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47 ショウタ反逆される

閲覧感謝です



ショウタ


さぁ、啓示神様。流行のラーメン出来上がりましたよ。


「いかがですかね? 啓示神様。 高く積みあがった、もやしの様な物。上から掛かる背油と大量のニンニク。 そして、魔法の白い粉が主役の理性が無くなるスープ。出汁は、ダンジョン産のモンスター。完璧な不道徳なラーメンです。啓示信様、現地の方の意見が欲しい。さぁ、ご試食下さい」


実物を見て、かすかな転生前の記憶を思い出した。


小さい器に天までそびえ立つ、もやし。 圧倒的ボリューム。

見ている人に、『えっコレ食えるの?』 と、口に出した瞬間、店主が笑顔になる。 

店主の 『この反応が欲しかったんだよね~、この反応ためにやってるんだよね~』 と言う、店主のサイコパス感。 

自分は、忘れない。あの時の邪悪な店主の笑顔を。


「えっ、私、こんなの食べないわよ。食べきれないわよ。 死んじゃうって」


何言ってんだ? お前。 お前が流行っているって言ったんだぞ。マジに責任とれや。


啓示神の頭についてるアンテナを掴み、ラーメンの器に叩きつけようとする刹那。


「待って待って!!! ・・・・ほら! もう一度、画像見て! 肉塊が足りてないでしょ! 煮込んだチャーシューはどこ行ったの?! まだ足りないじゃない! まだまだ乗ってるわよ!」


おいおいおいおいおい、正気なのか、まだ乗せるのか。

バベルの塔、天高くつみすぎて神の怒りを買ったのを知らないのか?

神への挑戦だぞ。大丈夫か?


震えながら、肉塊チャーシューを乗せる。

もはや城塞だ。中世の城塞だよこれ。

神への反逆。圧倒的不敬罪。


マジ、食いきれるのか。 おいおいおいおい。

・・・啓示神様、半分にしない?


「そ、そうね、半分こにしましょ。 いや、半分でも食べれる? マジに?」


やるしかないのか・・・、頂きます。


ーー


あー動けん。動けん。 食いすぎた。


おい、啓示神、もといワールドレコードの神様、大丈夫?


「ダメかも、動いたら辺りにキラキラ出しそう」


そうか、ダメか。

キラキラ出したら、お前を空のキラキラにするからな。

まぁ、物凄い満足感は、あった。


二人して、ラウンジのソファーで、座り込んでいる。


「で、どうする? 今日泊まる? 啓示神様、お金ある? お金がなきゃ、接客終わったら送りますから」


パーカー姿の啓示神が、ごそごそとポケットを漁る。


すまん、それ部屋着だよな。

でも、世界記録担当してるなら、部屋着やめてくんないか。


「ああ、小判1枚でどう? これしか持ってないのよ。 私達、あまりお金必要ないのよ。 あ、うそだわ。 監視逃れて、スパチャ代で使うのよ」


スパチャ?? うーーん、小判だと、1泊だけですね。


「えぇ~、貴方が呼んだんでしょ? いくらか安くしてよ~。 色々検索したじゃない~。ここに居たいのよ。わかるでしょ? 永遠の神々の憂鬱って言うか、ここに居ればアヤメちゃんと会える可能性があるんでしょ? そうでしょ?」


あー、苦手ですね。このタイプ。

2,3日で帰しましょう。


「承知しました。特別です。2、3日で帰ってくださいね」


「ありがとー!!! 何?! この施設好きに使っていいのね? 元取るわよ~。見ててね~」


ああああああああ、ちくしょう。

長く生きてるのに品性って物をお持ちでない?

召喚失敗した。

こいつが何かやらかしたら、即処分しよう。 頼む、何かやらかしてくれ。

食べ放題で限界に挑戦する、困った系の客だ。


どうしてくれようかと頭を悩ませている所にフォンフォンフォンと連絡の音だ。


「ご主人~、今からいくにゃ~。もうつくにゃ~、覚悟しててにゃ~」


おお! 猫さん、承知しました! 覚悟しておきます! 何? 覚悟?? 覚悟ですか??

もうとっくに覚悟は済ませてますよ。

ひび割れた次元を救う時に。

魂。いや、魂を超えて、完全なる否定と対峙する時に。

覚悟以上の慟哭の叫びを、済ませています。


あー、啓示神様。 ラウンジに居てください。

お客様の接待がありますので。邪魔になったら消し、いや、邪魔してください。お願いします。消したいです。


「何言ってるのよ? 実際にアヤメちゃん、目にしたら、緊張して喋れるわけがないじゃない。 こう見えてシャイなのよ。 ポムちゃんも居るんでしょ? 絶対に緊張して、喋れない。私、キモくなるわね。 伊織は、まあ、いいかな」


何言ってんだ。迷惑かけたら消すからな。


さぁ! お客様です!


ピロポロピローピロポロポー


来客を告げるチャイムが鳴る。


蒼いオーラを纏まとい、学生服の様なベージュの服。アヤメさん。最高ですね。自分、アイドルとか転生前は興味なかったんですが、これ推せますね。


ミスリル装備の伊織さんが・・? アヤメさんに背負われていますね。 致命傷か何かですか。


む、猫さん。強くなりましたね。 宿命を超えましたか。何か宿命ありましたか??


そして、ポムさん。 へぇ・・・・、そういう事ですか。 面白い。私の意向を望まないと。


「いらっしゃいませ! アヤメ様! 伊織様! まずは、チェックイン致しましょう!」


その言葉を言ったかどうか。

猫さんが、前にズイッと出てくる。


「ご主人、受けてくれるかにゃ? 吾輩との戦いを」


あらあらあら、猫さん。 良くない。良くない。

エントロピーを超えて調子乗ってますね。いけません。いけません。


「あーなるほど、観測できるんですね? 自分を。 どうです猫さん、異世界転生転生転生者の力。凄いでしょう。 戦い構いませんが、どうします? 自分が勝ったら、猫さんの次元を破壊し、散った猫さんの血族も消滅させますよ。 そして、血族の関係あった星も全て壊しますけども」


「安心したにゃ。吾輩の観測結果よりひどいセリフが出てきたにゃ。 ちょっと勝てないかにゃ。 そして、後ろにお客様かにゃ? おかしいにゃ・・、ご主人にお客様はこないはずにゃ」


啓示神がビクッとラウンジの観葉植物の後ろに隠れる。


何々? 啓示神、本当に人見知り? 何?

お前、めっちゃ喋ってたじゃん。 めっちゃ喋ってたじゃん。


あー、そういえば自分、神に好かれる性質あったわ。そういえばそうだわ。

ミンチ転生されるぐらいに、な。


猫さんの周りに蒼の魔力が渦巻く

入り口の観葉植物がバサバサバサと激しく波打つ。


「そしたら、ご主人一撃、だけ受けてくれないかにゃ? 吾輩の力が、届くか知りたいにゃ」


うーん、そういうの間に合ってるんですよね。アヤメさん、伊織さん、ポムさん人質にしましょうか。

かなり効くでしょう。 戦いってのはね、そういうのじゃないんですよ、猫さん。


言葉も法則も全て通用しない、異形の生物を相手にしたことありますか?

負けイコール、全ての消失。 そんな戦いに美学を背負うものじゃない。


さて、教育が必要ですね。

まぁ、いいでしょう。先に、猫さんの星から破壊いきましょうか?

招来のパスが繋がっているから、頑張れば飛べるでしょう。

そして、必死で抗うでしょう。


さぁ、いきますよ。 初手、【全能:時の拘束】から入ります。

幾星霜を超えた、全能の力をご照覧あれ!


「ネコさん~、蛮勇は~・・・・。うーん、これ、ネコさんの命を助けると、テンプレって言われてしまいますか?  一回、ネコさん退場するべきですか~? 伊織どう思います?」


「あ、気づいてたのか、アヤメ。 背負われるのが、何か心地よくて・・・。 うむ、仕方ない犠牲だ。 さようなら、ネコアニマル。 まだ、霊薬あるから逝っても大丈夫だ。 ネコは蘇生後、暫く借金生活だな。だが、すぐ返せるだろう」


伊織さんを背負っている、アヤメさんは戦闘様子見ですか。


「いやいやいや、私は戦いますよ。 猫様につきます。 私のアヤメ様と、あー、伊織さん。霊薬お願いしますよ! 絶対にお金返しますから!! 何でもしますから!」


あれ? ポムさん戦うの? 猫さんとポムさん? まぁいいでしょう。


―――


フォンフォンフォンフォンと、ランプが点灯し来客を激しく知らせてくる。


このタイミングで来客?


運命のスペクタル、最高の見せ場だってのに。

ここで二人を生かしたら、テンプレって言われてしまいますよね。

まず、猫さん、ポムさんを確実にヤっちゃいましょう。 グロくやっちゃいます。

どうせ、蘇生できますしね。


『ねぇ、ショウタ。ありきたりじゃなくで意外性で、死ななくて上手くやって欲しい』


啓示神、お前ふざけんなよ。このタイミングで脳に直接伝えてくんな。

何その、投げやりな善への引き戻しのセリフ。

脳に啓示やめろ。普通に話しえて伝えろや。

そもそも呼び捨てやめろ。 さっき会ったばかりじゃん?

何? その距離感。 絶対に三日後、追い出すからな。


そして、ブレスレットの気配を確認する。

お? これは・・・・、小雨様・・・・?


ーー


猫さんが、機を得たりと話してくる。


「うーん、ご主人、ここに神々の軍勢が来てるにゃ。感知したにゃ」


「あ、ほんとですね。凄い神々来てますね」


自分の力、【全能:全知】 で全てが分る。

あ、全能の力止めないと。


でも大丈夫ですかね? 神様達、ダンジョンだと能力制限されますよ。

何か凄い人数の冒険者と神々が入ってきている。 小雨様が率いておりますね。

どういう事でしょうか。

進行の様子。ビジョンで写しますね。 神々の進行の具合見てみましょう。


小雨様、マユミさん、舞さん、他の神々がビジョンに映し出される。

全力で、ダンジョンを踏破してきている。


来客しに来てるみたいでは、無いですね。どういうことでしょう。


ネコさん。

小雨様方とか、全員集まってから戦いでもいいですよ。

最高のアトラクションになりそうです。少し待ちましょうか。


啓示神が、ソファーに隠れながら脳に話しかけてくる。


『ショウタ、助けて。これ、私を取り返しに来てる。私の啓示の権能を取り返しに来てる』


マジに何だ? 啓示神、厄ネタすぎる。何? お前のせいなのか? 

誰だ、連れ来たのは・・・? あれ? 自分じゃん?


ああ。世界の理の権能が、位相世界からずれたからか。

地球で啓示関係の力が使えなくなっているのか。

やらかしたかもしれない。まずいな。


『ショウタ、私はどこにいればいいでしょう。 ケータイの電波入る所に置いてください』


「あー、猫さんごめん。 戦い後でね。キレそう。そして、ちょっとやることがある。ああ、攻撃してもいいですよ。まだ、無効化できますから。 ここで差を感じてもらってもいい」


後ろを振り返り、ラウンジの方を見る。ガラス張りで足元には、小川が流れている。


いつもなら、風流を感じさせるはずだが、脳に直接喋りかける存在のせいでそれどころでは無い。

先ほどまで観葉植物に隠れていた啓示神は、またソファーの影に隠れている。


さて、アンテナ系女子、つまり電波系女子だな。

・・・元カノ達を思い出す。

なぜ自分は、上手くいかない付き合いだと分かっていて付き合うのだろうか。

一緒にいてもお互い傷つくだけだ。転生前のトラウマが叫んでいる。

さぁ、追い出そうか。お互いそれでよかったと思える日が来る。

哀愁と怒りの形相で啓示神の前に立つ。 


「あああああああああ! ショウタ! 契約はなされましたね!! 代金は払いましたあぁあああ! 払いましたあああああ! 連れてきたのは貴方ですぅうううう! あああああ!アンテナ放してえええ!」


思わず、がっしり掴んだ啓示神の頭のアンテナを放してしまう。

そういえば、客だったわ。


権利を盾にしてくる行動、なんと腹立たしい。


『ショウタ、私はどこにいればいいでしょう。 私は、客です。守ってくださいね』


マジ、ミンチにしてぇ。

自分は、膝から崩れ落ちた。

この神、メンタルどうなってんだ。


めんどくせえなあ・・・。 そしたら、敵対する神々達やっちまうか。


「あ、伊織。マジヤバそうですよ~。 あと、背中から降りて? さ、宿帳に書き込みましたよ。ショウタさん」


「私も書いたぞ。 後、宿泊ノートにも書いたぞ。私のデフォルメ絵だ。可愛いだろう」


アヤメさんが宿帳を見せてくる、そして、伊織さんが宿泊ノートを見せてくる。


・・・・・・・。 あ、意外に可愛い。絵上手いですね、伊織さん。


さて、どうすっか。 


「あー、猫さん。やります? いつでもいいですが。1回目なら、誤射かもしれない。今、それどこでは、無いですが。神々の軍勢どうしましょうか」


ネコさんの闘志が無くなるのを感じる。


「・・・・・・届かないかにゃ。ご主人、契約は守るにゃ。働くにゃ」


宜しい。


さてと、ポムさん? やりますか。いきますね。

意外と短い生涯でしたね。


「あああああああああ! ご主人様ぁあああ! なぜ私だけ?! ああああご主人様!!! お許しを、ぁあああ!! 寛大なご慈悲を!! なにとぞ、なにとぞ! あああああああああああ!」



閲覧ありがとうございます。


毎日これは、無理でした。投稿ペースを変えます。

今後、色々試しながらやっていきます。


何は、ともあれ閲覧者の皆様お付き合い頂きありがとうございます。


今後、この作品に推敲を掛けて、他サイトにも上げながら週末に投稿できたらと思います。

次からはもう少し上手く書けていけたらと思います。


今後も、自分の面白いを出力できたらと思ってます。

この1か月の間、毎日のお付き合いいただきまして

ありがとうございました。


そして、更新がこのように不定期になります。

貴方様。ブックマーク、お忘れではないですか?

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