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61 ショウタ

ながい

ショウタ


複製体の舞さんの心と存在を救う、小雨様の名シーンに感動しましたね。

見事な沙汰です。さすが、地上の管理者の一人にございます。


舞さんに力を渡したのが良かったですね。

複製の力をバンバン使ってくれたので、力に相反する歪を生み出して頂き大変面白くなりました。


悪魔種族が膨大な力を条件に、人間と小契約する理由が何となく分かりました。

これは面白い。 地上の暮らしと、人の欲の物語。なおかつ魂までついてくる。


膨大な力と人間との小契約で、十分お釣りが来るって事ですか。

楽しすぎます。

悪魔種族の寿命は、ほぼ無い。それゆえの生き方。

そういう、暮らしもありかもしれません。


――


世界異変も終わり、警備のタツロウさんと旅館入り口に戻る。


ああっ!? タツロウさんいつも隣にいますから間違えました!

いつもすみません! 普通に、違和感なく連れてきてしまいました!!

タツロウさんには、地上のお仕事があると言うのに!!

すぐにお送りいたします。


送る前に、ポケットの中に色々いれちゃいましょう。

土に蒔けば、土の精霊が具現化し生まれてくる豊穣ポーション、開けると1度だけそれなりの願いを聞いてくれるポーション。 後、飲むと重力操作が出来るポーション。


いつも、お世話になってますから。これぐらいの事は、させてください。

では、入り口に、戻します。


タツロウさんを戻した後に旅館に入ると、受付にポムさんが座っている。

そして、ラウンジに様子を映されているアヤメさんをじーっと見ている。


おお、お仕事してますね。 いや、お仕事していますか微妙な所ですか。


いえ、仕事の内でしょう。

今の時代、腰かけ仕事に罵倒とかパワハラですよね。


『仕事に貴賎なし』 そうです。お給料が違うだけです。 って事は貴賎があると言う事です。

そういう事を、ことわざっぽくカッコよく言っても、現代に合わないダメな例ですね。

相変わらず世の中は、クソです。


「お帰りなさいませ、ご主人様」 と、奥のラウンジに映されている、アヤメさん達の映像を見続けるポムさん。


うーん、お仕事が無いですか。

これに突っ込んで 「ご主人様、お客様はどこですか?」 とか、聞かれたら。自分、発狂するのが目に見えてます。論破されます。


そうしましたら、芋庭園、もとい家庭菜園の仕事でもお任せしますか。

ポムさんは種族特性で農園関係が得意ですから、すぐに終わらしてくると思いますが・・・。


しかし、仕事が無いな。

先日、大人数を捌いた後と、言えば聞こえがいいが。

納入のポーション、魔導書など。スキルですぐに作成できてしまう。

工程、過程をスキルで短縮化は、永遠の者にとって害悪じゃないですかね。


「ポムさん、自家栽培の方の点検お願いします~」


「承知しました~」 と、ラウンジの映像を見ながら支度を始める。


ラウンジの映像を見るとネコさんが星海の階で、アヤメさん達に異世界プランを始めようとしていた。


その時、自分の脳に衝撃走る。

ダンジョン旅館、異世界探検、そして異世界のプロによる確保される安全性。


こんなん、上手くいくに決まってるじゃん。


猫さん、そんな素敵なプランを考えるとは!

独立する気か! 下剋上か? 野生の本能は、まだ生きていたのか!


「あああああああああああ!」


と、思わず叫んでしまう。


ポムさんが、ビクッとしてこちらを見るが、そのままダッシュで出口から出て行き、農園に向かっていった。


そのまま、ラウンジの映像に見入る。

「異世界転移」 猫さんの発想の優勝だ。

これは、下剋上! 支配人として、商売人としてのプライドにかかわります!


そのまま、猫さんは、二人を送り出して異世界の門の固定を行っている。

安全に戻ってこれる、完璧なプランニングだ。


ぬああああああ!

自分には、異世界の門の視認がまず出来ない。誰かに視認してもらってからじゃないといけない。

門の固定も危ない。破滅に繋がる可能性がある。


うむむむ、何とかこのプランを自分の功績に出来ないか。

この技術を持ち独立すると言われたら、どうしよう。

いや、待てよ? 個人の功績は、会社での功績、つまり代表者の私に帰属すると言う事。


つまり、会社の物ですか。

独立しようとしたら、私に戦う権利はありますね。

やっぱり、社会って立場が大きくて力が強い方が、強いんです。

現実って非情ですね。


猫さんに、労いの言葉をかけに行きましょうか。

門の固定をしてるなら、自分も異世界への視察ができそうだ。


シュポンと98Fに進み、99Fに移動する。


――


99Fに着いた。

星の海が背景の中、浮いている神殿の床と辺りに立ち並ぶ列柱。

その先の門に続く階段の上に猫さんが、門を守るように立っていた。


猫さんは自分に気づいたのか、周囲に魔道書、杖、宝石を展開してきた。


おやおや、戦闘態勢ですか。


その戦闘態勢を煽るように、パチパチパチと自分は惜しみない拍手を猫さんに送る。


「猫さん、やられました。自分を出し抜くとは。 そして、お見事なプランです。素晴らしい才能ですね。異世界プランですか、様子を見るに平和な異界の門が開いていますね。あの二人にしては、こんなキレイな異世界門が開くとは、意外です。 ここに来れる実力者です。業が溜まり、モラルがもう少し低いかと思いましたが」


「吾輩も驚いたにゃ。伊織殿が、刺されて業を血で贖っていたのが良かったのかにゃ~」


そして、猫さんの周囲に漂う煌めく杖を階段の下にいる自分に向けてくる。


「ご主人、なぜこの階に? 異界の門は、苦手なはずにゃ?」


「ククク、その猫さんの見事な手腕を体験しようと思ってですね。さて異世界体験ですか。支配人として、視察しないといけませんね」


猫さんは、猫目を閉じ、瞑想を始めた。

凄い勢いで魔力を練っている。


「吾輩には、異世界の門を固定しているのと、二人を送り出した責任があるにゃ。ご主人は、先には行け無いにゃ。それと危険にゃ。なにより、人の視認先に乗っかるのは良く無いにゃ」


その通りだ。異世界の転移は、危険を伴う。

接続先が、視認者により変わる。

自分の門を視認する事は危険だ。絶対に全ての終わりの終焉の門に繋がる。


なので、この平和そうな門の奥を少し興味本位で見たい。


自分は、階段に足をかける。


まずは、異世界の門に触れてみますか。猫さんだけ出来るのも悔しいですしね。

正直、異世界の次元間のコントロールは苦手です。

ですが触れる事により、どんな理屈なのか読み取りましょう。


「ご主人、これ以上進めさせるわけには行かないにゃ。ダメにゃ。門を固定している責任が吾輩にはあるにゃ」


「どうぞ、猫さん。自分の歩を止めてみてください」


猫さんが、瞑想をやめ、猫目を開き、魔導書をパタンと閉じる。

蒼の力場が周囲に広がり、観測の空間の固定させてきた。


面白いですね、どんな戦略があるのでしょうか。


「猫さん、戦闘を希望でしたよね。このプランのご褒美です。 さぁ、全力をどうぞ」


さらに、もう一歩、階段に足を進ませる。


「猫さんに理があります。遠慮せず自分を止めてみてください。自分は心が広い。今回、腹いせに星を滅ぼすなんて言いませんよ」


と、口では言うが。私も猫さんを倒す準備をしましょう。

アイテムボックスから武器を取り出そうとするが、空間固定により、亜空間からアイテムを取り出せない。

初手の空間固定の展開でアイテムボックスの使用をお互い禁じたのか。


なるほど? 戦闘前に自分だけアイテム展開して、自分にはやらせないと。

やるじゃないか。大分前から戦う方法を考えていたな。


猫さんから、宝石と杖の二本の双流。意思の力をビームにして射出してくる。

不変を砕き存在を貫く、意思の本流が襲ってきた。


このビームをノーガードで受けて、「失望しました、この程度ですか?」 みたいなセリフを言って、絶望を体感してもらおうと考えたが、このビームの直撃はキツイな。


片手を前に出し 『無』 を生成する。


フォンフォンファンタジー5 でもラスボスの 『無』 、マックス筋肉のデスノートでも最強の 『無』 から学んだ力です。 あと、虚無系のクソゲーの 『ゲー無』 達からも学びました。

いかがですか。奔流ぐらい飲み込みますよ。


無が、蒼い極太レーザーの奔流を飲み込む。


「ご主人が、防いだにゃ・・! ついに、ガードさせることが出来たにゃ。でも吾輩の失敗は、一人で挑んだ事にゃ。 どうするかにゃ・・・」


いやいや、挑んだのは自分ですよ。

無茶言ってすみませんね。 ちょっと他の次元を覗きたいだけなんですが。

猫さんの業績を乗っ取る形なんて、ちょっと人としてどうかな~?

と良心で思ってたんですよ、一応ね。

でも、我が社に全てを帰属してください。


そういう働きのために渡しているお給料ですから。


さて、もう一歩進みますよ。次の攻撃を期待しています。


―――


星海の中の戦いのシュチュエーション中にフォンフォンフォンフォンと、来客と連絡が来た。


あー、ここで来客ですか。こんなんばっかりですね。まだ、宿命の戦いの時では無いと。

心残りがありますが、来客が当然優先です。


ダンジョン内なので、ポムさんから脳内に連絡が入る。


「ご主人様、猫様、ご来客です。 小雨様がアリエノールさんを連れて来てます。商用です」


んんん、商用ですか。

グググググッ、悔しいですが、ここまでです。

この異世界プラン、猫さんしか出来ない仕事が出来ましたか。

立場が上昇しますね。

かけがえのない社員です。優遇しないといけませんね・・・。


「猫さん、見事です。マネージャー待遇で対応させて頂きます。今後とも宜しくお願い致します」


では、商用で対応してきます。

商用、小雨カンパニーの大手関係の大事なお仕事です。


大事なお仕事関係ですね?

営業の日報用の暇つぶしの商談だったら、地上に隕石を降らします。腹いせに。


ですが、小雨様が直で来て頂いてくれるなら、その心配も無いでしょう。

そして、自分も全力で立ち向かわなければ、ボコボコにされます。

本当に強いです、高学歴のエリート達は。


私が苦手とする異世界の門系は、悔しいですが猫さんに任せましょうか。


「グググッ、では猫さん。異世界プランのお楽しみのアヤメ様方の対応をお願い致します。 では、商談にでます」


「承知しましたにゃ~」


自分は、旅館に転移をする。


「にゃああああああああ、撃退できたにゃああああ! 吾輩、足りない物だらけにゃ。 ご主人を倒すのに、アヤメ殿と伊織殿の成長を待っていられないにゃ。何とかしてこの星の神様の力を借りなければいけないにゃ」


と言う言葉を置き去りにして。


――


シュポン! と旅館に戻る。


入り口に入ると、小雨様とアリエノールさんが、ラウンジに座ってお茶を飲んでいた。


おおぅ?! ポムさん、お茶出してから、呼びました?

対応としていいんですが、先に呼べませんでしたか? お待たせしてません?


小走りで、ラウンジの小雨様の所にご挨拶へ行く。


「すみません、お待たせして。本日は、商用。小雨カンパニーとしてですよね?」


小雨様とアリエノールさんが、立ち上がり、礼をしてくる。


さすが、礼を欠かない。

大企業のボスだ。


おや、アリエノールさん? 出世しました?

会長と同行ですか。外部からの魔族を出世ですか。流石、小雨様分ってらっしゃる。

裏切らないし信用がおけると言うのが先日、分かりましたもんね。

自分には、なぜこんな人材がこないのでしょうか。


小雨様が、口上を始める。


「そうだ。感覚的に今日か先週か? 先日は、世界の終わりがマッチポンプと言え、何か世話になったな。舞の件も落ち着いた。あれから、舞が増えて色々考えている。自分の心とは、神でさえわからないものだな」


「ショウタ殿、貴重な霊薬ありがとうございます。 羽が白と黒になり階位が大幅に上がりました。今後とも、小雨様、舞主任とやっていきますので、宜しくお願いします」


人として体に力が漲ってくる。

人としての魂の部分が自分に、今日もがんばれ!と激励をしてくる。

これは、商談だ。 しかも相手は、地上のボスだ。全力でお相手せねば。


「いえいえいえ、ご挨拶ありがとうございます。 小雨様から商談でございますか! いやはや、怖いですね。 御用があれば、自分から出向いたものを! ご足労ありがとうございます~! さて! 本題の前に・・・」


本題の前に軽いトーク。

商売人としての当たり前の事だ。

だが、全く思い浮かばない。


まてまて、天気の会話とか価値が無いゴミ会話だし、地上のニュースとか、すべからく関係ない。


地上が治ってよかったですね(笑)


とか、煽り文句しか浮かばない。


おいおいおいおいおい、魔道書とポーションの取引切られるわ。


お茶は、もう出したな。

どうしようか。


あ! あるある


「あ! 弊社の旅館の方、如何でしたか~? 神々の皆様に評判は如何でしたでしょうか」


「ああ、今日はその旅館が好評でな。それの話を、アリエノールを連れて話をしに来た。 舞は・・・、増えたし。会社の方で仕事をしてもらってる。何かあれから、ちょっと色々と考えることがあってな。 神になってから、こんな風に自分の気持ちで整理がつかず、悩むことは無かったな」


アリエノールさんが、なんか凄く驚いた様に、交互に自分と小雨様の顔を見て話してくる。


「いや、まて。 あ、待ってください。小雨様。これが、あの指先一つで我々を肉片に代え、私を簀巻きにして、肉片を畑にまこうとし、なおかつ世界を相手取り、終末戦争を起こしたショウタ殿ですか? 人格変りすぎですね? 後、旅館でラーメン食べ終わるまで、制裁神様が封印もされましたよ? あ、ラーメンの件、小雨様事前に分かってて逃げましたよね。 このショウタ殿、複製体か?」


「なんてことを言うのですか、アリエノールさん。 ここは取引のテーブルですよ? この場は、上下関係があれど、対等じゃないですか。 自分は人として、商売人としてここに居ます」


自分は、キリッと決める。


「ショウタ殿は、取引と契約を重んじる悪魔種族だったか? いや、転生者とは聞いていますが」


あ、そういえば、悪魔種族のあいつらもこんな感じだったな。契約は命より重いタイプだ。

悪魔種族、信用できるな。こんどの召喚、悪魔種族にしよう。


「ふむ、取引先か。 なら小雨様は超大手の発注元で、かけがえのない存在だ。そうだな?」


ほら、やっぱりアリエノールさん、官僚タイプでしょう?

もう、ソファーに寄りかかり、足を組んでいます。アリエノールさんがマウント取ってきました。

自分は、貴方が強敵になるのを存じておりましたよ。ですので、もう手を打っております。

ククク、自分の商才が怖い。


「ええ、もちろんです。いつもお世話になっております。 アリエノールさん、弊社の霊薬サンプルは如何でしたか? 素敵な白羽をお持ちですね。魔族本来の力の解放の証。アリエノールさんにピッタリだと思います。 今後とも弊社を宜しくお願い致します」


「ぬぬぅ! 人間! あれが、袖のワイロ だと言うのか・・・、くっ・・・! じ、次回から、サンプルの場合もう少し、分るように伝えてもらいものだ・・・。 一歩間違えると、贈与は汚職になってしまうからな・・・」


ククク、押さえましたよ。

今後とも宜しくお願い致します。


「まぁ、そうしたら商談の続きを話していいか?」


小雨様が、冷たい目で自分とアリエノールさんを見ている。

その冷風まさに、無の宇宙空間の極度。


「ああ! お話の腰を折って申し訳ない。お願い致します! ポムさん、コーヒーも! 後、お菓子早くして! 早く!」


そうそう、取引先の大企業の会長だった。

接待しないと。


「あ、接待は控えて欲しい。今の時代うるさいだろう。 それでだな、今回、位相世界の娯楽が少ないから、起ったと思える部分もある。 位相世界の上位神の暇つぶしと言ったら、地上の様子を永遠と見続けるか、もうかれこれ1億回以上行っている同じ温泉とか入ったり。毎日変り映えしない同じものを食べている訳だな。位相世界の暮らしは、はっはっは、地獄だと思わんか?」


あ、客先の自虐ネタ。

ここは、笑ってはいけません。失礼に当たります。


「小雨様、笑えませんよ」


アリエノールさん、やるなぁ。

「はははは、小雨様の言う通り~!」 見たいな太鼓持ちタイプが出世するものですが。

流石、小雨様。自分の周りに置く人材を分かっていらっしゃる。


「現に啓示神、制裁神達は、旅館から帰ろうとしなかっただろう。啓示神の毎日は、頭のアンテナに自動で仕事を任せて一日中、地上の様子の動画三昧だ。人間で言ったら、病気だな」


そうでしょうね。あのタイプは、基本、家から出ません。

たまに、とち狂ったように趣味への行動力を出します。

そう、使っちゃいけないお金を使ってまでやります。そして、会話での説得を試みますが理屈が通じないので、思わず手が出ます。


転生前の暴力シーンの記憶が脳を焼いてくる。


「あああああああああ!」


お菓子を持ってきたポムさんが、ビクッとする。

芋饅頭とコーヒーをコトッと置いて、受付に戻って行く。


「失礼しました、コーヒーをどうぞ。あ、力作の芋饅頭です。どうぞ」


「ありがとう。 で、そうそう。 これなんだ。ここの旅館の、思い出のお茶と、ほろ苦い記憶のコーヒーと、なんか目新しい食料を位相世界でアンテナショップを開いて商品を置いて欲しい。 と、制裁神、破壊神、啓示神からのお願いでな。 あいつらここに来て、気づきを得たのか。直接、我に伝えてくるようになった。制裁神が、啓示神を使って直接語り掛けてくるんだ。 職権乱用だよな?」


アリエノールさんが、続けてくる。


「ショウタ殿、このお茶と、コーヒーは、凄いです。最高の嗜好品。これはどの世界でも売れると思います。 そして、運命の分岐に飛ぶお酒の方は、依存性が異常に高いので、今回は候補から見送らせて頂きたいと思います」


おおう、褒められると照れてしまいますね。

アルコールにうるさい時代ですからね、しょうがないでしょう。


「そしたら、この芋饅頭どうですか? どうぞ! 力作です。 丁寧に作りましたよ~。意外に時間が余ってますからね・・・。ああ、作成の過程の説明は無粋ですね。ささっ、どうぞどうぞ。 食べてください。食べた方の性格が、動物の形となって頭に浮かびますよ~。 これ話題として面白くないですか? 会話も弾むとおもいますよ!」


お二方とも、喜んで口に入れてくれる。

嬉しい物ですね。 旅館の料理で信用があるのでしょう。


「お~、うまいな~。 芋を使ったとは思えないぐらいしっとりとしている。 あ、おいしい。後味もおいしい。 そして、老いたライオンが見える」


「!! これは、おいしいですね! ま、デンプン、糖質、脂質が脳を攻撃して来るわけですから。おいしくなく作る方が難しいでしょうが。 あ、レッサーパンダですか? いや、なんですこの動物、尻尾が丸い、レッサーパンダ? 知らない動物も浮かぶんですか? 人間、怖いぞ」


あれ、たぬきですか。ちゃんと動物が浮かぶんですね。

自分、食べた時、浮かんだのが 『チュパカブラ』 でした。未確認生物ですよ。


「ショウタ殿は、なに浮かんだ?」 「チュパカブラですね」


「夜な夜な人家を襲うクリーチャーじゃないですか」


「「はははははは、マジでやばすぎ~」」


と、笑って流すぐらいの話題には、事欠きませんよね。


え? 笑って流してますよね? 怒るよ?


「これも繁盛間違いないと思う、どうだ。卸してくれるか?」


「もちろんですとも!」


「そしたら、都合見て位相世界の担当者の制裁神か、韋駄天が来る手はずだ。あ、韋駄天も紹介しなければな。 そしたら、商談成立だ。 頼むぞ~。 あ、少しの間、客が集まるまで位相世界の店に一緒に立って欲しいと啓示神からのお願いだ」


ぬあっ、そう来ましたか。


「しょ、承知しました」


「そしたら、商談終了だ。今日は、どうするかな。もう夕方か、泊まるかな。 アヤメの配信も今日は無いみたいだし。 あ、啓示の権能戻っているの知ってるのか? アヤメ達今何Fで何してるんだ?」


「99Fへ到達して、今、異世界を探索していますね。 あ、もう少しで夕方ですし、ぜひ弊社で夕食を! 会食と行きませんか」


「凄いな。異世界にいけるのか。そりゃ、配信出来ないな。 いいなぁ~、我も行ってみたいな」


「夕食ですか、いいですね。 あ、弊社でお支払いしますから、接待にならないようにお願いします。なにより、部下たちに示しがつかないですからね。 ショウタ殿、中華できますか? 中華がいいです」


承知しました。中華ですか。

異世界プランは、猫さんの担当ですからね、この話は、猫さんアヤメさん達が帰って来てからにしましょうか。


「小雨様も、アリエノールさんも承知しました」


「えっ、異世界だぞ? いけるのか? マジに?」


「嬉しいですね。期待しております。エビチリと、天津飯と焼き餃子お願いします。ピータンとバンバンジーが前菜で。後、回鍋肉と中華ハムは、大皿で下さい。魚は、油通しで。 肉は、子豚の丸焼きかダックでしょうか・・・。ぬぅうううう! 選べない、両方と言うのは素人です! あ、お酒は、会社に戻らないといけないので、今日は遠慮致しておきます。ジャスミン茶でいいでしょうか。それと、空心菜の炒め物、牡蠣系のグラタンをお願いします。会社経費ですから。代金を気にせず腕を振るってもらいたいです」


会食は、接待じゃないと? さすが官僚タイプ、グレーゾーンで攻めてきますね。

そして、エビチリ、天津飯、焼き餃子、中華と発祥違いますけども。

おいしいですし、仕方ないですよね。

アリエノールさん、高級中華のコースを存じてますね。承知しました。


どうぞ、どうぞ、異世界体験。小雨様は接待しまくりますから、明日にでもいきましょうか。

小雨様の異世界、私も同行しますよ。 小雨様は、どんな異世界の門が開くのでしょうね。



しかし!

そろそろ夕食の時間が迫っていると言うのに、アヤメ様達、遅いですね。

もう少ししたら迎えに行かないと、いけませんかね。 猫さんプラン大丈夫ですか?


あまりにも遅いと異世界の扉に乗り込んでやっちゃいますよ?



ながい

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