6 続ショウタ地球へ
さあ、旅館を設置しました! そして、従業員を召喚しましょう。
こちらから召喚の扉を開いてしまうと、『終焉』 とご挨拶してゲームオーバーの可能性があります。
招来して、向こうから召喚の扉を開いてもらわないといけません。
ダンジョン空間で、力を使うことはセーフだ。セーフなんだ。
人として生きていくことに、必要な経費でございます。
手を地面に置き、気合と全能の力を入れて召喚魔方陣を出す。
辺りから音が消え、静寂が身体を貫く。部屋の空間は火焔に満たされ。
規則的な六角形の歪みが浮上がり、光を吸い取った。
~我、数多の次元を超え、神を討ち果たすもの。汝資格があるならば、業を満たす我が招来に応えよ~
お仕事内容:
お客様の注文を受け取るだけ!! その他、席への案内配膳、片付けなど。多少のモンスター退治もお任せ致します。
何か不明な事があれば、サポートするので遠慮なく聞いてください!
アットホームな職場です!
求めている人材:
キマイラなど合成生物を、簡単に倒せる方! 召喚経験ある方大歓迎!!
学歴、種族不問!! ヤる気のある方ぜひ来てください!
戦い方など貴方の求めている力など相談に乗れます。
お気軽にお話しくださいね!
業務体系:
シフト制 休日週1日 自宅に帰る際の次元間の行き来に交通費がでます。
時給 1500存在値~魔力支払いも出来ます。3食、住み込み部屋つきます。
制服(装備品)は、実力をみて支給致します。
選考プロセス:
増員のため、先着順で優先致します。
面接時の服装は自由なのでお気軽にお越しください。
貴方にお会いできるのを待っております。
次元渡りの情報が満載! 貴方の戦い方をサポート致します!
・・・なんかブラックっぽいな?
まぁ、求人なんて深く考えればそんなイメージになるもんか。
招来魔方陣を出してからまもなく、反応がある。
大地の生命の魔力だ、かなり高い知性の反応が魔方陣から出ている。
フワフワ浮いてるネコの様だ。
ケット・シー族。精霊ネコだったか・・・?
よし、合格だ。営業時代役職があった時の身体が覚えている。
面接の時間だ。
シュポン! と空気転送の様な、音を立て魔法陣の前に浮いてる大きめのローブを着ている猫さんが召喚された。
「本日は、遠い所、お越し頂きまして!ありがとうございます!!
召喚による次元の摩擦の中、大変でしたね!! お座り?ください??
ネコさんをよく見る。
緑の息吹が辺りをつつみ、フワフワ浮いたローブを来たネコさんだ。
獣人系かな?
「我が名は、ネッコ・シルフィールド・アマンダス・シルガノ。サイゲリウム星、ネコール王国のネッコの血筋の男爵にゃ」
挨拶、品格よーし!! ネコさんと言う所が非常にいいですよね!!
格好や、可愛いからとか言葉では言えない。かわいいから採用!など、口に出したら、この時代、社会、企業的に抹殺される。タブー中のタブーだ。
コンプラうるさいからね。
あくまで建前は、ご縁があったとか、面接したら良かったなど。
曖昧な言葉で、真実を隠さなければならい。世間に、抹殺されたくなければな。
ネコさんが、ふわふわと浮き、そして話しだす。ふむ、重力魔法を納めてるのか。
加点ポイントです。
「こんな、招来するだけじゃなく、仕事ないようの説明をしてくれる召喚なんでまずないにゃー。マスターは、優秀な召喚士にゃー。あと条件もいいにゃ、雇ってくれにゃ。魔力払いがいいにゃー」
ネコさんってだけで人間受けがいいもんな。採用だよ採用。
なぜ、大手企業の受付が、学歴があり。美人なのか。
そう。美人なのは、たまたまなのだ。そう。たまたまなのだ。
世の中ってクソだよな。なぜ明日、世界が滅亡しないんだ?
「これはこれは、ネコさん、お越しいただきありがとうございます。貴方のような人材。まっておりました。よろしければ、一緒に働いてもらいたい。貴方から力を感じる。 ぜひ、実力を見せてもらって即採用としたい。」
ここの奥のモンスターを倒してもらいたい、よろしいですか?
「承知したにゃー」
進んでも敵が出現しないのでの最奥へ進み、魔方陣が出る階でゴリラライオン筋肉ドラゴン合成生物みたいなのが出てきた。
力や物理事象だけの強さでは、雑魚モンスターだよなぁ。
「あー、すみませんね。こんな雑魚敵で。力を少し出して戦って頂けますか。あの~、実力を疑ってるとかでは、無くて、モンスターが少なくて・・・。」
超ゴリライオンは、口から火と雷と地震を起こしながら、ネコさんに殴りかかってくる
「雑魚ではないにゃー?! 攻撃力だけ高いにゃ。 まぁ、敵では無いがにゃー」
フワフワ浮く猫さんは、浮いている杖を手にとり、圧縮した魔力を放出した。
光線のような魔力の奔流が敵を穿つ。
「ギュヌユウウン」 いい音だ。
ゴリライオンに穴が空き、そして塵となりその場に魔石を残した。
「敵の強さに比べたら、大きい魔石を落とすにゃー。でも色が悪いにゃー、つまり、ここダンジョンなのかにゃー」
え、魔石ドロップとかあったの。知らない。
あ、貴方の稼ぎなので魔石は、差し上げます。そして良ければ契約致しましょう。
「これから、よろしくにゃ。ご主人様」
ネコさんの肉球と握手をし、契約を交わす。
これにて、雇用開始です。
まずは、食事にしましょう。
それとネコさんのお部屋ですが、旅館の部屋たくさんあるので使ってください。
後で、装備を渡します。魔力、先払い致しましょう。手を握ってください。どうぞどうぞ。
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ネコさんと客を待ち、3か月が立った。
客が1人も来ないで3か月だぞ???
いやいや、何が悪いんだ??
なぜ客がこないんだ?ダリア次元で言う、冒険中級者がこれるところじゃないか?!!? なぜ?!
15Fは、あんなに繁盛してたじゃないか?!!? 外装か!? 建物の作りが悪いのか?!
なんて考えてると
近場の階のモンスター殲滅からネコさんが戻ってきた。ちょうど、昼食の準備が出来たところだ。
あれから、ネコさんの支給品に護符を渡している。
疲れたら、一日一回疲れてない状態に戻す効果だ。
「戻ったにゃ。本当にぶっ壊れた護符性能にゃ、鑑定を掛けても意味が分からないにゃ。それとご主人。護符の説明文が怖いにゃ」
疲労反転の護符:
【貴方が疲れた時、代わりに疲れてくれる。貴方が倒れそうなとき、きっと誰かが支えてくれる。
支えてくれる人は、見ず知らずのおじさん。「おい、君大丈夫か!しっかりしなさい」 そこからは、恋なんて始まらないよ。若者よ、絶望しなさい。支えてくれる素敵な出会いなんていないんだ】
「いやぁ、怖くないよ。怖くない。現実は、そんなもんだよ。」
適当に答え、パスタを盛り付ける。
「さぁ、ご飯ですよ。 アレフガルドの天界で引いた小麦をパスタに仕上げ、現実改変を攻撃としてぶち込んでくる巨大生物を活〆したサバ? と 二足歩行で走り回るニンニク? と、火を噴き収穫者をけん制する地獄唐辛子のパスタだよ~」
無限アイテムボックスから、取り出した材料だ。まだこの地球でとれた食材は無い。
たまに、出汁を取るためモンスターの骨とか肉が欲しいので、生きたまま、モンスターを持ってきてもらっているが。
「ご主人のご飯は、本当においしいにゃ。今までの飯は、なんだったのかにゃ? と思えるにゃ」
フワフワとネコさんが席に座る。
あつあつのパスタを念動力でフォークを動かし口に運ぶ。
「うんんんんんんまあああああああああああいいいいいぃいい」
「サバ!鯖!! この鯖やばいにゃ。意味わからんにゃ。うますぎて階位あがっちゃうにゃ」
これぐらい喜んでくれると、作りがいがあるね。
ネコさんは、ほめ上手だ。いい旦那になるだろう。
「で、ご主人。そろそろ聞きたいことあるにゃ。客について聞かないといけないにゃ」
「ハハッ。だめです。予想がつきます。私のマーケッティングと立地は、完璧。商戦で間違えなくたたかえまぁああああ!!!!」
「そうにゃ。客はどこにゃ?」
「あああああああああああああああああ、お店には、超新星エリクサーも頂点ネクタルも用意しております!!!! 人類の夢の形をしたアイテムですね!! ああああ、でも商品のラインナップが良くないかなぁあ?!! 種類増やした方がいいかな?!! やっぱり、(振れば星散る、極道の刃)みたいな目を引く破壊的商品が必要だろうか?! 」
「あ、では無くて、客と言う母数の話をしているにゃ。」
「アニマル!! どこでそんな言葉覚えたの!!?! ご主人悲しいわ!!! 毎日仕込みを終えて、早3か月、時間凍結のアイテムボックスにたまりにたまった、料理ストック!! そもそも客はどこだ!!!! もう、人権無視して捕まえてくるしかねーぇかなぁ! 」
「お、お、落ち着くにゃ、ご主人は、人間でありたいと願ったばかりにゃ。星が、ひれ伏すほどの圧倒的暴力に頼るのはよくな・・・ にゃむにゃむ・・・ 力に頼るのはよくないにゃ・・。もう少し様子を見るにゃ・・。 しばらくは、モンスター狩りつつお客さんをみつけてくるにゃ・・・」
「あ、すまない。 完璧な立地とマーケッティングだが、なぜか周辺から店の形が浮いていて客が入らないイメージがあってだな。 やっぱ、店が奇抜なのだろうか。悪目立ちはよくないよな・・・」
「お願いだから、客と言う母数の話をきいてくれるかにゃ?」
「お断りします」
今日もダンジョンの月は、明るくてきれいだ。永遠の命があってよかった。
何度も商売で成功を納めた自分が、客の読みを間違えるはずが無いでしょう?
そうそう、ネコさん逃がないからね。
逃げたら、君の次元まで追うからね。そして、全てを破壊し自分も消えよう。
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「ご主人客にゃああ!!!!!あああああ!!!お客さんだにゃああああ!!!」
食事を終え、ネコさんがパトロールで、曲がり角を曲りダンジョン通路に入った瞬間そう叫ぶ。
分かる。分かるよ。
客がくる夢は、ここ最近よく見る。寝る必要が無いと言うのにだ。
客が来る、夢を見る。
「ネコさん?そのお客さんと言うのは、あなたの妄想ではありませんか? そのお客さんは、あまりにも客がこなさ過ぎてあなたが生んだ、妄想のお客様かもしれません。また、意外にも虚空の客。虚数空間に住む人の形をした何かの可能性があります。モンスターは、お客様では、ありませんよ?」
自分も店を出て、曲がり角の通路に向かう。
ここには、虚数空間の黒い住人が出るのか?
時間凍結、次元の歪、時間の巻き戻し、確定観測の未来変更。など時空関係の歪みを発生させまくると、出てくる中々の強さのモンスターだ。対象を完全に消滅させ、時空間の矛盾を調整しようとしてくる。
ネコさんなら、倒せるとは思うが。
「なんで正気を疑われてるのかにゃ? さっきの客に関する会話は、なんだったのかにゃ? でもまだ、お客様候補にゃ」
「ああああ!!?猫さんがしゃべった!!!! あえええ?!」
日本語!!!? 日本語が聞こえる!
「あああああああああああああああ!!客だああああああああ!!お客様だああああ!!?」
落ち着け。まずは光速で、現場に急行だ。
即、ネコさんの隣に着く。
目の前には、人で女性の形をしている者が叫び散らかしていた。
彼女は、魔力が込められてる白とも取れるベージュの学生服に淡い紫の髪。
黒いスカートに、スパッツ。そして、二本のなまくらの剣?
間違いなく冒険者の格好をしている。15Fでこんな格好の人たちをよく見たのを覚えてる。
よし! 店に来てもらうため、ここからが勝負だ!!!
ネコさんが、ファーストコンタクトを取る。
「お嬢さん。ここには、お店があるにゃ~。寄ってってくれないかにゃ~」
ネコさん!ナイス!!!
そのフワフワと浮いて相手の正面に立ち、まず、歩いている相手の足を止める。
ネコさんは、かわいい。マスコット的なキャラクターをしている。
フワフワと浮き目の前でキャットトークを始めれば、まず聞いてくれるだろう。
超有能!! 今の主役はネコさんだ。
自分はオブサバーに徹する。
「すぐそこにお店があるにゃ~。そこの角を曲がった所にゃー。お嬢さんが望む者がおそらくなんでもあるにゃ~、このままよって欲しいにゃー」
と、客引きのような誘導トークをしている所に、後ろから筋肉ゴリラライオン鶏の合成生物みたいなのが、ドスドスと後ろから走ってきた。
接客中の邪魔者に対し、ひざびざにキレそうになった。
刹那、ゴリライオンの目の前に移動し、触れる。
・・・ゴリライオン、貴様、許さんからな。
ガラスが砕けたように、ゴリライオンが パキン!と砕け落ちる。
ゴリライオンのガラス片がそのまま塵となる塵がダンジョンに還ろうとする。
だめだ。許さねーからな。
そのまま、魂の塵を縛り上げる。
ゴリライオンよ、永劫に痛みに苦しむこととなるだろう。
それを見た、一匹と一人がへたり込み座る。
「にゃああああ?!凄すぎるにゃああ!存在を砕き、魔力に変換される所を禁じて、魂の存在を縛り上げたのかにゃ??! なんという魔道の極地にゃ?!!? ご主人?!!?」
「ああああああ?!実は、私もう死んだの!? ここがあの世?!!? 何がどうなってるの?!!?あの世はこの世!?!あああああ!!!?」
おちちち、落ち着いて!!
「あああああ!!!すみません!すみません!!! お騒がせ致しまして!! 驚かせて申し訳ない!!」
「自分、こ、この階の店主をしております! まずは、落ち着くためにも、こちらに、どうぞどうぞ!!こちらへどうぞ!!!!」
よくわからない内に、店に連れて行こう。