38 ショウタ楽しいお取引
お勉強中です。
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ショウタ 取引
明日朝一番で取引のため、小雨カンパニーにホテルを取って頂いた。
いくらでも転移が出来るのだが、本日は夜も遅い。甘えさせて頂こう。
なにより、無下に断るのも悪い。今日は、泊まらせてもらおう。
転生前の人間部分を思い出す。自分には分る。取引と付き合いに期待されているのだ。
こんな素敵な神様、異世界生活でおわしただろうか。
町作りのゲーム感覚で、破壊と再生を繰り返すような神が多かった気がする。
本当にたまったものじゃないな。
まぁ、いい。共栄こそ、日本商売の根底だ。
弊社の商品、卸して見せましょう。
ーーー
我々を乗せて、送迎車が高級ホテルのロータリーに着く。
車受けの案内が、ドアを開ける。
名前を告げるだけで、チェックインの様だ。素通りだ。
高級ホテルだ、話は通っていると言う事だろう。
「ようこそいらっしゃいました。」
車受けにすんなりと立つホテルマンは、礼で出迎える。
全てがフリーパス。一番上のプライベートルーム3部屋をお使いくださいとの事だ。
中に入ると、謎のシャンデリアが出迎えてくれる。煌びやかな内装と調度品。
異界の住人ご一行のためか、ロビーの視線がこっちに向くが、それ以上の事は無かった。
昔何度か、接待で高級ホテルに泊まった事がある。
なかなか、高級ホテルの部屋は広くて落ち着かないものだ。
庶民が行ってもそわそわする。 その点、旅館は万人に向けて優れている。
と、思う。
ネコさんがフワフワ、そしてキラキラしているエレベーター。
地上産のワイシャツを着込んだ、蒼い髪のポムさんとすれ違う度に人々は振り返る。
「どうぞ、ごゆっくりお寛ぎください。」
最上階に着き、ホテルマンは、荷物を部屋にアテンドした後、戻っていった。
これだよ、これ。 ネコさん、ポムさん分りますか?
社外研修も兼ねますからね。これをお手本とするのですよ。
「ご主人、吾輩の王宮では、これぐらい当たり前の事にゃ~。もっとサービスがいいにゃ」
「ハイ、ご主人様。承知致しました。 仰せの通りに」
なるほど、猫さん。たしかに? 『さすが、地球凄いにゃ!』 見たいな反応を期待していましたが、ダメでしたか。
そしてポムさん。イエスマンなのか。日々の発見や意見を欲しい物です。
それぞれが、そのまま別の部屋に入っていった。
まぁ、おやすみなさい。 また明日。
皆さま、朝食食べたらロビー集合ですよ。
ホテルの部屋に入る。間取りが広い高級のホテルだ。
もちろん、当社の旅館の方が凄いが。
部屋の間取りで学ぶところは沢山ある。
さて、パソコン電子機器を使わしてもらって、小雨カンパニーを調べて見ましょう。
カチカチっと。・・うん?
『数多の子会社に分かれている、超巨大グループ。 小雨カンパニー。 神:小雨の命
資本金:二千億
拠点数:国内30 国外300 関連子会社300社
ダンジョンアイテム、魔石エネルギー、食糧、ダンジョン分野の各分野、輸送ボックス、世界の流通の分野において世界1位、国内、輸出及び輸入において億取引を行う他、国内ダンジョンの武力による助力、世界ダンジョン情勢の治安維持及び、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開。
世界のアイテムボックスの加護の総本山である。』
あっ。会社でかすぎんよ。
規模のでかさに自分の転生前の魂の部分がビビってる。
あの金髪の風呂敷羽織ってる神様が会長ってことか。 あー。やっぱり、違いますね。
小雨様の社会的ステータスに屈してしまいそうだ。
この近代の大手企業って事か。この神様、凄くない? なんという統率力
なぁに自分も、他次元で世界企業作った事ぐらいある。 ビビる必要が無いはずだが。
はずなのだが、なぜ立場が高い人に畏怖を感じるのだろうか。
遺伝子による、人のサガだろう。
調べ物が終わり、ふかふかキングベットにダイブする。 寝る必要も無いのだが。
ーー
・・・朝だ。キラキラした豪華洗面所に向かい、熱いシャワーでも浴びてみる。
あれ、なんか朝の様な物を感じない。感想も無い。
自分、大丈夫でしょうか。日常へ感じる感情が、薄くなっている気がする。
うーん、朝食へ行きましょう。
ホテルの朝食会場に足を向ける。
バイキング形式の食べ放題だ。
朝食会場は、和洋折衷の最強構成で来るだろう。
楽しみだ。
朝食会場の広間は、何かとざわざわとしている。
猫さんの周りに距離を取り、ドーナツ状に人が集まっている。
ネコ妖精族ですから、珍しいのでしょう。
基本、人前に姿を現す事が無く、正体を見せずネコのまま生涯を終える種らしいが。
そういえば、フレンドリーなネコさんですよね。
「ローストビーフ下さいにゃ。・・・もぐもぐ、 ローストビーフくださいにゃ。 ローストビーフくださいにゃ。・・・もぐもぐ。 ローストビーフくださいにゃ」
やだ、ローストビーフを超連呼してる。
あらやだ、恥ずかしい。うちの子がすみません。
たくさんの人に見られてますよ。 普段何を食べさせているのだろう。って思われてそう。
共感性羞恥とか、感じたのはいつ以来だ? 人の気持ちを思い出せた。ありがとう猫さん。
「おはようございます、猫さん。 まず席に戻りましょう。 好きなだけ好きなものを食べていいシステムですが、中々に難しいんですよ。 王宮の立食パーティと似てるかもしれませんが、少し違うんです。 」
「ご主人おはようなのにゃ。 承知したにゃ。この食事の選べる種類と豪勢の感じ、凄いにゃー。うちも取り入れたいにゃー」
この手法は、お客が一定数見込めるからやっているんですよ。
これは、まだ当社でやれるシステムではないのです。 申し訳ありませんが。
と、席を見回すと、ポムさんがワイシャツ姿で手を降っている。
そこもドーナツ状に人が集まっている。
美人可愛い、ワイシャツおっぱいですからね。 分かりやすいですね。
席は、あそこでしたか。
人をかき分け、席に猫さんと座る。
「おはようございます、ポムさん。 地上の朝食は如何ですか」
ポムさんの皿を見る。
中華風肉団子が、山の様に乗っている。
うーん。当社従業員は、偏食の嫌いがありますね。
「昨日より、肉団子おいしくないですね・・・。 命運の明滅を見ながら感じる、恐怖のスパイスが足りないです。 あっ! いえ! ご主人様。 最高です! 最高! 最高!」
最高ならよかった。 そして、メンヘラってますね。
猫さんは、リアルメルヘン世界の出身ですが。メルヘン。
周りの人は、話しかけてきたり無断で写真を撮ったりしない。TPO(時と場所による、態度の使い分け)が出来てますね。 高級ホテルの客層の良さがうかがえます。
先に仕事の話をしよう。
「ネコさん、後で小雨カンパニーの方で取引があるんですよ。 先に旅館へ戻って、店開けてていただけますか。 ポムさんと一緒に戻ってください。」
「承知したにゃ。 でも、地上とダンジョンだとご主人に連絡取れなくなるのにゃ。 早めの帰還をお待ちしてるのにゃ」
「お待ちしております」
あれ、でもアヤメさん配信してるって言ってたよな。 この世界の通信機器はダンジョンと地上で使えるって事? 後で聞いて来よう。
あっ、でも自分からは、ダンジョン空間を通して地上に繋ぎたくない。運命力がそう言っている。
『終焉』 に繋がり、「もしもし、今からそこを破壊しに行くわ」 ってなるな。
稟議、検討案件です。
さて、数万年ぶりに、朝食のライチを食べつくしましょうか。
随分と食べてませんねぇ、ライチに似た何かは、異世界でもあったんですが、記憶とマッチしなくて、かなり探したものです。
さらにポンポンポンと山のように盛り付け・・・? これポムさんの肉団子みたいですね。
あらやだ。
席に着いた。さぁ、久しぶりに食べようか。
ざらざらの皮をプルンと剥き、出てくる白い果肉に齧り付くが、転生前程の感動がなかった。
思い出の方が、強い記憶を持っているケースでしたか。 つらい。
朝食を終え、煌びやかな照明、やわらかいソファーのロビーで迎えを待つ。
黒い送迎車が迎えに来て、自動チェックアウト。
そのまま車に乗り、小雨カンパニーへ向かう。
さて。スーツばっちり。 色々と商談の話が出来ればいいな。
15Fの小雨様のお店。 色々と足りないダンジョン消耗品が多すぎる。
当社の商品を仕入れてくれないだろうか。
ダンジョン栽培農園から、地産地消のポーションぐらい作れるが。
さぁ、盛り上がってまいりました。
数万年ほど、近代営業から遠ざかってますが、営業商談をやってみましょう。
本当に、人間らしい事をしてますね。人と商売している感じがしてとてもいいですね。
車は、ガラス張りの小雨カンパニーに着いた。
車を降り、ガラス張りのフロアに入り受付する。
「お世話になっております。ショウタと申します。 マユミ統括と商談のお約束で伺いました」
受付の女性が、お世話になっておりますからの、少々お待ちくださいのやり取りをする。
少し待つと、オレンジ色のショートのマユミさんと小柄な黒髪の赤メッシュの女性が一緒に降りてきた。
「ショウタ殿! 昨日は、ありがとうございました。 まずは応接室へ。どうぞどうぞ」
堪らないな、このやり取り。 トラック転生前の続きを取り返している気がする。
「こちらこそ! 大変お世話になっております。 どうもどうもすみません。お邪魔致します」
少し、歩き応接室に案内される。
大きいソファー、黒塗りの机。
「お座りください。」 「失礼致します。」 形式的なコンボだ。 もはや、形骸化してるよな。
「まずは、部下のご挨拶をさせてください。 流通鑑定課 『主任』 舞です。 ハハハ! 今日主任の辞令がおりましてね! どうぞ、今後一つ、宜しくお願い致します」
黒赤髪の女性が、一礼し名刺を出してくる。
「只今、ご紹介にあずかりました舞です。 宜しくお願い致しますー」
すっと名刺を出し。交換をする。
流通鑑定課、主任 舞 さん。
宜しくお願い致します。
ダンジョンや昨日ホテルの話など、たわいない話から入る。
異世界転生から、この世界に来た事。 66Fで店を構えている事。なんやかんや話し、本題に入る。
「まずは、アリエノール魔族の5億。現金がいいですよね? 小切手がいいですか? 銀行取引が難しいみたいですよね。 ハハハ! 銀行取引で来たら困りますよね。異界の方の身分証明書とか取れませんもんね・・・・? ハハハ? あ、失礼。なぜかショウタ殿、戸籍がありましたね。あぁ!失礼しました」
マユミさんが、魔族の取引の話を切り出してきた。
そして、戸籍あります。買いました。やさしい役所の人でした。
「これだけの現金大変でしたよね。すみません。現金がいいですね」
マユミ統括が、収納空間から5億を出してくる。
かなりの物量だ。ドン!と、机の上に置かれる。
そして、収納する。5億ある。 アパート土地代これで払おう。
地球産の原料も仕入れる事ができるな。
そして、取引完了の契約書にサインをする。
「完了と」
さて、ここからだ。
「マユミさん、舞さん。 ご相談がありまして。15Fの小雨様の店は、関連会社か直営ですよね。 弊社の商品を卸してみたいのですが。 リサーチさせて頂きまして、ご協力できる事があるのではと思います。 ポーションが不足気味ですよね。 弊社の地産地消で、ポーション卸せるのですが、どうでしょうか」
マユミさんと、舞さんが顔を合わせ、軽く頷いている。
そして、マユミさんが首を少しコキコキと柔軟を入れて、言葉を返してくる。
「あそこは、ダンジョン流通課の直営ですね。ポーションの卸ですか。 小雨様から、ショウタ殿が出してくるものが霊薬か、対価なしの無限の力関係だったら、断れと言われています。 あれは、強すぎます。無限の癒し。ハハハ! 対価が無い無限の力。世界が壊れますね!」
おお、本質が分ってらっしゃる。 さすが、大企業の腹心。
マユミさんが話を続ける。
「ですが、ショウタ殿。 取引の商談ですか。 いいでしょう、やりますか」
突如、マユミさんの後ろに 赤くオレンジ色のオーラが立ち上る。炎の虎をイメージさせる気炎だ。 後ろには、巨大企業の壁が幻影で浮かんでいる。
炎の虎が咆哮を叫び、空間に亀裂が入ったかのようだ。
「ハハハ! そのポーションを卸すことにより、弊社に何の利益がありますか? 御社と取引をするメリットを説明をしてください! ポーションは、割と世の中に流通してますよね? 他社の取引より優れている点はどこですか? ハハハ!」
幻影の炎の虎が膨れ上がり、圧力と言葉の牙を飛ばしてくる。 優位的圧迫営業だ。
正直、強そう。 マジ強そうだ。
これが、小雨カンパニー統括、営業部長 マユミさんか。
後書きです。
この作品の後ろに、登録の皆様のお勧めやこんなのを読んでいます。
みたいなのが並ぶようになってきました。
流動性が少ないランキング以外から他のいい作品の検索方法と、受け取れます。
なるほど、こういう方法にも力を入れているのか。
でも、これでも疑問は解決せず。
やっぱり何度考えても、成熟したコンテンツである以上。
新着は、貴方様から始まると言う事実。
色々考えながら、進めていきます。