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34 小雨転生者と邂逅

押して頂いた方ありがとうございます。

笑って、一日を少しでもいい気分でお過ごし下さい。

お疲れ様です。少しでも共感などの足しにして頂き、帰宅後に元気が出ますように。

捉えてきたぞ、ライフワークを。






我は、小雨の命。出雲の位相世界へ向かっている。


異世界からのダンジョンと言う通路が開いたため、位相の世界から地上に顕現した神である。


神という力は、人の信心で出来ている。

我の主な能力は、位相収納風呂敷。つまりアイテムボックスの付与である。


と、言う説明もいいであろう? 

つまり、アイテムボックスだ、アイテムボックス。


『ま、まさか、アイテムボックスをお持ちで!』  そう言う事だぞ。

我も異世界転生して、チープで虚栄心を満たす賞賛を受けたいんだが??

なぜ地上最高神の我が選ばれない? 誰よりも、人を幸せにしている我がだ。

その辺の人間の転生では理屈が合わないであろう??? 

異世界転生を横流していた、あの魂神3柱許さんからな。 ふざけているのか。 


今、隣で一緒に位相世界に向かっている、剣神と韋駄天に話しかける。


「小雨、異世界転生ものは、レギュレーションで禁止でおりゃんす。異世界転生以外ならなんでもいいです。新ジャンルお願いしますー」


「いや、待つのです。ダンジョンの奥、99Fいけば、異世界があるんですよね。 ・・・!  我々で、無双出来るのではありません? 次は世界を支配する、我々3柱。 異世界最高では」


!!! 天才現る。


だが我々は、ダンジョンで力が使えない。これが、異世界に渡れない理由か。


ーーーーー


1年に1回しか用事がない、出雲に着いた。


韋駄天の加速、最高である。走るだけで、数十分で到着だ。


鳥居を潜り、石畳を歩き進む。

周りの神職、巫女達は、頭を下げる。


我々が宮司に話しかけられないという事は、話が通っていると言う事だろうか。


拝殿を通り抜け、名物のごん太いねじりねじり藁を通り抜け、神殿裏から位相世界に飛ぶ。

煌めく星界の波を切り裂くように進み、位相世界に着いた。


フンワリと草の上に着地する。

辺りには、誠しとやかな提灯が灯っている。


刹那、脳内へ直接啓示神からのメッセージが飛んでくる。


『風呂敷神、制裁神・・、じゃなかったメンテナンス神が呼んでますわよ~。 で、アヤメちゃんの事なんだけどさ。そう、アヤメちゃんだよ、アヤメちゃん。 そもそも、メンテナンス神の制裁が怖くてビビるぐらいなら。アヤメちゃんの追っかけなんてやってないわけ。まず、可愛い。可愛いってもんじゃない。超、可愛い。可愛って言っても可愛いとかそういうレベルじゃない。もう、超・・・』


怪文書で脳を攻撃される。

神の啓示は、難題で難解。その啓示をひも解く事は、さまざまな神秘が必要になる時代。


何て言うものは、すでに昔に終わっているんだが。何万年前の考え方だ?

文章は簡潔に送る事。もう、そういう時代なんだぞ。 気づきを得てほしい。

そして、ソーシャル系は、文章じゃない。スタンプだ。

文字でも無いんだぞ。世界の終わりは近い。


脳内の攻撃に気づいたのか、韋駄天がこちらを見る。


「啓示神からメッセきましたね~。アヤメ愛の趣味が一緒だから、気が合うんですよね~。 そして、啓示神、地上に出れないから、生アヤメを見れないなんて可哀そうでおりゃんす」


「で、制裁神の所なんて後でございますよね。 久々に位相飯を食べ歩かない? まず、豚足と豚まん食べましょうか」


「「承知~!」」


さて、年一回しか来ないしな、何から食べようか。

あぜ道を通り、提灯が灯る石畳に出ると、初老でみすぼらしくダンディな男が、目の前からフラフラとこちらに歩いてくる。


妖の類か・・? 我々に絡むとは、存在が惜しくないと思える。


韋駄天が我の羽織を引っ張り、声をかけてくる。


「小雨、ちょっとあれ、まさかとは思いますが、薬神様でありませんか・・。」


「あぁ、何てことだ。噂には聞いていたが・・・、そうか、そうか・・」


もう一度、目を凝らしてみる。 もう面影が殆どないが、薬神だ。いや、薬神様だ。


かつて、地上で栄華を享受していた。薬神様だ。

しかし、ダンジョン産のポーションと薬草と謎のゲル状の回復アイテムが地上に出回り、薬神様の存在確認が消えた。


平等、公明正大を絵にかいたような神だった。何て変わり果てた姿に。


文明の力で消えた職業と言うものは、多々ある。

バブル期の頂点に居た彼らは、一体どこへ消えたのだろうか。

そして、これからAIが取り替わり、消える職業とは。


絶頂期の薬神を知っているせいだろうか、気の毒すぎて話かけられん。

韋駄天頼む。こういう時の役目でしょ。話しかけてよ。じゃないとスルーしてしまうぞ。


と、思っていたら薬神が話しかけてくる。


「地上の3柱。 貴方達の神様ネットワーク配信で確認致しました。ダンジョン66Fのお方を、この世界に導いてきました。 制裁神がお呼びですよ。すぐ来て、異世界転生者を送り返せとお達しです。 ワンチャンス、この世界が滅びる可能性があるので。とても楽しみにしてます。滅びてしまえ、こんな世界」


祟り神だったか。


「ああ、地上に本当は出るつもりでしたが、ここに出てしまったんですよね。 あの方と手を繋ぐ条件の弊害でしょうか」


そして、伝言を残し薬神は、雑木林の奥に消えていった。


そういう事か。

この世界を破壊されても、我はあまり困らんし。 地上で暴れてもらったら全力で戦うが。

まぁ、制裁神に恩でも売っておくか。 我々しか対応できないであろう。


「ネコの親分をこの世界に連れてきたそうだ。 メンテナンス神に恩でも売っておくか?」


「全く興味が湧きません~! が、 制裁神の困った顔を見に行きたいでおりゃんすね、人間のお送りお願いされても一度目は、断ってみましょう~!」


「ネコの親玉を見てみたいですね。強いのでしょう。仮に暴れられても3人と制裁神なら何とかなると思いますが」


話は、まとまった。まとまったのか?

しょうがない、メンテナンス神の所へ転移で飛ぶか。

位相世界なら、転移可能である。可能であるのだ。物理法則の制限が薄いのだ。


我は、風呂敷羽織で体を位相で包み飛ぶ、韋駄天は、縮地。剣神は根性で。

・・・? 根性って凄いよな。 


フワッと風呂敷に包まれ転移し、メンテナンス神の前に着く。

メンテナンス神の目の前には、動画でみたあの黒髪男が居た。

まちがいない、あの男だ。


我は、疑問を本人に聞く。なぜここにいるのか。


そして、韋駄天は、アヤメのアイドル性を持っているので。気安く、あの様な手を繋ぐ場面を取られるなと言う。


剣神は、ネコの収縮性の可能性を聞いているようだ。


まとまりがないな、うるさい。


黒髪の男が、トン地面を踏む。

強烈なエネルギーが、世界に震撼をもたらす。

時空が震えている。 魑魅魍魎が、慌てふためき悲鳴を上げている。


とっとと、地上に戻せ。そう言うのか。


つまり、やばいなコイツ。


メンテナンス神が、地上に送れと言う。断ってみたものの。

剣神と韋駄天が裏切り、我に送れと言う。


ちくしょうが。


男の手を取り、地上に向かう。

位相世界と地上世界のルートには、ルールがある。目を開けて振り向くな。 これだけの事だが。


この男は心の目を開いているらしい。悟りを得ないと開かないハズだが。

一緒に、地上への通路を歩く。 辺りは星のきらめきの高次元エネルギーに満たされている。

我らは、星海を裂きながら進んでいく。

ここの星海。星界の生命体とでも言うのだろうか。謎のエネルギー体が存在している。

人が目を開いて視認観測してしまうと、連れ去られてしまうのだ。


だが男の反対側の手から、カオス空間が派生し、やつらを飲み込んでいく。


『無』 で、ズズズズと、あたり一面、綺麗になった。


おいおい、『マックス筋肉と不可思議なデスノート』 でも、こんな 『無』 の使い方せんぞ。

でも、平和主義者を獲得できそうだ。 いや、まずは平和主義者の定義が必要だな。

この男の強さが計り知れない。



うーん、強すぎんか。この男。

気配は、擬態なのか? それとも計り知れんのか、分からんな。

まぁ、言葉が通じるから、大丈夫なんじゃないか。

ちゃんとダンジョンでアヤメの送り迎えしてくれた。

人間としての良識は、あるみたいだし。


地上に着き、アヤメ達とネコ殿と関係者で、ある事を明かす。

その返しで、男にビジネス的に挨拶をされた。


ショウタと申した人間は、普通のサラリーマンに見える。転生の時のなごりなのだろうか。


転生者なら力を見せびらかして、ぜんぜん凄くないですよ(笑)、見たいにクソの様な煽りをしてくると思ったが。

ショウタは、分っているようだ。 わきまえている。


不相応な力は、激しい嫉妬を生む。強い力には、必ず相反する力がついてくる。

異世界でも意外にも上手くいかない事の方が多いはずだ。これも定命の定めなのだろう。


そして、通信手段を渡された。呪われたブレスレットだ。


あー、これの鑑定結果知ってるんだよな。ある意味、呪われてるだろう。

まぁ、悪意はないから。断ったら失礼か。


ショウタは、用事があると言い、目の前から消えた。

後で連絡すると、言っていた。


ネコ殿、ポム関係での連絡だろう。


知っている。少し前まで、本人たちと、その話してたしな。

大体の段取りが着いたら、色々と教えて欲しい。



ショウタ殿が居なくなり。


野原にポツンと立たされる。

もう夕暮れ時手前だろうか。風が頬を撫で、鳥の鳴き声が遠くから聞こえる。


何が言いたいのかと言うと、ここどこだ?


位相世界から、来る時はいつもそうだ。どこに出るか、分らん所があるからな。

ここは、出雲じゃないな。何県だろうか。


転移出来ないし、韋駄天の加護無いから、道に当たるまで歩くしかないんだが。

こんな事で貴重なダンジョンアイテム、加速の魔導書、浮遊の魔導書など使えん。

高いんだぞ? 


節約のため通信機器を取り出し、連絡をする。 

会社かければ、誰か居るだろう。迎えをよこして欲しいのだが。


プルルルル、プルルルル、ガチャリ


「小雨カンパニー 鑑定課ですー。」


「あー、小雨だ。 小雨」


「あのですねー。弊社は、そういう事には、対応しておりませんので。 神様の騙りは、法的措置を取りますよー? 小雨カンパニーの方針ですので。今後このような電話は、慎むようにお願い致しますー」


ガチャリ、ツーツー。・・・・素晴らしい迷惑電話への対処法だ。


会社携帯に掛けよう。

ていうか、今の舞だよな。舞でいいな。 アイツめ・・・。


テンテテテーン! テテテテテテー、ガチャッ


「表示に、小雨様って書いてましたけど、小雨様ですかー!? なぜ?! 下っ端の私にかけてくるんですかー?! 課長、部長、係長、先輩、沢山いるじゃないですかー!? これ小雨様の携帯ですか!? 数多の社員が居る小雨カンパニーに、私に直接となりますか?! 上に仕事降ってくださいよぉおおー!? あれですか、私的な内容ってやつですか? あ、もしかして、アヤメさんの関係のイベントですか?? あ、ですよね。小雨様、大変失礼しました。 えへへ、舞です」


「    」


「あ、やっぱ小雨様じゃないんですか?? でも表示には、小雨様って、あ、すいません。どちら様でしょうか」


「いや、我だ」


いや、舞その通りだが。お前の言うとおりだが。

我、この地上で一番偉い神なんよな。 分っているのか?


取り合えず、迎えに来て欲しい。

課長でも誰でもいいから、手配してくれ。

速攻ヘリでも車でも回して下さい。


「承知しましたー、小雨様、今長野でダンジョン溢れだそうですよー。かなり大きいダンジョン溢れです。通信機器に概要が載ってますよー。 ダンジョン管理課とマユミ統括と、アヤメさん、伊織さん、えーと、ネコさん?! ポムさん!? も向かっているようです」


あ~、ダンジョン溢れか。 対応しても韋駄天居ないから、着くに時間かかるな。

迎えに来てもらってからになるか。 ちょっと時間的に遅くなるな。


しかし、戦力にネコ殿か。魔道兵器のネコ殿がいれば、大丈夫だろう。 

借りが大きくなりすぎているな。どこかで清算しなければ。


「了解した。 迎えが来るまで無理に飛んだりしない。ここから動かんからな。宜しく頼んだ」


「承知致しましたー」


通話を切り、ふと外の匂いを感じる。首を上にあげ、広がる空を見上げる。

ひざひざに夕焼けの空を見た。


通信機器で報告書を見ながら、国道と思われる道端に、椅子を出し座る。

時折、聞こえる虫の鳴き声が風流である。


全く、車の交通ないけど。

まぁヘリなら大丈夫だろう。 大人しく待っていよう。


待ち時間、携帯ゲームで 『ぷにぷに』 でもしようか。タテ落ちゲーと呼ばれた。ぷにぷにとしたゲームだ。

とても考えることが多く、連鎖を組むのがとても楽しい。


でも対戦で、すぐ、『ビックバン』を起こすのは、やめて欲しい。それは、リアルで禁呪魔法だ。

禁止されているんだぞ。

『アテンション』もダメだ。その魔法は、神しか使ってはいけない。

そもそも、我が3連鎖以上組めないから。禁呪連発するのやめて欲しい。


そして、このゲームは、キャラが可愛い。とても可愛いと思う。

でも上手くなるとサイコパス化して、禁呪を連呼しキャラ豹変するのは、良くないと思う。


ばよ、ばよ、ばよ、ばよぇ、 グレートファ お手紙ぃいいいいい!


確実に、殺しに来てる。 確実にだ。 まさに歴戦の魔法使い達だ。



つづく。

後書きの執筆すら、きつくなってきました。 あ、評価お願いします。


投稿の際は、『無』 に投稿する覚悟が必要になります。


でも、アクセス数とユニーク数の確認が出来るので。投稿の意欲になります。

貴方様がのぞく時、作者もまたのぞいているのだ。

深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいているのだ。名言ですよね。

大手サイトの力だと思います。 画期的だなと思います。このシステム。


次回につづくのか。


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