表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

148/150

E-end 【○】

 ――俺とフィアとチビが旅だったその日の昼頃、青空の下

 俺は今、捕まっていた。


「うおおおおい!? おにいちゃあああん!」


 こ、ここは崖の下、フィアが叫ぶのは小さなサイズ檻の中、しかも手には鉄塊で作られた手錠をかけられて、炎のハンマーも握れない状態!

 一方、俺は檻に捕まえられるのではなくて、


「ふふ、もう少しお待ちくださいませ、かわいらしい女の子様~?」


 言葉遣いもゆったりとして、なびく金髪は美しくて、フリフリのピンクのドレスもファビュラスで、

 麗しい見た目をしたその人の、

 ――でかい手で


「あとであなたとも、遊んで差し上げますわ~」


 巨人族! なんかでっかい(ジャイアント)レディ(お嬢様)の手で、俺は捕まえられている訳で!?


(ま、まるで人形扱い(1/6フィギュア)


 し、白魚のような繊細の指で、しっかりと握られている、動けないぃ……。


「ああもうお兄ちゃんが、運転中にバナナの皮を踏んじゃうからぁ!」

「ピキャー!」


 うん、それでカートがスリップして崖から落ちて、死ぬぅ!? って思ったら、でっかいこのご令嬢の、その、あの、お胸の部分でぽよんってなって助かった。ありがとうと感謝しようとしたら、そのままむんずと握られて、崖下に作られているセレブな庭の、パラソルやテーブル(大理石製)が整ったお茶会スペースにまで連れてこられた。

 で、お嬢様は椅子に座り、フィアとチビはテーブルの上の檻に捕まり、俺は彼女(巨人)の手のひらという訳で。

 ――その上、刀は邪魔だからと別の所におかれてしまって


「ふふ、じっとしていてくださいね~、かわいらしいお人間様~」

「ま、待って待って、何をする気なんですか!?」


 そう俺が叫べば、お嬢様(巨人)は、


「お人間(人形)遊びですることなんて、決まってますわ~」


 そう言って――テーブルの右側にあった、横開きの箱をパカッと明ければ、


「着せ替えごっこに、決まってましてよ~」

「うわ、女の子の服ばっかり!?」


 かわいいのからかっこいいのまで、いや、ちょっと待って、そんな際どい(ギリギリ)のも!? お嬢様の嗜みとしてはダメ(セウト)過ぎない!?


「あ、メイド服もある!? それお兄ちゃんに着せてほしい!」

「何を言ってるんだよフィア!?」


 俺がツッコミをしてる中で、


「ふふ、じっとしていてくださいまし~」


 と、お嬢様(巨人)は、


「じゃないと私、お人間(人形)様を、また壊しちゃいそうですので~」

「え?」

「優しく扱おうと思うのですけど、人間(人形)って脆いんですもの~」


 ヤバい。

 ヤバいヤバいヤバい!

 この(巨人)の遊びに付き合うだけで、俺の始まったばかりの旅がゲームオーバーになってしまう!

 そ、そうだ、スキル!


 【○】


 な、何か一文字でこの状況を抜け出す方法――あ、痛い痛い、ていうか苦しい! な、なんでもいいから、あてはめて、

 【脱出】――いや二文字じゃ無理だから、これ、


「【脱】スキル!」


 そう俺が、俺を握りしめる手のひらから抜け出すことを、

 願った瞬間、

 ――ビリバリィ! っと、俺の服が破れた

 裸になった。


「ええええええ!?」

「何してんのお兄ちゃあああん!?」


 い、いや、俺にはそんな意図がなくて、あ、パンツ(トランクス派)は残ってるよかったいやよくない!


「あらあら、準備までしてくれるなんて、なんて良い子なお人間(人形)なんでしょう~」


 あ、なんかテンションあがって、い、いだいいだい! か、体が、握りしめられて、苦しい、


「さぁ、何を着せましょう~、あれがいいかしら~これがいいかしら~」


 ゆっくり、もう片方の手で、服を選んでる間、俺の体が、じわじわゆっくりと握りつぶされて、

 う、嘘、これで、俺の旅が、

 ――終わり


「――ガルルルルゥ」


 獣の唸り声が、聞こえて、


「ガルオアアアッ!」


 ――そして、弾けた


「きゃあ!?」

「うわっ!?」


 そして、お嬢様(巨人)の手が緩んだ、俺はそのまま落下して、大理石のテーブルへ叩きつけられる――

 もふり、と、

 ……俺の体を、懐かしい感触が受け止めてくれた。


「――あっ」


 ……俺を背に乗せているのは、巨大な狼。

 黒く輝く中で緑の筋をところどころに鏤めた体毛に覆われた、その獣は、そのまま、ぱぁっと笑顔を浮かばせる、


「い、い、痛いですわ~! 何してやがってくれますの~!?」


 獣の攻撃にやられたんだろうか、手の甲を抑えておっとり喚くお嬢様(巨人)――だけど俺を助けた狼は、そちらには向くこともなく、檻に捕まるフィアの元へ四足で歩いたあと、体を傾けて俺を優しく降ろして、そして、

 ――獣の姿から、人へと


「待ってた、ぞ」


 姿を、変える。


「アルテナッシ」


 褐色の肌、緑混じりの黒い長髪の頭上に獣の耳、そして、

 ――左目が鋭利な傷で潰れているけど

 その野生溢れる、力強い表情をしたこの男は、

 俺のクラスメイト、


「スメルフ!」

 

 久しぶりの再会に、


「さぁ、友よ」


 スメルフは、


「魂の、戦いの、時だ」


 そう言って、笑った。




 【脱】スキル Fランク

 スキル解説[何も無しからのスタートだ]


 アルズハート

 [【笑顔】              ]


・更新情報

2026年1月は10日、17日、24日、30日、31日、

そして2月1日朝7:00に投稿させていただきます!

ネオページ様の方で最新話を先行公開中! よろしくお願い致します!

https://www.neopage.com/book/32218968911106300

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ