黒人が嫌いな差別理論
「このゲーム、黒人キャラ多いね。」
「ね。」
「私黒人嫌いだな。黒人って暗いとこだと見にくいし。明るいと醜いし。」
「なかなかいうね。問題発言だよ?」
「でさ、思うんだけど。黒人が差別される、立場的に下になるのって当然じゃない?」
「なんで?」
「だってさ、他の人種に比べて黒人は体力があるわけじゃん。体力がある人は肉体労働をするほうが効率的だし、そういう仕事は自然と下に見られる。ソレって女と男の役割が分けられるように当然だと思うんだよね。」
「つまり、差別は職業の問題だってこと?」
「そう。」
「だからって差別していい理由にはならなくない?」
「していいとか、悪いとか。そう言うんじゃなくてさ。そうなるって話。」
「男女格差もその論でなんとかなる?」
「ほとんどおんなじことが言える。けどこの場合、ついさっきだと下の立場だった肉体労働者が上の立場に立ってる。人種と男女。その区別ができたのがいつなのかっていうのが大事。」
「どういうこと?」
「男女の差は原始の時代からあってさ。そのときは狩りが得意で戦える男たちの方が断然偉かった。時代が進むと組織規模が大きくなって、頭のいいやつが上に立つようになる。人種差ができたのはこのタイミング。他の人種と出会ったときに上に立てるのは頭の良い人間たち。」
「わかるような、わからないような。」
「つまり、その時必要な能力の多く備わった人物が男か女か、黒人か白人か。それが重要ってこと」
「じゃあ、もしも原始時代に黒人と白人が出会い、時代が進んで組織的な社会構造が出来上がってから男女の区別ができたら今の差別は全くの逆になってたってこと?」
「それはわからないけど、もしかしたらそうかもね。まあ、こんな話したってなんの意味もないわけだけど」
「いつか神様になったら世界作るときの参考にさせてもらうよ。」
「人は生まれながらにして他人を憎むことを学ぶのではない。もし憎むことを学ぶのであれば、愛することも学べるはずだ。なぜなら、愛は人間の心に自然に宿る感情だからだ。」
「ネルソン・マンデラの言葉。差別させないために愛を学ばせた人を生み出すってこと?」
「差別が起きない環境を作るよりも環境に置かれる人の中身を変えたほうが簡単だよね。」