第二十一話:交易街への潜入と魔石の取引
38.7℃の熱で死にそうです…なんとか更新…
俺は夜通し歩き続け、夜明けを過ぎた頃、ついに交易街の入口が見えてきた。巨大な石造りの門の周りには、すでに多くの人々が列をなしている。
俺はミィナの足元を歩き、仔犬として振る舞った。門をくぐる際、衛兵は俺に何の注意も払わなかった。
(人間の先入観は、最高の隠れ蓑になるな)
街の中は、水草の里とは比べ物にならない喧騒だった。建物や匂い、人々の喧騒が入り混じる。
『——ミィナ、里のおばあ様から聞いた「魔石を買い取る商人」の情報を教えてくれるかい?』
ミィナは、人通りが少ない路地に入り、小声で念話に答えた。「東側にある『魔法道具店』が、魔石の価値を正しく見てくれるらしいの」
俺たちはすぐに、魔法道具店を目指した。店主はLv. 9の細身で髭を蓄えた男だった。
ミィナは、懐に隠していた魔石を包んだ布をそっとカウンターに乗せた。
「あの……。これを、買い取っていただけませんか?」
店主は布を開け、魔力の結晶を一瞥した。
「これは……『鉄針魔石』のようだね。綺麗なものだ。どこで手に入れたんだい?」
ミィナは「森の奥で見つけました。薬代にしたいんです」と答えた。
店主は魔石を手に取り、鑑定スキルを使ったようだ。
「ふむ……。良質な魔力を秘めている。この大きさなら金貨二枚だ」
俺の解析鑑定が、その価格を瞬時に評価する。
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魔石の公正市場価値:金貨2.2枚
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(妥当な価格だ。良心的な商人だろう)
ミィナは金貨二枚という金額に驚き、固まっていた。
『——(念話)受け取るんだ。それが公正な価格だ』
「あ、ありがとうございます!」ミィナは、震える声で金貨二枚を受け取った。
資金を確保した俺は、すぐさま次の行動に移る。当初の目的である「元の世界への帰還」の糸口を探るためだ。知識を持つこの店主は最高の情報源だ。
『——ミィナ、もう一度、彼に尋ねてくれ。「大昔、別の世界から異なる生き物や人物がこの地に落ちてきた」という、おとぎ話や伝説を知っているか、と』
ミィナは、すでに取引が終わったのに何を尋ねるのかと戸惑っていたが、俺の強い念話に押され、小さな声で尋ねた。
「あの、店主さん……。大昔に、別の世界から異なる生き物や人物が落ちてきたという、おとぎ話や伝説をご存知ですか?」
店主の顔から、商売人としての笑みが消えた。その細い目が、ミィナの足元にいる俺を見た。
彼は、カウンターの奥から古びた分厚い本を取り出す。
(この男は、何かを知っている。俺の運命を左右する情報を)
俺は、緊張で仔狼の全身の毛が逆立つ感覚を覚えた。
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