第一章EX 『インフォメーション』
〈第一章の主要人物紹介〉
①氷嶺玲奈
生年月日:2008年7月7日
年齢:16歳
身長:158cm
容姿:黒髪ロングの美少女。瞳の色は青
学園ランキング:10位(零凰学園十傑・第十席)
本作のメインヒロイン。
氷の名家・氷嶺家に生まれ、歴代最高の潜在能力を持っている。玲奈が産まれた際に母が死亡し、父や兄・凍也との確執の原因となる。
家庭環境は冷め切っており、家ではずっと孤独に過ごしていた。凍也に自由を縛られていることもあって、性格も無愛想で誰も寄せ付けない。
学園でも基本的には一人で行動している。
高校卒業と同時に他所の名家に嫁がされる予定だったが、翔太郎と家出してからは彼の家で同居することになる。翔太郎の零凰学園におけるパートナーでもある。
②氷嶺凍也
生年月日:2001年4月3日
年齢:24歳
身長:175cm
容姿:黒髪の美青年。瞳の色は青
ランク:A級
セカンドオリジン固有能力:絶対零度
第一章の章ボス。
氷嶺家の現当主にして、全権を握る冷徹な青年。
かつては母の忘れ形見として、誰よりも玲奈を大切に想っていた。
しかし、素質検査にて玲奈が氷嶺家トップクラスの成長指標を誇ると、自身の存在理由が大きく揺らぎ、今まで玲奈に対して溜めていた悪感情を爆発させ、人が変わったように玲奈の自由を奪って冷たく接するようになる。
第一章では、まさに鬼畜のような男だったが、翔太郎との会話で玲奈を縛っていた理由が孤独になるのが怖かったからだと気が付く。
歪んではいたものの、凍也なりに玲奈を家族と想っていたのは事実。
③藤堂氷一(爺や)
生年月日:1965年1月9日
年齢:60歳
身長:165cm
容姿:老人の執事
ランク:?
氷嶺家に仕える使用人の一人。
元プロの異能力者で、年齢を理由に引退してからは氷嶺家の執事となる。
氷嶺家の人間からは「爺や」と呼ばれている。
幼い頃から氷嶺兄妹を見守っており、父が兄妹に無関心になってからは、彼らに異能力の手解きをしていた。
凍也のやり方にも、玲奈の変わりようにも内心憂いていたが、使用人という身分を弁えて、兄妹に余計な口出しは一切していない。
玲奈を連れ出した翔太郎とは会えば話す間柄でもある。
④雪村真
生年月日:2008年10月7日
年齢:16歳
身長:169cm
容姿:白髪マッシュでピアスをつけた少年
学園ランキング:17位
翔太郎と玲奈と同じ2年A組に所属する男子生徒。
十傑に次ぐ実力者であり、学園内でも発言力が強い。
不良じみた見た目と態度から、周囲からは恐れられがちだが、むしろ本人はそれを鼻にかけてる節がある。
雪を操る異能力者であり、見た目と出自が好みかつ、同系統の能力を持つ玲奈に強く惹かれているものの、彼女からは全く相手にされていない。その為、玲奈と親しげな翔太郎に対して露骨な敵意を抱いている。
また、推薦生に対する偏見も強く、特に翔太郎には玲奈絡みも相まって一層辛辣な態度を取る。
〈第一章に登場した異能力〉
①紫電、雷閃
発動者:鳴神翔太郎
翔太郎の雷の異能力は大まかに分けて二つ。
紫電とは、体内に蓄電した雷を放出する。
雷閃とは、雷のエネルギーを体内に蓄え、瞬間的に身体能力を増強する。
どちらも非常にオーソドックスな異能力であるが、翔太郎は発現するまで過酷な修行を積み、自在に扱えるようになるまで六年の時間を要した。
紫電は形質を変換して、凍也のように物質を造形する事が可能。
雷閃も「疾風迅雷」というスピード強化の技が存在する。また出力の強さによって、青白い雷や紫色の雷から、黄金の雷に色が変化する事もある。
②ホワイトブリザード
発動者:雪村真
雪の異能を操る、雪村真の最強異能力。
吹雪の力を一点に凝縮させ放つ技だが、チャージに時間が掛かるのが難点。当たりさえすれば、ゴーレムも倒すことが可能。
雪村曰く、翔太郎のスピードを封じることが出来るらしい。ただし、威力は翔太郎の半分くらいの出力の紫電に相殺される程度。
③氷獣創成
発動者:氷嶺凍也
氷嶺凍也が通常時に扱う氷系の異能力。
周囲の水分を瞬時に凍結させ、自在に氷の動物を生成・操ることができる能力である。狼や隼といった生物を形成することが多く、それらは自律行動が可能。
凍也の集中が乱れない限り、たとえ彼自身がダメージを受けても氷獣たちは行動を継続する。
④絶対零度
発動者:氷嶺凍也
セカンドオリジン解放時にのみ発動できる、氷嶺凍也の固有能力。
通常は氷の造形で戦うが、解放時には戦闘の次元が一変する。
視界の全てが攻撃範囲という脅威的な効果を持つ。
凍也が敵を視認した瞬間、空気中の水分を瞬時に凍結させ、絶対零度の死の領域を発生させる。
さらに氷の造形も比べ物にならないほど強化され、速さ・強度・規模の全てが圧倒的な域に達する。
ただし、その力は強大すぎるがゆえに、消耗が激しくコントロールも難しい。故に長時間の発動は不可能。
〈用語解説〉
①零凰学園
日本屈指の偏差値を誇る異能力者専門のエリート校。政府が直接運営しており、学力だけでなく、将来国家の中枢を担う異能力者を育成することを目的としている。
入学者は名門家系出身者が多いが、異能力の実力が認められれば名家でなくても入学できる為、この学園で力を付けて将来的に大成し、名門の一代目となる者も多い。
本校のカリキュラムは、基本的に普通高校と同じように一般科目の授業がある。
それに加えて、異能に関する座学や技能訓練が組み込まれており、ランキング上位の生徒には多大な恩恵と引き換えに、外部の任務が学園側から依頼される事もある。
②学園島
作中の東京の海沿いに存在する人工島。
零凰学園を始めとした、様々な施設と広大な敷地を持つ島はまるで一つの都市のよう。
セントラルモールを始めとして、学生専用の商業施設が立ち並び、日用品や食料品はもちろん、カフェやレストランまで揃っている。
希望制の高級学生寮も完備されており、学園での生活に不自由することは無い。
③スクールマネー
学園島のみで使用できる仮想通貨。
ランキング上位者ほど一月の支給額が大きく、学園島に存在する施設であれば、何でも利用する事が出来る。
また、学園島から出る際は現実のお金として換金可能。様々な異能試験における報酬でも、とく提示されている。
十傑の能力者は莫大なスクールマネーが与えられている。
④ランキング制度
零凰学園が生徒の総合力を評価し、順位を決めるシステム。
学年は関係なく、全校生徒でランク付けされる。
一般科目の学力、異能の実力、試験での成績、それらを総合的に判断し、ランキングが決定する。
実際に学園側は生徒間の競争意識を育む事を目的に導入しているが、ランキング上位者が勝手な振る舞いをしている事もあって、校内のスクールカーストの指標になっている側面もある。
上位10人までは『零凰学園十傑』と呼ばれ、様々な特権が適応される。
翔太郎は編入試験を受けずに入学した為、最下位でスタートしている。
⑤氷嶺家
主に氷の異能力を操る家系。
鳴神家ほど歴史は深くないが、日本政府が指定する名家の一つ。
歴代当主は先代の長男と決まっており、現当主は凍也。
当主決めの観点からも、男尊女卑的な傾向がある。
家庭環境は非常に冷め切っており、父は母の死を思い出したくないが為に、妻の面影のある兄妹には完全に無関心を貫いている。
凍也が冷徹になったのも、玲奈が他人に対して心を閉ざし始めたのも、根本的な原因は前当主の父にある。
⑥異能力者のランク
異能力者は18歳以上から政府が定めたランク付けがされる。
ランクはA、B、C、Dの四段階、さらにその上にS級が存在する。
大多数はB級かC級に査定されるが、零凰学園の卒業生や名家の跡取りなどはA級。稀にS級に査定されることがある。
S級はその異能が特に危険視され、異能犯罪者にも同じランク付けがされる。例えば、夜空の革命のメンバー全員がS級能力者に分類されており、その異能の凶悪さは社会にとって脅威。
現状判明しているランクは、剣崎がS級で凍也がA級である。
⑦セカンドオリジン
一部の異能力者だけが辿り着くことを許された境地。
異能力の根源に眠る潜在領域を解放し、通常の異能力を遥かに凌駕する力を得る。まさに、第二の異能と呼ぶにふさわしい存在。
セカンドオリジン解放者には、己の本質を反映した固有能力が覚醒し、全く別次元の戦闘能力を獲得する。
名門・鳴神家の兄弟たちでは、陽奈しか発動出来ない程に高難易度。氷嶺凍也も解放は出来るが、コントロールそのものには慣れていない。
⑧氷結のマリオネット
第一章のタイトル。
キーパーソンは玲奈。章ボスは凍也。
「氷結」は氷嶺家の冷え切った家庭環境を象徴。
マリオネットとは、凍也の言いなりになっている玲奈と、氷嶺家の当主の立場に縛られ歪んだ意味で家族に執着している凍也の二人を表している。