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78 舞

瀬川 舞


え? 私ですかー?

私、ただのオフィスレディで、ダンジョン配信者をこよなく愛する普通の会社員ですけどもー?


先ほど、武闘派の神様から 『集え、腕に覚えがある者達よ!』 と脳内に通達がありましたがー。

関係ないですよねー。だって、今日の与えられたお仕事が減る分けでも無いですしねー。

今日もお仕事を早く終わらして22時ぐらいには、お家に着きたいです。

この忙しいオフィスで 『止まるんじゃねぇぞ!』 と、いきなり言い出して、参加しに飛び出て行く団長タイプの人は居ないと思いますよー? クビになっちゃいます。

だって、小雨カンパニーの社会的ステータスが高いですからねー。やめるにしても、おしいです。

大学の同期たちがうらやむ、小雨カンパニーですよー。

年収がとてもいいですし、企業イメージも高いです。


小雨様は、支配者や地上管理神とか言われています。

本社にいると小雨様と距離が近いせいもありますが、普通のやさしい神様だと思いますー。


神様からの招集内容がステータスカードに要項が書かれているっぽいですけども、後でまとめサイトとか、動画で見ましょう。今日の夜のお勧め動画は、これ関係で溢れているんじゃないですかねー?


さて、お仕事を片付けましょうかー。

世界の事より、まず自分の事です。皆様当たり前の事ができていますかー?


――


あれー? フォーカスがまだ私になったままです。おかしいですー。

今更ですけど、自己紹介ですかー?

入社三年目の瀬川 舞ですー。


親が両方ともですね、国の官僚ですー。

小さい頃から勉強しろと言われながら勉強して、受験で大学に入って入社しました。


そうそう、私の唯一と言える趣味がですねー。動画の追っかけです。

中学時代から、配信者動画が好きでよく見てました。


そして大学の時に就職ガイダンスで、年収が高いですし、頑張って受けてみようと思ったのが小雨カンパニーでしたねー。

推しのアヤメさんが所属してるのも大きかったですー。


小雨カンパニーに受かった理由が、スキル資格で鑑定LV3持ってるのが決め手になったみたいです。

資格や技能って、本当に就職有利になるんですねー。


こんな所ですかねー。

えっ? まだ私にフォーカスがあたっていますよー? どうしてですー?

今日はショウタさん所に、発注ありませんからダンジョンいかないですよー?

なんで、フォーカスが主任の私なんですかー?

課長や部長。 外部ヘッドハントのアリエノールさんを写した方がいいと思いますよー。


アリエノールさんの朝は早いです、あの銀髪とビシッと決まったスタイルとスーツ。

種族に似合いすぎですー。ほら、あっちのアリエノールさんの方に行きませんかー? 取れ高があると思いますー。


あっ、そして、もう一人の私が帰ってきました

そうですかー、私の虚像を含めるとデュアル社員ですから確かにめずらしいですねー。

フォーカスがあたっても仕方ないかもしれませんねー。


あっ、お給料も二倍貰ってます。二倍働いてますから???


――


「戻りましたー。私」


「私、おかりなさいー」


オフィスの机群を抜けて、赤メッシュで赤メガネの私が私達のディスクに戻ってきました。

私、キャラが立っていると思います。ヴェーチューバーを見ておしゃれを勉強してるんですよー。


先ほど物流の打ち合わせで、外出していたドッペルちゃんです。

でも最近、私が嫌だと思う事は嫌と思うみたいなので、最近言う事を聞いてくれなくなりました。


虚像の魔銃もドッペルちゃんがもっています。

虚像のオンオフの生殺与奪の権利を持ってるのは、良くないと。小雨様からご通達がありました。 

後、 『法規に引っかかる可能性があるが我が何とかする』 と頂いております。 許可もまもなく下りる事でしょう。さすが、小雨様ですねー。

これが大手企業の力です。 学生時代勉強して大手に受かって良かったなと思いますー。


ですけども、最近私思うのですよ。このまま私は、ここにいるのでしょうかー?。

人生一度なのに、このまま仕事で人生を使ってしまうのでしょうか?

そろそろ、結婚とか考えないといけないのかなと思います。


でも全く現実味が沸かないですー。 アヤメさんと仕事してる方が楽しいですよねー。

そして伊織さんには、新人の時に痛い目に会いました。

凄い優しくて、親身に話を聞いてくれて、仕事も手伝ってくれて一緒に付いて行ってくれて、一緒に飲んでくれて・・・ああああああああああああああああああああああああ!

心を弄ばれましたねー。同じ手口で色々な新人に手を出していたのを後で聞きました。

人を簡単に信じてはいけないって事ですよー。ドッペルちゃんも伊織の事嫌いだと思いますー。


そんなこんなで隣の席のドッペルちゃん。

席について、仕事の打ち合わせをします。 

私達、鑑定士LV3持ちですからね。鑑定書作成だけで仕事は山の様にあります。


「私、さっきの領域展開スキル持ちを集めて、異世界バトルする啓示聞きましたかー?」


「聞きましたよー、私。 詳細見てませんけども、どうせあれでしょうー? アヤメさん達とか上級者関係ですよねー」


ドッペルちゃんは、少し訝しんだ後、魔銃を私に渡して来る。


「あれ? ドッペルちゃん。本人の私に敬意ですか? 銃を私が持ってていいんですか。 確かにですねー、ダンジョン関係は私が最近行ってますねー。安全関係で私が持ってた方がいいですね。ダンジョンで何があるかわかりませんしー。では、社内の書類関係は、もう一人の私でお願いしますねー」


「了解です。私。・・・そうですねー。私、少しの間、魔銃を持っててくださいー」


「少しの間ですか?? 私。今日は、ショウタさんの発注ありませんけど。でもダンジョン行く機会多いので私が持ちますねー」


と、会話を続けていたら。

いきなり、向かいの席のエリートの先輩が急に、机パンをしてきた。

思わずビクッとする。


「会話で頭がおかしくなるんじゃあああ! ゲシュタルト崩壊するんだよおおお! もうタバコ行ってくる! 頭かおかしくなるわ!!!! 私って私、誰? 自分は誰? 自分は、私? 私は自分!? あああああ? 俺は誰だ? いつの間にか仕事の仮面が自分を乗っ取っている気がする」


ゲシュタルト崩壊してタバコを持ち、机を立つ先輩。


でもですねー。先輩、30分ごとにタバコ吸いに行ってませんかー?

何かと理由をつけて吸いに行くのは良くないと思いますー。


さて、お仕事を片付けましょう。

鑑定書を作成していきますよー。


パチパチパチ、バッチバッチとドッペルちゃんと2重奏のキーボードの強打が続く。


ドゴン! と椅子を蹴る音が聞こえてきますがー。

椅子を蹴る音の方がうるさいので、無視ですー。 

こちとら主任でLV3のデュアル鑑定士ですから。やれるなら、直接言って来てもいいんですよー。

マユミ統括とアヤメさんから学んだ、立場と言う物からの攻撃で詰めちゃいます。


そんなこんなでお仕事をしていましたら。


「舞 おるかー?」 と、入り口の受付で、笑顔な小雨様がいらっしゃいました。


小雨様の登場ですねー、最近よく来るんです。

ドッペルちゃんの様子見と言えば、良く聞こえますけどもー。

課長は 「あぁ・・・、またいらっしゃった・・・。 なぜ・・・。仕事がやりにくい・・・」 と申しております。


課長、今の聞こえたら。本社勤務でなくなる可能性があります。

奥様と小、中学生の子供三人いらっしゃるとお聞きしましたがー。

たまにしか会えなくなってしまいますよー。


小雨様の隣にアリエノールさんがいらっしゃいます。

アリエノールさんは、いずれ統括になるのでしょう。

異世界で元エリート官僚と言う事です。スパスパ思考が切れて、めちゃくちゃ仕事が出来ますー。

出来ない事と言えば、スマイルが必要な受付営業ぐらいですかねー。


「舞~、ちょっといいか」


それを聞いたアリエノールさんが小雨様に小言を言ってます。

凄い胆力ですよー。 生殺与奪を握られている獣魔契約のはずだと言うのにですねー。


「小雨様、階位の低い物に肩入れをする物言いだと不平が生まれますよ。もう少し、部長なりなんなり、使ってですね、呼び出さねばいけません。見くびられますよ」


小雨様が、あっ! って顔しました。

最近よく小雨様と顔を合わせるので表情が読めますねー。


「ぬぬ、そうだな・・・。 そうだよな・・・。そうだな」


小雨様が、なんだが悲しそうな顔をしています。

ですけども。さすがアリエノールさん、その通りです。

仕事は部長から課長に回して下さい。私と私達は、鑑定書で仕事が一杯です。

よって、タバコ先輩に回されると思いますよー!


隣で、ドッペルちゃんが笑みを浮かべながら顎をさすってます。

私にそんな癖ありませんけどー? どうしました? バグりましたか? 再起動必要ですかー?


そして小雨様がオフィスの机の群れを抜けて、私の所へ直行してきてます。


ああああああ?! えっ、私ですかー?

ドッペルちゃん。お願いしますー! 本体の代わりに生贄になってくださいよー!


私達の前に立ち、口上を始めました。


「あ~、舞。そうだな。 ステータスカード見たか? 異世界への足がかりがあってな・・・。 舞の力が必要なのだ。 舞にも片方来てもらいたいのだが」


小雨様のいつもの覇気みたいな物が感じられないですー。もじもじしてます。

どうしたんでしょう。


「そうだな。 魔銃を持ってる方は・・・、おぉ! こっちか! 行こうか、魔銃の方の舞。 ステータスカードに指定者が書いてあったはずだ。すまぬな。片方に仕事を頼んでもらって、こっちの舞は一緒に行こう」


小雨様が、笑顔で手を握って来た。


これ、逃げれなさそうですー。

あれ? ドッペルちゃん? 魔銃を渡した理由ってこれですかー。

ステータスカードに私の名前が書れていたのを見て、魔銃を渡しましたかー?

たしか、異世界異能バトルって言ってましたねー。

私が強いのではなくてですねー、強いのはこの銃ですから、モンスター攻撃の余波で爆片の一つでも流れてきたら私に貫通して死んじゃいますけど?


ドッペルちゃん。 私、そういう卑怯な事しませんけどー? 虚像の生存本能見たいなの働いてますねー? それでは、私になりきれませんよー?


「そして、皆の者、聞くがよい! 我が社は、異世界に進出するぞ! 先ほどの啓示も、その下準備だ! お主らもその気で居て欲しい! 小雨カンパニーは、異世界を跨いで運搬流通を始める! よいな!!」


小雨様が、風呂敷をバサッと翻し決めポーズをしています。


即座に、全員が胸に手を当て 「「「仰せのままに!」」」 との返答があった。

ついに、私の会社も異世界進出ですか!

大学同期や、同窓会の時にマウント取り散らかしますー!

ですけども、忙しくてここ数年、同期たちにも連絡も取ってませんけども。


そんなこんなでドッペルちゃんから、この現状への言葉があった。


「私、お願いしますねー」


「了解しましたー。私から相談が無いのが悲しいです。私。そして私、私っぽくないですねー。長く現実に出していると誤差がでてますかー? 虚像の性には、抗えないのですかねー」


ドッペルちゃんが、グラリと揺れた後、椅子に座り机に伏せた。


「今の生活が尊すぎて、死にたくないですー。前回いつでも消されてもおかしくなかったです。私は、消えたくないと心から思うのであって・・・。だって本体が居なくなれば、私は私になって・・・愛の輝きをすべて受け取れて・・・」


ああああ、私を私が傷つけてしまいました。

でも、いい薬ですねー。 私に異世界バトルなんてやれるとなぜ思ったんでしょう?

でも、小雨様案件なら仕方ありませんかー。いきますか。

私にやれる事なんて、裏方で補給の書類作成とか在庫管理ですかねー。


「小雨様、行きましょう! この魔銃があれば 大体なんとかなりますけども、魔道書で守ってくださいねー!」


小雨様が笑顔で答える。


「もちろんだ。何があっても舞には、指一本、触れさせんぞ」


小雨様の笑顔が眩しい。


―――


小雨様と一緒なので、会社のロビーで色々な人から頭を下げられながら会社を出て行く。

メンバーは、小雨様、アリエノールさん、私だ。


人員、少なく無いですかー?

補給部隊は動かしてましたけど、ダンジョン対策課を動かさないのですかー?


「小雨様ー? レディスーツなフォーマルな格好のアリエノールさんと私で、異世界行くとか正気ですかー? 私、オフィスレディなんですけどー? 異界出身のアリエノールさんは、何でもできるかもしれませんが。 あのー、ダンジョン対策課は、どこ行きましたかー?」


「ダンジョン対策課は、普通に仕事だな。 それと、一定値以上の運命値と言ったかな。 持っている者じゃないと戦闘には役に立たない。実証済みだ。下手に人数を連れて行くと被害の方が多くなるだろう」


「?? アリエノールさん、今のお言葉理解できました?? 私、文官的な動きじゃないんですかー? オフィスレディが戦闘要員ですか? 攻撃食らったら防御力皆無で死んじゃいますよー? 私の火力は高いかもしれませんが。 この服、布ですよ。おしゃれな布。あのダンジョン深部のミンチ製造機の様なモンスターパンチの余波だけで死んじゃいますけど??」


アリエノールさんが、驚いたように答えてくれた。


「あれ? 小雨様、この舞主任本人にそっくりですね? 今日の舞主任、本当に本人そっくりですね。 大丈夫です。小雨様が守ってくださいますよ。あと死ななければ、回復できます。あ、死んでも蘇生できましたね。 舞主任、またあの時のように一緒に戦いましょう」


「そうだな。今日は見分けられないな。 大丈夫だ、舞。我と一緒に動こう。今は、七節剣が無くてな、攻撃は舞に任す。防御と移動は我がやるからな」


ここで、私は私ですと言っても全く意味がないですねー。

ドッペルちゃんの扱いが軽くてなんか納得いきません。


えっ、私戦うんですか?


魔道書を取り出した小雨様が 「さぁ、埼玉ダンジョン前に行くぞ。集団加速」


と、私の思考を後に走り出しました。


――


皆様で、走ってダンジョン前に着きました。

加速の魔導書が楽しいですー。小雨様、車って実は遅かったんですかー。


さすが、小雨様。お金持ちです。加速の魔導書も高いのですが、バンバン使われますよねー。

そして、何かあるとすぐ小雨様の部屋に泊まらせてもらえて、高級料理を食べさせてもらえます。

会社の皆様が、小雨様を怖がる理由が分かりません。


まず、ここに着いたら、警備主任のタツロウさんにご挨拶をしないとですねー。

相変わらずダンジョン前は、店の乱雑さでガヤガヤとしてます。


そして、いつもより絶叫と爆音が聞こえてきますー??

えっ?? タツロウさんどこですかー?


えーと、大変です。

ダンジョン前ですが、人がですね、物凄い力で飛ばされていますー!

シュポン! と、飛ばされてますねー! 異常事態です小雨様ー!


「うあああああああああああ!」 「きゃああああああああ!」 「ピカアアアアアア」


この叫び声、夢のお国と黒属性のマウスのデッドコースターの時に聞いたことありますよー。


冒険者の格好をした方達と、株式会社韋駄天急便の方々と、剣神カンパニーの制服を着た方々が吹き飛ばされて私達の横をミサイルの様に通過してます。


あっ、タツロウさんが居ましたよー! ダンジョンゲート前で戦闘をしていますね。


こっちに気づいたタツロウさんが、フワッとホバーした状態でこちらに来ました。

シュザザザと、土煙を巻き上げて高速でこっちきましたよ。

大好きなイケメンガンドムシリーズ系の動きですねー。

タツロウさんのキャラにあってますよー。


「ぬあっ! 小雨様、後ろにおさがり下さい! 韋駄天様、剣神様、マユミ統括、マユミ様か? 元マユミ統括、が耐え凌いでおりますが、持ちそうにありません!」


両手を広げて私達を静止してくるタツロウさん。


ダンジョン溢れの様子ですかー!? 小雨様危険ですよー!? 

今度こそタンジョン管理課の屈強で不死身の営業を連れて行きませんかー?!


ダンジョンゲートを見ますと、紫の着物を着て角が生えた武闘派の神様がいらっしゃいました。

金色のオーラが出てます。なんか、ガンドムのフェイズシフト装甲っぽいですねー。


「まだ立ちますか。意思だけは認めましょう。 だが! 人の子よ。この様子では、異世界には通すことはできませんね! 変身の一段階目の角を出したばかり。楽しませて欲しいのと言うのに。これでは、いけませんね! 弱い!弱すぎます!」


そして、ロン毛の神様が陽キャの紫の着物の神様を諫めている様子です。


「制裁神、地上で本気だしたらいけないわけ。 それ3000年後のおれっちの仕事なわけよ。まず無いと思うけど、負けたらどうするわけ? 明日から無職なわけよ。 あ、おれっちと大した変わらないわけ。問題ないわけか。 無収入も大変なわけよ? 3000年間何すればいいわけ? 制裁神、神も目的なしで生きれ無いわけよ。今のイキイキしてる制裁神の様に、目的がほしいわけ」


そして、元マユミ統括と剣神様、韋駄天様がいらっしゃいました。

劣勢ですが、まだ戦闘隊形を崩していないようです。


「ハハハ! 幸せ続きで、腕がなまってるな。 剣神様、修練が必要でしたね! 剣神様は、少し休んでで下さい。 この剣神巫女のマユミが行ってまいります」


「マユミ、あの龍を囲んで叩くには、人数が足りません。引きながら戦い、増援を待ちましょう」


「いや~、試験をしましょうかと言われて、制裁神とノリノリで戦ってみたけど強すぎるでおりゃんす。 権能持ちが地上に出て来るのも考え物でおりゃんすね。 顕現禁止にしましょう」


小雨様とアリエノールさんの方を見ます。

アリエノールさんが 「あのピッニックおにぎり着物の神様、これ程とは・・・。礼を欠かなくてよかった、本当に良かった・・・」 と呟いてます。


そして、小雨様が、ため息をつきました。

この後大声が来ます。注意してくださいー。

最近事ある事に一緒にいますので、なんか分かりますー。


「そこまでだ! 後は、頼んだぞと言ったが、どうなったら異世界試験会場になるんだ!?」


ゲート前に立っている方々が一斉にこっちを向きました。


「「あっ、小雨様。ご無沙汰しております」」


「小雨っち、遅いでありんす~」


「小雨さん、もう少しゆっくりして頂いてよかったのに・・・」


「俺っちももう、旅館に行って言いわけ? 啓示神とっくに、旅館に戻ったわけ」


小雨様の眉が動きました。


あ、これ。お説教が始まりますー。

お説教されて、当たり前だと思いますー。

ダンジョンお店回りは、そこそこの破壊と硝煙が立っています。


この辺りもボコボコなので修復と補修しないといけませんねー。

小雨様、タバコ先輩に見積もりの仕事与えてください、お願いしますー。







人類と歴史が生み出した最高の嗜好品、タバコ。

煙が旨いとか、どう考えてもやばい。猫で言ったらハッカ系のマタタビみたいなものだろうか。

揺蕩う煙、脳内に出る疑似ドーパミン。疲れやストレス、体の不調を一時的に幸せドーパミンで先送りして、心を前向きにしてくれる。

効能を書き上げると、魔法の煙に思えてくる。

カフェインとアルコールと合わせるとさらにやばい。脳内が絶対にやばい事になってる。

人類の考える幸せがここにあったか。

そりゃ、自制利かなくなってスパスパと、やるわな。 当然「規制だ! おらぁああああ!」って発想は正しいと思う。


時と世界の歴史が生み出した嗜好品。

人と世界は意外と目的が一緒なら協力できるんだな? と思う。どの国にもタバコがあるもんな。

嗜好品、人の思う幸せが形になったもの。歴史のある嗜好品だ。

だが、毒である。何を持って毒とするのか。本当に毒なのか?

世の中の見渡すと、なんだか疲れや幸せそうでない人達で溢れている。幸せを前借する事は毒なのか?

そうして、人は依存と戦う事になるのだろうか。


苦痛に耐えきれなくなった時、飲む(呑む)がいい。と、未来の偉い人は言ってくれた。

なるほど。未来でもそうか。人は依存まっしぐらである。

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