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彷徨いの森

作者: 奏 湊

空は今日も青く輝いている。

輝く空の下、とあるうごめく森が一つ。

それが今日の舞台。

うごめく森は何を生み出し、何を求めるのか。


「今日もいい天ですねぇ・・。」

うごめく森に、淡々と入っていく耳のとがった種族が一人。

何を求めてやってきたのか、すらっとした肢体につややかな黒髪からはわからない。

それでも旅人は奥深くを目指して歩き続ける。

己が求める何かを目指して。


モリは知る旅人が いかに歩くかを

リスは知る旅人は 己に見向きもしないことを

アリは知る旅人が 己の場を荒らさないこと


「ふぅ。一休みっと」

森に入った旅人が休んだ木陰は モリの中心地にほど近い大木。

意思のなりそうな大きな巨木の下で レジャーシートを敷き旅人は 水筒を取り出しくつろぎ始める。

「収穫はまぁまぁ。所在地不定の森ならでは、といったところですね」

シートの上に 道すがら取ってきた 落ちた実や種、草を広げて旅人は微笑む

上からリスが降りてくるまで その微笑みは続けられた

「おや?リスさん ごきげんよう。どの実がご入用ですか?」

あたかもお店の店主のように 広げた収穫を差し出す旅人

あまりのさりげなさに警戒を忘れたリスは近づく それはまるで魅惑の魔法にかかったかのように

「くすくす。私に御用なのですか?いったいどんな御用でしょうか?」

近づいてきたリスを受け入れ 面白そうに微笑む笑みに 妖艶な芳香が漂わせながら旅人は聞く

物言わぬリスに ただただ微笑みながら 時を過ごして 森を行く


行きには 一人だった旅人は

帰りには 一匹を共にして去っていく


ココは己の求めるものを得るための場所

汝 何を求めるか?

求めるものにしか開かれない そんなモリは今日もうごめいていく。

求めるものに求めるものを授けんがために


のんびりした空気を感じていただければ、幸いです。


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