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46/95

46 アヤメ配信不具合

行間、テンポ 規則性。





61Fで地響きを感じさせる重量の超ゴリライオンと遭遇です~! 


前は手も足もでませんでした!

ですが、今はLVが上がりまくりまして、スキルが何か激しく強くなってます!

強さの確認のためのステータス画面は、開きたくないので開きませんがぁあ!


ーーーー


来ましたよぉ~! 超ゴリライオン!

私の心のわだかまり。モヤモヤと決別の時。


「視聴者の皆様、見えてますかぁ~? 60Fボスと同じ強さの気配。超ゴリライオンさんです~」


閲覧中の皆様に、語りかけています。


超ゴリライオンが、ズズン、ズズンと地響きを響かせやってくる。

大木より太い左右3本の腕、ライオン、ゴリラ、鶏の3つの頭の邪悪な風貌。

筋肉二足歩行をし見上げるような全長。胴、足、とにかく筋肉がモリモリだ。

にじみ出る強者オーラ。凄い圧力だ。


ゴリライオンの3つの顔がニヤッと笑っただろうか。


【これ、あかんやつやろ】


【あっ】


【リアル怪物ハンターは、やり直しないんですが。そのへん大丈夫ですか】


【あんなん殴られたら、グシャッといくやろ】


【伊織さん、あのモンスターの攻撃受けるんですか? 恐怖の遺伝子お持ちでない?】


【いや、60Fの帰還陣で帰らないんですか】


コメントも荒ぶっています。

私も最初コレ見たとき、狂ってると思いましたもんねぇ~。


でも、今は行けそうです。

ゴリライオンの気配が弱い! と思うのですが・・・、この奥の住人の方がおかしいんですよね。

よく考えるとポムさんもゴリライオンより、強いですからね。


「伊織、良いですかぁ~? アイテム全部使いますよ。最悪、帰還陣で戻れますからねぇ~」


「承知した。 これ、ミスリル装備無いと無理だったな。こんなの黒鉄で受けたら、ゴクシャアアアとなるだろう。まずは、属性石でけん制からいくぞ」


「承知!」


「加速」 「鉄壁」 私たちは、瞬時にアイテムを取り出し一節を唱える。


ドゴンドゴンゴンと重量を感じさせ走ってくる、ゴリライオン。

再び一節が唱えられる 「業火」 と。 辺り一面に、火炎の嵐が舞い、ゴリライオンを包む。


炎を振り払い、ゴリライオンの激太な腕から拳が繰り出される。

伊織は軽く後方に下がり、私は横に回るため前に出る。

何時ものパターンだ。 次の一拍で伊織が前に出るだろう。


ゴリライオンの拳が大地を砕く。 大地の石礫が銃弾の様に襲い掛かる。

装備の性能で簡単に弾くが、ゴリライオンの計6本の腕の連撃が始まる。


これミスリル装備じゃなかったら、ダメでしたね。


伊織目掛けて ドドドドドド と、筋肉の無呼吸ラッシュ。

大地が砕け、伊織の体がラッシュの度に地面に沈んでいく。

まるで杭打ちの様子を見ているかの様だ。


1分持ちませんね。即、決めないと。

「氷河」 「剛力」 氷結がゴリライオンを襲い、目くらましとなる。

そのまま、ゴリライオンの腕に近接し、3連撃で同じ個所を切り、腕一本切り飛ばす。


この体から、骨格を超えた動きはしませんね。 よかった。


ゴリライオンは、切り飛ばされた反対の腕3本でラッシュを仕掛けようとするが、反撃する時は下半身の足ががら空きだ。 


膝切り飛ばしますよ~。

一瞬だけ踏み込み前に出る、太い膝に連撃を加えそのまま足の間を抜ける。 そして後ろに出た。


そうすると、バランス崩しますよね~? 「伊織! 頭が降りてきますよ! 勝機です~! 雷を!」


「雷よ」 グラリとバランスを崩した、ゴリライオンに荷電の嵐が襲う。


雷は、一瞬敵をひるませる。 脳からの指示を止めれるのだ。


ズズンとゴリライオンが片膝をつく。


ハイ~!ちょうど降りてきた、切りやすい首です。

2個もらいますねぇ~!!


地面を蹴り、首に飛びあがり上下に6連撃をかぶせ、鶏とゴリラ部分の首をごろりと切り落とす。

噴水の様に血が吹き出でて、辺りに池を作る。


だが、これで決まってない可能性がある。ゴーレムで痛いほど学んだ。

一度、反撃を恐れひとまず引き飛ぶ。


ザクッ、ザクッ 伊織が盾を収納し両手槍で攻撃できる手を刺している。血しぶきが舞う。


伊織は、直撃してもフルアーマーなら耐えれそうですもんね。

一度頼みますよ。


ゴリライオンは立ち上がろうとし、残っている手を降りまわす。


まだ、終わりませんよ。

「火よ」 属性石を取り出し、遠距離で攻撃する。


ミスリル装備の伊織なら、巻き込まれても大丈夫です。

影響はありません~。何よりいつもの事です~!


「ゴアアアアアアアアアアアアアアアア」 

火炎で包まれライオンとなったモンスターが叫ぶ。断末魔だろうか。 


まだまだ、安心しませんよ。

最後の首があるじゃないですかぁ~。その首、落とすまで安心しませんから。


火が消えると同時に宙に飛び出し、正気を失った最後のライオン首を切り落とす。


ズズン! ゴリライオンが倒れる。


頭3つ無くなったモンスターを光が包むとともに、ドロップアイテムが地面に転がる。


「「よし!」」


【すんごごごごおごごごおおおおおおお】


【あああああああああああ】


【祝 映画化決定!!!】


【ああああああああああああいいいいいいいい】


【ミンチ・・・どこ? ここ・・・?】


【伊織さん。杭みたいに叩かれてましたが、無事なんですか】


やりました~! 皆様やりましたよ~!


伊織がスポドリを飲むが如く、ごくごくとポーションを飲んでいる。


「伊織~、やりましたね~」


「ああ、やったな。 でもこれ連戦きついな。消費が激しい」


そうですねぇ~。しかし、どうしましょう。 もうアイテム無いので、先進めません。


「今回ここまでですね~、帰りましょうか」


「ポム・・・。 そうだな。無理は出来ない。あれの連戦をアイテム無しとか、ありえん。帰ろう」


本日、解散ですぅ~。おつかれっさまでっしたぁああ~!

さて、戻りましょう。


でも、ビンビンと私もスキルが反応してます。 ネコさんの気持ちが少しわかってきました。

ビンビンと何かが起こる予知を発しています。


でも、先にいけないですから! 無理ですって! 本日終了ですぅ~! ああああああ! 脳になんか危険信号が来てます!

なんか私、LV上がってスキルついてますね! でも無理ですって! 帰ります!


そうですよね? これで終わりませんよね?


だってほら。シュワワーンと前方が光ってます。 

また、このパターンですかぁ~?

もうプランの押し売りは、断りますからねぇ~?


シュポンと今回は、お二方。 ネコさんとポムさんですか。

もう驚きませんよぉ~!


・・・・!? って、驚きます!


少し先に、俯いたままのポムさんとネコさんが現れる。

ポムちゃんが、エルフ装備になってる。どういう事ですか?


俯いたポムちゃんが、両手で手を突き出してくる。

出現と同時に魔法攻撃の反応があった。


「ああああ!! アヤメ様、伊織様! ご主人様の信頼を取り返すために、ここで死んでください!! 私は、ご主人様に愛されたい!! 渇望する福音が目の前にあったのです!」


ポムさんの樹木の蔦が、地面からメキメキと生えてくる。

足から締め付け這い上がる、束縛の魔法だ。


なるほど?

ポムちゃん、その攻撃は想定済みですよ。パーティの時に見てたじゃないですかぁ~。


私は、ポンと宙に飛ぶ。

そして、伊織は回避が間に合わない。

ミスリル装備だから、拘束されても数秒で解除できるだろう。


うーん、ポムちゃん、猫さん敵になるんですか?

戦闘のプランとして、まず速攻でポムちゃんの首飛ばして倒して、猫さんとの戦闘は、避けて全力で帰還魔方陣に退避ですね。

追ってくるであろう、あのラスボスは、どうしょうもなりません。 

全力で逃げて私と一緒に世界が滅ぶなら、寂しくないですしね~。私、大往生でしょう。


私は紫剣を引き抜き、2本とも握りしめる。


「待て待て待て待て! アヤメ!ポム! 一発なら誤射かもしれない! ポム冗談じゃすまないぞ! さっき見ただろ!私が刺される所を。 アヤメはやる! 『ポムちゃんどうして!? あんな、に仲良かったのに!』 とか躊躇は、無いぞ! まず期待できない! やるときはやる! そこが最高にいいんだが。 ちょっとこっち来いって! いつものあれじゃない、真剣なんだ。ほんと真剣なんだ」


伊織が、樹木の束縛を解き、仲介の言葉を投げてきた。


そのまま項垂れているポムさんの所へ歩いていく。

フルフェイスの兜を脱ぎ、伊織のポニテ―ルがフサッと出てきた。

そのままポムちゃんの手を握り、洞窟の端へ連れていく。


あれ、やらないんですか~。 うーん、あれは誤射かもしれません・・・か。


ネコさんが項垂れながら、話しかけてくる。


「この星の労働って、楽じゃないにゃ~。 中間管理職がこんなに大変だとはにゃ~」


うーん。どういうことですか? 攻撃されて黙って居られませんよぉ~。


「ネコさん、どうなってますかぁ~? 私、敵対者はモンスターとして処理するんです。 ここダンジョンですからねぇ~。 法の光が届かない場所ですからぁ~」


フワフワしていた猫さんは、地面に降りる。

何か二足歩行をしていますね。


「何か疲れてきたにゃ~。でも契約があるからやめられないにゃ~。 吾輩の次元が人質にとられているから、やめられないにゃ~。 絶対に破壊されるにゃ~。 アヤメ殿どうしたらいいと思うにゃ?」


猫さんは、二足歩行で、てくてくとこちらに歩いてくる。 シュールだ。


「ポムさんは、愛情不足にゃ。 創造主からの愛情不足の情緒不安定にゃ。 世の中には、愛が必要、アヤメ殿は、そう思わないかにゃ? そして、許して欲しいにゃ。 そうじゃないと、吾輩が相手することになるにゃ。 少しお話しようにゃ」


私は、猫さんをじっと見つめる。そして、猫さんもじっと見つめる。


「分かりました」


「助かるにゃ」


そして、少し奥の暗がりがうるさい。


「首が飛ぶってポム。『コロリと転がり、生気の無い目が、ただ私を見つめていた。』 って、バッドエンドになるから。 ポムが、魔法見せた時点でだめだ。アヤメは、ああ見えて色々考えてるんだって。戦闘の天才なんだから。 ありえないタイミングで拘束を避けられただろ? ヤるなら今じゃないって。な?わかるだろ? ポムの方が強いのは、分る。 でも、強さってなんだ? 色々あるだろ?そうだろ?」


伊織が、洞窟の壁に手を付き、ポムちゃんと見つめあい熱弁している。

ポムちゃんは、自身の後ろに手を回し胸を突き出す様に、余裕をもって伊織を観察している。


伊織、一度見た技を食らうのは、愚かですよぉ~。

そして、いずれ、戦うこの日が来ると思ってましたよ。かつての友プラ~ですねぇ!


「あ、伊織さん。色々な強さですか。すごく良い事を言いますね。でも、ぜんぜんダメですね。よわよわです」


ポムちゃんが一瞬のうちに、壁に手をついた伊織の手を後ろに回した手で跳ね上げ、伊織の脇に腕を差し込み、グルッと体位を入れ替える。


一呼吸で伊織の体位を入れ替え、逆に壁ドンを返した。


伊織が驚き、両手を壁に掌を当てて、後は無いのに壁に寄り添い後ずさっている。


「さっきまでの威勢どうしましたか、伊織さん。 愛もある、やさしさもある。 なのになぜ私に響かないのでしょう。 伊織さん、やっぱり必要なのは、強さじゃないんですか?」


そのまま、ポムちゃんの膝が伊織の股に入り込み、アーマーを着込んでる伊織の体を膝で少し浮かす。


あ~、これ、逃げられないですね。伊織の体位が死んでます。 逆わからせじゃないですか~。

伊織、意外と苛烈に責められると、純情ですもんね。 おっととと、攻められるです~。


「な?! ポム?!」


ポムちゃんが、フルフェイスを脱いだ伊織の首筋をいきなり噛む。


「ああああああああああああああああ?! あああああああああああ!?」


ここまでですね。伊織の負けですよぉ~!!!! 全身の痙攣やめてください~。


「「そこまでです」 にゃ」


白目を向いた伊織から、ポムちゃんの膝が離れ、伊織がゴシャアアアと沈み込む。


これはもう、伊織ダメですね。 帰ってこれますかねぇ~?!


そのまま、ポムちゃんが、静かに首を回し、暗い緑の目で私を見る。


「アヤメさん、なら愛してくれそうです。アヤメさん、私を身受けてくださいよ。ダメですか? 何でもしますよ」


「凄いおかしい、ポムちゃん。 ごめんね? 笑っていい? 愛が足りてない? アハハハッ」


怒り! 激しい怒りが、ポムちゃんから吹き出る。

緑の目は、紫色に染まり、地面は、ミキミキミキと異音を上げる。


お~? やる気ですかぁ~?

まぁ、でも私、やさしいですから~。 ポムちゃんこっちですよ。


「ポムちゃんいいから、こっち来て~」


黒の配信ヘアバンドを外し、動画コメントを、映し出す。

後ろにまとめていた、髪が前に乱れる。


「これみてください~!」


動画のコメントを映し出す。 当たり前のように、愛を伝えるコメントで溢れている。


【愛してます!】


【愛してますぅうううううう!】


【愛してます! 愛してます!】


【愛してます!!!】


【愛してます!!!!】


【愛しています】


【らぶゆー!らぶゆー!】


【愛してます!】


【愛してますよぉおおおお!!】


【ああああああああああ、この体ミンチになったっていい! 伝えないと! 愛してぎぇ】



「あぐっ、ぐひっ」


ポムちゃんが、視聴者の画面大に映っているだろうか。

手を口で押え、涙を流している。 額の蒼い宝石がきらりと輝いている。


色々な愛がありますからね。承認欲求もその一つでしょうかぁ~。

このご時世、毎晩愛を与え、毎晩愛を受け取ってませんか? そう、配信動画から。

愛の重さってものが、分かりませんが。 愛は、増えてもいいやつだと思います。

愛は、増えても減らない物です~。

・・・反転はしますがぁ。


「見事にゃ! アヤメ殿! 見事にゃああああああ! 宿命に打ち勝ち、己が運命を掴む選択にゃ! 絶望に打ち勝つための未来の見事な提示にゃ! 命短し定命の者、その短き命の火花! 現実に打ちひしがれた吾輩は、激しく力を得たにゃ!」


なぜか、猫さんがいつもより、高く浮き上がり、青の波動をとめどなく放射している。


「でも、ご主人このエントロピーに打ち勝つのを何回やったんにゃ。全然届く気しないにゃ~」


蒼く輝きを得た、ネコさんがいつものフワフワ状態に戻った。

そして、ポムさんの気配が変る。

憑き物が落ちたかのようですね~ 気づき得ましたかぁ~。


与えないと、与えられない。逆もしかりですよぉ~!

ほんとに大変な事ですが。全力じゃないと伝わりませんよぉ~!


「アヤメ様、やっぱり身受けてくださいよ。 配信教えてください。何でもしますよ。 たとえ、ひと時でも、多くの愛を与え、受けたいと思います」


どうですかね~!? ポムちゃん相手だと、負けそうです! 少し露出してピアノ弾くだけで負けそうですよ! もの凄いライバルの誕生ですぅ~! 


「アヤメ殿、吾輩も身請けてくれないかにゃ? この星の女王にして見せるにゃ。 この世界いらんかにゃ?」


間に合ってます~


「「大切なお客様、アヤメ様。いきましょうか。 ご主人様がお待ちしております」」


そうですね、まだ痙攣している伊織を拾って、いきましょうか。行きましょう~。


このまま、66Fへ向かう所

突如、配信の通信機器が全て遮断された。





評価の程、宜しくお願い致します~

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