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9 アヤメ帰還する

人ごみの中の貴方をクスッと笑らわせて見たいのですが。

アヤメ


やわらかい布団・・・、障子の隙間から漏れ出る光。

朝か。昨日は、おばあちゃん家に泊ったんだっけ・・・。枕が変わるとあまり寝れないのだけれど。

祖母の家では、よく寝れた。おばあちゃん・・・。


いや、おばあちゃんもういませんでしたねぇ。

88歳米寿大往生! 「最後の言葉は、お前の孫の子供がみたかった・・・。」

無茶苦茶いいましたよねぇ?!


布団をはがし飛び起きる。

下着のスポブラ、スパッツ確認良し! 美しい乙女の肉体、正常ですね。

そして思い出すんだ! そうだ、昨日・・・・。


ダンジョンで罠で詰んだ状況で助かった。未だに状況が理解できない。

なぜ、こんな所に旅館が。

人生経験から理屈をひねり出そうと脳を稼働させてみる。


刹那、凄い強い気配が前方に現れる!

トントントントン 木目の引き戸の後ろのドアが叩かれた。


「猫さんですにゃー。 起きたのを確認致しましたにゃー。 もうすぐ朝食ができますにゃ、温泉でも入られてから、いらしてくださいにゃー」


「あ、アヤメ殿。パン、ご飯、それとも魚派かにゃー?。 魚おすすめにゃー。 魚って言ってくれると吾輩も朝から魚が食べれるにゃー」


あぁ、猫さんの声を聞いて、昨日の顛末思い出しました。

そしてこれから、報告と助命嘆願をやらないといけない事も。

気分そして私の重めの胸が重たいですねぇ。気持ち的にですがぁ。


でも、魚介より肉派なんですよねぇ。う~ん。旅館で、遠慮はいけませんねぇ。 

食べれるだけ食べましょうか!!


「猫さんおはようございます! 全部食べれますぅ。パン、ご飯、魚、肉、全部で大丈夫ですよぉ~! 支度しましたら、いきますねぇ~」


「・・・にゃふふふ。アヤメ殿本当に荒神に好かれる才能あるにゃ~。ご主人その反応、凄い喜ぶと思うにゃ。 そうそう、大浴場に入りたいと思ったら、そのままドアを開けてもらって、準備が出来たと思ったら、またドアこの開いてもらえればそのまま朝食会場にいけるにゃー。では失礼するにゃー」


・・・・なんか空間転移とか怖いので、部屋のお風呂にしましょう。


まずは、部屋備え付けの風呂場のシャワーを浴びる。

考えることは山ほどあるが、身支度をしてからだ。

洗面所には、恐ろしいぐらいアメニティ(洗面所付属品)が揃っていた。


これらは、化粧水なのだろうか??

付箋が貼ってある、おばあちゃんの家にあったような小瓶の名前を見る。

肌用現実改変エリクサー、真・エリクサー(肌用)、ラストエリクサー(肌用)、美肌妖精ガマガルギョーのエキス。生と死の輪廻の美肌水・・・・・・・


いやいやいや、怖すぎます。 怖すぎますって。


私、鑑定スキル持ってませんし、鑑定持ってても鑑定したくないですよぉ??

これ、情報量で脳はじけませんかぁ?? 


・・・いや、でも、使ってみますかぁ、貧乏性なんで使わないともったいないと思ってしまうんですよねぇ。 ラストエリクサーと書いた小瓶を少し取り出して肌の頬に少し塗って・・・。


うーん!!? だめですねぇ。だめですねぇ。 


朝から、脳に過大な負荷が来ております。

頬のお肌から光が、止めどなく極光を出し続け、洗面所の鏡に映る自分がまぶしすぎて直視できません。

眩しいぃ~。

また、シャワー直行じゃないですか。 これ、洗えば効果流れ落ちますかぁ??


・・・・洗い流したら、つやつやぐらいで済みましたねぇ。焦ります。



アイテムボックスから、化粧品をとりだし支度をする。洗面所の鏡を見る。鏡に映る自分に声をかける。


「まずは、生きることに成功しましたね! よくやりましたよぉ! 私!アヤメ! 本当に奇跡的です! これが、現実か仮想なんて考えても無駄ですねぇ! 行動しなければ!ここからですよぉ! なんとかして、地上に帰りましょう! ここの支配者、ショウタさんの印象は、悪くないようです! できれば協力を取り付けて、帰りましょう! たとえ、支払いを命じられても。命以外なら対価を支払ってなんぼですよぉ!!死ななきゃ安い! しなやすぅ!」


ドンドンドンドン、壁を殴りつける。大陸式、自己啓発法だ。


・・・正直自分の力じゃどうにもなりませんしねぇ。そもそも、ダンジョンから帰れません。


髪留めの配信連絡用ヘアバンドをつける。鏡を見る。


今日も私、乙女だ。紫の髪と黒のヘアバンド。ベージュのブレザーが好ましい。

有頂天な日本初、埼玉30F攻略者 「あやぽんず」だ。


動画配信で生存報告をすると言う事も出来るだろう。

だが、感覚が危険を告げている。常識としてここで断りも無く動画配信は、まずいだろう。

激しく第六感が危険を告げる。報告は、生存が確定してからだ。


さてドアを出ますか! この先の私の、未来をかけた商談をします!

そう朝食会場と言う、試験会場、オーディションに!


ーーーーーーー


部屋の金属をドアをギィ~と開く、そこは昨日の黒基調の品がある机と椅子が並んでいた。

昨日のレストランに繋がったのだろう。


レストランに踏み入れた瞬間、支配人のショウタさんが、隣にポップ(沸いた)した。


なるほど~、ポップ早いですねぇ。

転移スキルは、神様しか持っていないはずですが。ショウタさんどうなってますか?


「おはようございます。アヤメ様。」


「おはようございます! 昨日は、あり・・・」


支配人ショウタさんが、手を開き前に出す。


「アヤメ様、貴方は、大事な、賓客にございます。お礼は不要にございます。プライベートルームの浴場を方を大事にされる方ということで、アメニティ(付属品)に力を入れさせて頂きました。貴重な気付きをありがとうございます。 当館のアメニティ(化粧用付属品)は、いかがでしたでしょうか?」


あ~、正直に言いましょう。


「ありがとうございます。でも、すいません。正直怖かったです。」


ショウタさんは、一歩後ずさり、話を続ける。


「あっ、ああ、はい! えぇ、お話もあると思います。まずは、朝食をお済になってからにしましょうか。 お座りください。すぐにご用意致します。」


目の前から、一瞬で消え、カウンター奥の厨房にポップした。

小さく声が聞こえる。


「ネコさん!ネコさん! ネコさぁあああん! ちょっと考えを聞かせて! アメニティ(化粧付属品)に、人類が有史創生から望んでやまない永遠の霊薬を用意したんだけど。そう、そう。定命の者が永遠を求め、定命を繋ぎ探し求め。定命の者が永遠を求めて永遠の霊薬の完成の瞬間、定命の寿命が尽きた時に出来る。逆説的観測結果が作成の決め手になる霊薬・・・。 そうそう、何?! 瓶デザインが古い?! あぁあっ!? 王宮のお年寄りが使う瓶のデザイン?! あぁああっつ!? 確かに、マーケッティングが足りなかったかも! ネコさん君は、凄いね。パッケージ買いの話をしているんだね!! 商品展開フェイス(面)の見え方の重要性の話を!! あああぁっ情報が足りない・・マーケッティングしなおさないと・・!」


・・・多分、違うと思いますぅ。


「お待たせ致しましたにゃ~」


フワフワした猫さんが、目の前に沸く。

君も目の前にポップするタイプなんですねぇ。心臓に悪いです。


目の前に配膳される。

なんだか、食事がぼやけている。モザイクがかかったようにぼやけている。


「アヤメ殿のご要望。肉、魚、米、パンのご注文に、ご主人が大喜びし、気合をいれて作成した物にゃ。吾輩、ほとんど鑑定できないにゃ。」


猫さんがフワフワしながら、こちらを見つめ説明する。


「もう、どこの米か、何がなんだか、分からない白米と。え~、これなんにゃ? 観測する者によって形が変わるパン?? グリルした肉(世界樹への権限レベルが足りないため鑑定できません)と、魚であり魚でない魚でありたい魚にゃ・・?これ、魚かにゃ? まぁ、自分も後で、食べるにゃ。絶対おいしいのは、間違いないにゃ」


「お茶、漬物おしんこ、味噌汁セルフサービスにゃー。あ、お茶は、飲んだ方がいいにゃ。旨さと子供の頃の楽しかった記憶を思い出し、意識が少し飛ぶにゃ」


私の脳が 『もう、考えるのをやめたら?』 と信号を各細胞に送ってきている。


・・・・私は、考えるのをあきらめて顔を上に向ける。照明のランプがまぶしい。

だけど、ここでは引けない、食べなければ!!

私はまだやることが、やりたい事がある! 生きていたいんだ!!

絶対残しません!!!いただきます!!!!!!


もしかして貴方に取って何気なく評価、ブックマークを押して頂いたのかもしれません。

世の中のいろいろな連載作品ってその何気なさに、支えられてるって言ったら信じて頂けますか?

お返しに貴方にクスッと、クスックスッ。クスクス。

硬質小麦の一種であるデュラム小麦の粗挽粉に水を含ませ、調理後の大きさがの小さな粒になるように丸めたものである。クスクスの始まりである。

クスクス鍋でクスクス粒を炊く場合、クスクス粒に水を含ませてから指で塊をほぐし、クスクス鍋の蒸気で蒸してから再びクスクスし、塩とバターやオリーブ油を加え、もう一度クスクスして仕上げる

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