し、その他の地帯は密林地帯と平原地帯が二分しており、南部以外はとても暑い。



用語説明

マナ

 大気中、及び土地に存在する膨大な自然の魔力。

 地域によってマナの量は異なり、一般的に一度減ったマナは、精霊がマナを増幅させない限り二度と戻ることはないと言われているが、高純度のマナ結晶の周辺では大気中にマナが発生している。

 一般的な人間が生み出せる魔力とは質も量も桁違いであり、中央大陸東部に存在する【仙道】を習得しない限りは、普通の人間が完全にマナを使うことは不可能である。


マナ結晶

 大気中のマナが長い年月を掛けて凝縮、結晶化した鉱物。

 鉱物としての強度はさして高くないけれども、魔力マナを生み出す特性からマジックアイテムを作るのに当たって極めて重要な鉱石である。

 主に中央大陸中央部の砂漠の地下で発見されているが、その他にも様々な場所に眠っていると推測されている。

 一般的に、マナが薄い地域には魔物が大量に現れ、土地も荒れ果てると言われている。


高濃度マナ結晶

 活火山地帯の地中深くで、よりマナが凝縮された極めて少数しか取れない漆黒のマナ結晶

 鉱石は通常のマナ結晶よりもはるかに強固であることも特徴であり、聖アルフ歴1800年代初頭に加工技術が大和皇国とドベルドで確立して以降は、神器と同等の性能を持つマジックアイテムの作成などに使われている。


魔術

 術者自身の魔力、または自然や精霊から魔力マナを借りることで発動することができる自然現象。

 火、水、風、土の四大元素と、聖アルフ教の教えに基づいた光、一部の例外を除いた魔族のみが使用可能な闇の二大元素が存在する。さらに、水の派生属性氷、風の派生属性雷、土の派生属性木も存在する。

 術者自身の魔力のみで術法を発動できるほどの魔力量を持って生まれた者は、希で有り、大半は精霊から魔力を借り受けたり、自然に漂う魔力を抽出して自らの魔力として行使したりすることが一般的である。

 前者は精霊とある程度の意思疎通が可能なエルフ族が千年近く前に編み出したものであり、後者は二百年前にブライトンのとある人間の魔術師が生み出した技術であり、中央大陸東部以外ではもっとも一般的なものである。

 アメストリアの魔術は両方を併用するものであり、これにより他の魔術師の二倍以上の魔力量を誇る。

 どちらの魔術も、元は精霊信仰を起源とした物であるという通説が現在は一般的である。


ルーン魔術

 ヴァン国から発祥した、文字を刻むことによって発動する魔術形式。

 複数ある文字一つごとに意味が有り、さらに文字を刻むという一工程のみで魔術を使用できるという点において、敵の先手をとることにおいては優秀な魔術である。

 ただし、一画ごとのルーン魔術の効果はあまり高くなく、高い効果を発揮するためには、複数のルーンを組み合わせるか、事前にルーンを永続的に刻むか、トラップのように扱うかしかないため、あまり有名ではない。


精霊

 本来は認識することさえも極めて困難な高位存在。存在するだけで、周辺のマナを増幅させる特性がある。

 霊的な肉体を持ち、生身の肉体を持つ生き物よりも数段上の存在であり、比較的似通った特性を持ったエルフでなければ意思疎通を図ることはできない。

 エルフに魔術、魔力を与えた存在そのものであり、エルフ族が現在の発展を遂げる最大の原因となっている。


精霊信仰

 エルフに魔術を教え、その他の種族にも、ただ存在するだけで周辺のマナを増幅させる特性から生まれた、精霊を神聖視するもっとも原始的な信仰。現在は精霊を神聖視する形の信仰はほぼ失われている。

 宗教としての形はとっていないが、現在の魔術師、及び魔術協会の大半は精霊を神聖視こそせずとも、魔術という知識、力の父であり母であるという形で一定の尊敬を抱いている。


魔術協会

 一般的な魔術形態を維持、普及させることを目的として作られたブライトンとアリティス公国が共同で創設した研究機関。

 全ての国の一般的な魔術師は軍属、研究所所属を問わず所属しており、魔術師の組織としては最大規模であり、唯一の合法魔術師組織でもある。

 現在は中央大陸東部にも支部を着々と増やし続けている。


術法

 魔術とはことなる、信仰心から生まれる術式。

 信仰心によって増幅された魔力で行われる奇跡であり、有名なものとしては聖アルフ教のモノが一般的である。

 他にも中央大陸東部の多くの国家では信仰心から生まれた術式がいくつか存在する。


呪術

 魔術とも術法とも違う原始的な呪い。

 効果が低いものがほとんどであるが、希に強力な力を持った呪いになるものがあり、そういったものは制御されていないことが多く、これらのことから下等な術式であると見られている。

 またエソロマ教の術式も、聖十字教会の工作により呪術に分類されている。


仙道

 中央大陸東部とその周辺でのみ古から存在した大気のマナを自らに取り込みそのまま仙気として制御する秘伝の技法。

 習得難度は極めて高いが、近年発展したマナから魔力を取り込む魔術式とは違い、本来人間には制御不可能な質と量を誇る大自然のマナを、術者の魔力へと変換することなく使用することが可能であり、仙道を習得した者を仙人と一般的に呼ばれている。

 副次的な効果として、仙道を収めた仙人は寿命による死から逃れることが出来ると言われている。


心法

 大和皇国で生み出された土着の信仰に基づく術式。

 全ての術式には、古代から存在する大和の神々(正確には精霊)の力が内封されており、それらを術者自身が独自に使い分け、変化させることが可能な術式である。

 基本的術式は一工程で行うことが可能であることが、ルーン魔術と似通っているが、こちらのほうが応用性は上であるが、信仰心が無い人間には使えないという欠点もある。

 聖アルフ歴1600年代中ごろに、古代に中央大陸東部から流れてきた【陰陽五行式】とも統合され、一般市民でも扱いやすいように整理された。


陰陽五行式

 聖アルフ歴以前の中央大陸東部の地域で誕生した木、火、土、金、水の五つの元素から形成された古代術式。

 五つの元素は互いに影響を与え、決められた順送りに特定の元素を生み出す陽の相生と、相手の元素を打ち消す陰の相克と呼ばれる相性の特性が存在する。

 派生属性に、木行から派生する雷行。金行から派生する風行が存在する。

さらに、西洋の四大元素にあてはめられることも多く、木行が、木、雷、土行が土、火行が火、一部の金行が風、水行が水にあてはめられている。


聖アルフ教

 中央大陸西部を中心に人間界全体に大きな影響力を持つ宗教。

 精霊信仰とは大きく異なり、唯一絶対の神を信仰する教義が特徴であり、元々はエソロマ教と似た信仰の形式を持っている。

 現在では軟化しているが、本来はその他の宗教や、魔術、それら行使するエルフや魔族などを始めとした異端に対しては苛烈な宗教であり、千年以上昔から、聖アルフ教の競技に基づく異教徒との闘争を繰り広げている。

 特徴の一つとして、この宗教の教えに基づく術式は、傷を癒す力や、敵対者の戦力を削ぐこと、そしてこの世ならざる者の浄化に特化している。


聖アルフ歴

 聖アルフ教の教えのもとに作られた暦の一種であり、聖アルフ教を信仰していない国でも使われている最も一般的な暦。

 基準として、聖アルフ教の教義に基づく、最も偉大な聖人にして、聖アルフ教の教祖が生まれた年から何年経過したかで数えられている。


聖十字教会

 聖アルフ教を広め、異教を弾圧するためのシルファ教国の国家機関であり国営軍事組織。

 しかし現在は弾圧組織としての一面はなりを潜め、比較的平和的な布教、及び国家の防衛に力を注いでいる。この弊害として、前線を担う重装備の鎧を纏った騎士の絶対数が減少しているという問題も抱えている。

 役割ごとに12の部署に分かれており、 それぞれが聖アルフ教の教えに基づいた神器(通称聖遺物)の回収、及び管理や、国を外敵から守るための防衛部隊などに分かれる。

 また他の国家への普及を目的とした【聖堂教会】という下部組織も存在する。


アルフ神

 聖アルフ教、そして聖十字教会が信仰している神。

 光を司り、信じる者に救いの光を指し示す存在とされている。


剣闘士

 シルファ教国の闘技場に所属している賞金稼ぎに似た剣士。

 一部の狂信者を除いて、聖アルフ教の教えに殉じる故に争いを嫌う者が多いシルファ教国における、直接の歩兵として接近戦を行う戦士である。

 ほぼ毎日おおよそ十回の決闘が行われ、ここで優秀な戦闘成績を出すほど多額の賞金が出され、さらに国の傭兵として優先的に雇われることになる。

 古代の奴隷をあらゆる状況下で戦わせる見世物から発展したものであり、奴隷制が無くなった後も、魔物と戦うことも多かったらしいが、死者が多数出たことから、人と人の決闘形式のみを採用している。

 貧困者の比率が多く、その制度から冒険者ギルドの構成員と似た来歴の人物も多い。


エソロマ教

 中央大陸中央部のサウザー連邦、及び中央大陸東南部の一部で信仰されている宗教。

 聖アルフ教と同じく、唯一神を信仰する宗教であるが、信仰する神が異なることから、1000年以上対立している。

 近年では、自らの教えを絶対とし、他の宗教を信仰する国等に無差別攻撃を行う過激派も出てきている。

エソロマ教の術式の特徴として、聖アルフ教には呪術認定されているものの、回復、幻惑などによる他者への損害等と、浄化の術式を除けば共通点が多い。


冒険者ギルド

 地上界全域に存在する古代の戦争時(人魔戦争)に傭兵王率いる大規模傭兵団から発展した、冒険者のための組合組織。

現在地上界に存在するほぼ全ての冒険者はこの組織に所属しており、中には魔術協会、聖十字教会にも所属している者もいる。

 主な活動としては、魔物の討伐や賞金首の捕縛はもちろん、権力者の護衛や人探しなどかなり幅広く活動している。

自らの利益を重視し、危険な以来も引き受けることから、賞金稼ぎとも呼ばれ、自らそう名乗る者もいる。


傭兵団

 地上界全域に広く存在している、金次第でどのような依頼でもこなす中小規模組織。

 かつては、魔物との戦争や人間同士の戦争などにも重宝されていたが、現在では冒険者ギルドと活動の範囲が似通っていることも相まって、やや小規模化している。

 大半が自己利益や、闘争を求めていることから、一般人や、国の正規軍などからは嫌悪されている者が大半であるが、例外的にほとんど利益を求めない傭兵団も一部存在する。


マジックアイテム

 魔術的、または術法的な付加効果を持った武器、または道具。

 効果は様々であり、大きく区分すると、特定の強力な魔術、術法のみを使用可能な物と、 担い手の魔力、または術式をより強力するための物に別れる。


身代わりの指輪

 模擬戦用に開発された全世界に普及している指輪型マジックアイテム。

これを装備した人物の傷を無ある程度まで無効化し、代わりに戦闘に流用できない魔力を溜め込む能力が有る。

 溜め込める魔力にも限界があり、体を覆う障壁と指輪の核に相当する魔石の色で判断できる。

最初は鮮やかな青色であり、傷を魔力に変換することで赤に近い色になり、障壁と核である魔石が完全な真紅に染まると、溜め込まれた魔力の一部を使い装着者の行動を損害する。

 ちなみに、残った魔力は、そのまま大気に返され、後の魔術師たちが使う大気中のマナへとなる。この機能は大気中の魔力を取り込むことで魔術を行使する人間たちにとっては副次的なものであれかなり高く評価されている。


銀剣

 聖十字協会固有のマジックアイテム

 形や細かい能力は製作時に調整可能であるため様々であるが、共通点として魔物や聖アルフ教の教えにそぐわない、魔術などに対抗するために高い魔力抵抗効果が付与されている。


神器

 聖アルフ歴以前の時代や聖アルフ歴初期に生み出された、神代の時代から伝わる強力な武具、またはマジックアイテム。

 様々な場所に見られ、その土地の大元の思想をある程度は読み取れるものが多い。

 また現在も武器として使用可能なものが大半であり、大半の国では優秀は戦士や将軍などが現在の 担い手となっている。


聖遺物

 神器の中でも聖アルフ教と深い縁がある物。

 大半のものが浄化や治癒など、聖アルフ教の術式の効果を強力にした能力を持つものが多い。

 かつては世界各地に大半のものが散逸してしまったが、現在では大半のモノが回収、または認識されている。


竜種

 魔界の魔物とは異なる、古くから地上に住む高位生物。

強固な鱗と強靭な筋力と高い知性を併せ持っており、最大の特徴としては、【竜の息吹】と呼ばれる灼熱の炎を口から放つことが出来ることである。個体によっては翼を持つモノも存在する。

 意思疎通が可能なのは一般的には竜人族のみであるけれども、希に一般的な種族の言語を操る竜種も存在する。

 各国の竜騎士部隊の竜は、比較的手懐けやすい分、竜種としては下位に相当する個体が大半である。


魔界

 この世界と隣り合わせた次元に存在する異界。

 古来において、人間からは地獄として認識されていた世界でもあり、現在も魔界や魔界の住人たちと嫌悪している存在は多い。

 現在は大魔王を筆頭に七魔王が魔界を八つの地域に分割して支配している。


魔物

 魔界に住む独自の生態系を持つ動物。

 知能は低く、獰猛であり人間をはじめとした様々な種族に害をなす存在であり、魔界が嫌悪され続けている最大の理由でもある。

 現在もたびたび地上界に流れ着いた魔物が人間やエルフなどを襲うことがある。



魔獣

 魔界に住む魔物と違い共存可能な動物

 知能こそそこまで高くない個体が多いが、飼い慣らすことが可能であり、現在では人類と魔族の両方にとって有益な益獣、及び召喚術によって使役される使い魔として扱われている。


魔族

 魔界に住む魔物とは異なる知的生命体。

 地上界とは全く異なり、より様々な容貌、生態の種族が多く存在する。

 魔物の影響であまり知られていないだけで、大半は温和で地上界の種族に対しても友好的である。しかし、希に例外的な存在も存在する。 

 また、上級の魔族にはその一族固有の能力を所有している者が多い。


大魔王

 魔界を収める最大権力者。

 現在は破壊衝動のまま戦火を広め続けた先代大魔王を打倒したその息子が王位を引き継ぎ、地上界に対しては、魔族の利益を損なわない範囲で友好的な政策を進めている。

 現大魔王固有の特技兼趣味として神器に匹敵するほどのマジックアイテムを創りだすことが出来る。


七魔王

 大魔王の元それぞれの地域を収める存在。

 魔王間の関係は様々であるけれども、現在は大魔王の元で統率されている。


 どうもドルジです。

 今回の設定集は不定期に加筆してきます。

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