表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/38

第六話:狩りへの決意

 

 翌朝、少しだけ目を腫らしながらも、狩りへの準備を始めた。本格的な狩りをする前に、まずは数日間生き延びるための食料を確保しなければならない。


 彼は、獲物を追うための体力温存のため、植物性の食料に頼ることにした。幸い、森には清流があり、水には困らない。


(この世界の植物は毒があるかもしれない。まずは食べても大丈夫そうなものからだ)


 前世のサバイバル番組の知識を総動員した。森の木の幹に生えている、鮮やか過ぎない茶色や白のキノコを慎重に吟味した。また、特定の葉の形を持つ山菜や、動物が食べているのを確認した木の実だけを少量ずつ集めた。


「グルゥ……(この苦い木の皮も、少しは栄養になるはず)」


 彼の食生活は、極めて質素で単調だった。木の実をかじり、山菜を泥で洗って噛む。その味は、もちろん「コンビニのサンドイッチ」とは比べるべくもないが、飢えを満たすには十分だった。彼の鋭敏な嗅覚は、食べ物と毒物の僅かな匂いの違いを判別するのに役立っていた。


 こうして、三日間、体力を温存しながら、安全な場所から周囲の魔物の動きを冷静に観察し続けた。彼の銀色の毛皮と小さな体は、茂みに隠れるのに最適だった。


 数日後、森の中で自分と同じくらいの体格を持つ狼型の魔獣と遭遇した。その全身は鈍い灰色の毛皮に覆われ、獲物を狙うその瞳には、知性こそないものの、純粋な捕食者の凶暴性が宿っていた。この魔獣が俊敏だが、知性が低く、攻撃パターンが単調だということを、静かに観察して把握した。


(灰色の狼…グレイウルフと呼ぼう…。…よし、真正面から戦ったら絶対に負ける。あいつを倒すには、罠しかない!)


 前回の鹿狩りで成功した「地の利」を使った罠を、より高度なものにした。彼は清流に近い岩場を選び、グレイウルフが獲物を追い詰めてくる進路を予測。そして、獲物の注意を逸らすおとりとして、森で見つけた熟れた果物を木に括り付けた。


「ウオォオオオオン!(こっちだぞー!)」


 雄叫びでわざとグレイウルフを挑発し、岩場へと誘い込んだ。魔獣は囮の匂いと太一の挑発に気を取られ、猛然と追ってきた。

お読み頂きありがとうございます!


この作品を「おもしろかった!」と思ってくださった方は、

ブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さるとうれしいです◎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
続き楽しみ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ