20 続アヤメ再びダンジョンへ
キャンプ用品を広げ少し休む。
結界石を使ってもいいけど、気配探知で周りの掃除をしましょう。
スパスパっと・・。
しかし、敵のダメージの受けたときの、歪む顔が見れないのでつまらないですねぇ。
だからと言って、この剣を手放す気もありませんが。
ふぅ~、スッキリした所で、少し休みましょう。
「伊織ここらで、配信初めてもいいですかね。休んでから、配信始めましょう」
「配信が25Fからになるな。皆驚くぞ」
黒のへアバントと、スマホを操作し、配信準備。
チャンネルへ告知をする。
【異世界ギャラクシー猫あらわる。天まで伸びてネゴゲルゲビームを撃つ・・・・。黒と白の破壊神。それは、命を刈り取る形にゃん。
皆様、異世界ネコさんをみましたか~?66Fに、あのネコさんがいらっしゃったんですよ~。66Fで私が、肉片となる所だったんですが、その前に助けて頂きました。実は、ですねぇ。ダンジョンの深淵には、まだ秘密が隠されています~。動画で説明できたらと思うのですがぁ。皆さま今、何されてますぅ~?】
告知オッケー。
ですが、66Fの秘密を話すとは言っておりません。いかがでしたかぁ?
大きめのテントを張り、仮眠をします。魔石型空調最高ですね。魔石型給湯器も最高です。
気配察知をオンにしながら、二人とも目をつむる。20分も休めば脳が回復する。
携帯食は、もう食べたし、後は、スタミナポーションを飲みましょう。
錬金技術とは、ほんとうにありがたいですねぇ。
でもあれですよ?
チャンネルに見せる写真は、なんか、見栄えのいい乙女的パンケーキですがぁ。
人類基準の一つ、カロリーと言う数値が乙女を呪ったんですよねぇ。許せません。
仮眠を取り20分は、経っただろう。スキルで酷使していた脳が休まった。
「よし、起きましょう」
「ああ、おはよう。顔を洗いたいが、これから、配信だもんな。次、結界石を使ったときに身支度を整えるか」
ヘアバンドを髪から外してこちらに向ける。さぁ、配信スタートだ。
「皆様!おはアヤメ! 休憩して起きたてですぅ~! えー皆様の有頂天、加虐的配信者、あやぽんずです~!そして~ぇ!伊織~!」
「あぁ・・?まだ眠い・・・1日で25Fだぞ・・・。まぁ、疲れてないがな・・・」
おお、掴みはオッケーですね!25Fと言う、強力なキーワードが入ってます!
「と、皆様もゲリラ的配信でまだ、戸惑っている様子ぅ~!さぁ、本日は25Fから配信です!」
まだ、ゲリラ的な配信ですから閲覧者は、少ないはずですが。
今日は、凄い接続数です。猫さんと乙女効果ですねぇ~!
さぁ!やっていきましょうかぁ!
「今日は、ですねぇ。ダンジョン深淵で頂いたこの武器を使っていきたいと思いますぅ~!おしゃれですよねぇ、淡い紫の刃ですぅ~! 物理特性に左右されず切れる2つの剣ですねぇ。3万で、こみ込みでしたよぉ~」
気配察知スキルのおかげで、モンスターとの遭遇のタイミングが分かる。
つまり私は、動画向けである。
遭遇と同時に剣の威力を見せてあげましょう。
コメントには
【異世界の説明を!!】
【異世界ネコどうなりました??】
【異世界ネコが出したアイテムの詳細を!!】
【あの魔石の大きさ本物だったんですか?】
【猫さんは、今どこですか?】
【やはり、縦に伸びるタイプの宇宙ネコだったか。もうおしまいだ】
異世界のネコさんの事の質問が矢継ぎ早に来る。
「ネコさんは、無事ダンジョンに、帰りましたよ~。異世界はよくわかりません。あのアイテムや、魔石は66F以降の物だと思いますよ~」
そして、鑑定は舞ちゃん印でお送りいたします。
「鑑定は、小雨カンパニーで私の知り合いのLV3鑑定士の方がやってくれてますねぇ~。そろそろ、詳細出てるんじゃないですかぁ?出てない場合、お察しですねぇ。つまりですねぇ超高額か、それとも、国家陰謀による隠ぺいなのかもしれません。もうすでに異世界人は、来ていて住み着いている・・・! その事実を隠すため・・!」
ハイハイ、いつものいつもの。と言うコメントが流れる。
いや、信じてくださいよ。ショウタさんって言う異世界転生者がいるんですよ。隠すように言われているんですよ・・?
ーーーー
配信しながら、進んでいくと、モンスターの気配感知しました。
そろそろ、敵と遭遇です。
「見ていてくださいね~。この気配は、筋肉だるまのサイクロプスですねぇ。この剣、剣戟を飛ばせるんですよ。剣風斬が打てますぅ」
構えそして、てりゃ、てりゃと空を切る。 紫の線が飛び、サイクロプスを通過する。
「お前はすでに死んでいるぅ~。なーんちゃってぇ!」
スタスタスタ・・と歩いていくと、サイクロプスがこちらを見る。
そしえt、アイテムドロップに代わる。
コメントが嵐のように、あああああああああ!!、とか、いいいいいいいいい!!!!宇宙ネコの加護だろ!そうだろ! と、コメントが流れる。
この反応が、見たかった。
最高に気持ちいいですねぇ。
打てば響くとは、まさにこれ。ありがたい事です。
「今日から、荷物持ちの伊織です。皆さまこんばんは」
伊織、卑屈なのは良くないですよぉ。
次は、いつのもような躍動感、脈動感の戦闘をしましょうね。
スピーディ溢れる、攻勢こそこの配信の人気の主軸ですからねぇ。
この剣もよく切れますから、いつものようにいきますか。
―――
伊織のターゲット取りから、不意打ちでアッという間に敵がドロップアイテムに代わる。
ヘアバンドの配信機具から、モンスターの横や背中から抵抗もせず刃が肉に入っていく様子が配信されている事だろう。
コメントには、攻撃力について流れている。
【その剣なんですか?】
【おかしくないですか?】
【チートですか?】
【いつものように、飛び散る肉片が見えないんですが。】
ですよねぇ、肉エフェクト(視聴背景効果)が、宜しくないですよねぇ。困りました。
でも、とっとと30F以降でレベル上げをしたいんですぅ。
難なく30Fの超大型火ネズミまで来てしまった。
この小雨様の足元であります、この埼玉ダンジョン30F。先週まで未踏破だったんですが。
もはや、こうもなるものですか。
「動画を見ている皆様には申し訳ないのですが。アイテム消耗も嫌なので、剣風斬を撃ってみますねぇ~」
てりゃりゃりりゃりゃ。てりゃてりゃ。
装備の加速を使うときぐらいの魔力を込め、連打する。
紫の線が、いくつも飛び交い大型ネズミを通過していく。
・・・相変わらず、効いてるのか、わかりませんねぇ。
「伊織、行きますか。接近でとどめを刺しに行きましょ・・・・」
地響きで、言葉が途切れる。
ズン! 大型ネズミが血を体中から吹き上げ、倒れる。
口をパクパクさせて、黒い眼がこちらを向いてる。
巨大ネズミが、手を付き震えながら巨体を起き上がらせようとしている。
ズズン、と再度の地響きと同時に大型ネズミが、ドロップアイテムに変わった。
うわぁ・・・。ほんの少し前まで、超強敵だったんですがぁ。
動画のミンチ好きな皆様、このシーンでご歓談下さい・・・。
「あ~、この剣強すぎません?コミコミ、三万ですよ?!三万!時が来たら、入手法を明らかにしますが・・・。 ほら皆さま、見てください伊織がスネてます」
放心している伊織の方を向く。
「いや・・・、なんだろう。きっと人は、日々の積み重ねで強くなると思うんだ」
「どちらかと言うと、この剣は、あれですよ。文明の力で生活が劇的に変わる方の感じですよぉ」
「そうなのか・・・」
あれ、なんか空気おかしいですねぇ!想像していたのと違いますぅ。
もっとこう、ひゃああああああ!!!とか、ひゃあああああ!とか。
すんげぇですわぁ!すごすぎます!乙女様! みたいな? チープな誉め言葉がバンバン出ていいはずでは??
乙女心を保つためにコメントをチラ見する。
【ネズミの命がかがやいている気がする】
【暗闇の中で、いのちが輝いている。】
【いのちが輝いている・・・】
あ、だめっぽいですねぇ。
ザコモンスターを虐待している時のコメントが支配してますねぇ。
あ~~あ~。
ーーー
31Fの古代風宮殿エリアについた。
レンガの床古代宮殿風の壁。ここで、極悪な転移罠を食らったのだ。
ここに数日滞在して、30Fで帰還していいだろう。
今回は、罠箇所が光る罠破りの魔導書を使おう。まずはMAP特性を把握しなければ。
31Fに足を踏み入れた瞬間。
フォンフォン 聞きなれない音が鳴る。
右手首に着けた、記念品の汚鑑定ブレスレットからだ。
シュポンと謎の音が聞こえる。
気配察知に強大な気配がいきなり現れる!! 前に2つだ!
やばすぎます!
って、この気配ネコさん?
もう一つもかなり危険ですね。気配が大きすぎます。ゴリライオン2匹分ぐらいでしょうか。
「再び、来てくれたのかにゃ~? お迎えに上がらして頂いたにゃ~」
もう一つの気配が・・、いや、なにこの美人さん?
いやいや。
人間を魅了して、パクッと行くモンスターでしょうか?
「よ、ようこそいらっしゃいました。ご主人様に、丁重にお出迎えするように言いつけられております。 本日は、宜しくお願い致します」
丁重に礼をしてくる。
青い・・? 蒼い髪の、神々しいホテルスーツを、着ている。めっちゃ美人可愛いお姉さんだ。
襟首に神力を感じる葉っぱのスカーフを巻いている。
そして凄い魅力を感じる・・、この人、魅力数値バグってませんかぁ??
伊織が、1歩、2歩、3歩ぐらい歩き進み、お姉さんの手を握ろうと近寄る。
「ああ、うん、こちらこそよろしくお願いします! いや~よかったよかった! お出迎え!龍宮城! ドラゴンパレス! さぁ! 道中歩きながら、お出迎えについて詳しく聞くとしまょう! いや~! ついていきますよ!どこでも! さぁ、いきましょう!手を引いてもらえますか? お出迎えっぽく。そうです。私の、手を引いてください。 いいから、手を繋ぐんだ」
「ごめん、伊織、ちょ、ちょっと黙って?」
ネコさんの方を見て話す。
「ネコさん、久しぶりで・・は、無くて、昨日ぶりですねぇ!私たちの事、迎えに来てくれたんですか?」
「お友達も一緒かにゃ。大丈夫にゃ。ご主人、超待ってるにゃ。」
「ありがとうございます~。でもですね、今回は、レベル上げで66Fに到達できるようにレベルを上げようとですね。する所で、実力的に66Fに行けるように鍛えようとしているところです」
「あ・・・、え・・・? 来ないにゃ・・?」
「うそ・・・っ」
お姉さんが、両手を口に当てて驚く。めちゃ可愛いですねぇ。
「いやいや、いく。行くよ行く。何言ってるんだ? こんな美人につられるなんて、絶対にないぞ。絶対にだ。いや、アヤメも最高に可愛いが何て言うか。わかるだろう? 現実的な美しさとは違うしな。これは、絶対に罠。 だからこそ行かねばなるまい。なぜ、甘言に引っかかってはだめなのか。この体に、教え込まねばならんからな。楽しみすぎる。」
「伊織、頼みますから、口を閉じて暫く開かないで?」
あ、配信中なのを忘れていましたぁ。
「あ、すみません。動画を配信してるのですが、お二方映っても大丈夫ですかぁ?」
「すまんにゃ、アヤメ殿。返答次第で、動画に、世界に、この宇宙に大変な事が起きるにゃ。我々が、このまま連れて帰らないで手ぶらで帰ると、想像できない行動にご主人走るにゃ。
本当にやばいと思うにゃ。本当にゃ。ここへ召喚されて一番やばい事態になると思うにゃ。
例えば、お二人を強制して連れて来たなんて、あったら、吾輩の星、焼却されると思うにゃ。
我々がお願いしてきたという事でも、多分だめにゃ。
お願いして、来てもらっても、絶対良くないことが起こるにゃ。ほんとにやばいにゃ。
すべての魔法とすべてのスキルが、ビンビンに危険信号の予知を語り掛けてくるにゃ。
この世の終わりにゃ。この世が終わるにゃ。間違いなくにゃ。初めての体験にゃ。
今日は、この隣のポムさんの初仕事にゃ。何とか、自然に来てくれるよう心掛けるにゃ。
まだ間に合うにゃ。」
即ヘアバンドに触り、動画の配信を切る。
この選択が、世界の命運の選択になるんですかぁ?
うーん。真実味ありますねぇ。
「今、このまま連れて行っても違和感から、問い詰められると思うにゃ。ご主人は、鋭いにゃ。もう、転移では、連れていけないにゃ。ご主人の中では、喜んでリピーターになってくれた事になってるにゃ」
「喜んでいきますけど、66Fに行くのに、正直実力が足りませんねぇ~」
「その言葉を聞けて、ホッとしたにゃ。予知による危険信号が解除されたにゃ。吾輩が、連れて行ってもいいけど、多分だめにゃ~。未来が、転移と同じ結末になるにゃ~」
ネコさんがフワッと浮き隣のお姉さんに、肉球から魔法をかける。
「ポムさん、一緒について行ってくれないかにゃ。危ない時、ケガした時助けてあげて欲しいにゃ。初仕事にゃ。頑張ってにゃ~」
「いえす!イエス、YES!!!!!!!!」
私も、お姉さんと行けてうれしいけどもですね。伊織、叫びすぎですねぇ。
「あ、あの宜しくお願い致します。ご主人様の所に連れて行けばいいですか?」
「ポムさんと一緒に66Fに来てもらえれば、全てが丸く収まるようにするにゃ。ポムさん、頼むにゃ・・・。吾輩の次元と、この星の2個の次元の行く末がかかっているのにゃ・・・。」
「承知致しました。まず、自己紹介を」
蒼いお姉さんが、ほんのり微笑み自己紹介をする。
「初めまして、ポム=セイノと申します ご主人様に生を与えられ、先ほど、自己意識を与えて頂きました。私の望みは好かれることです。これから、仕事を通しまして、好かれ、愛されていきたいと思っております」
はにかみながらペコリとお時期をする。
新人の冒険者の方々の様に初々しい。
よく、自己紹介の意味を考えると。
ショウタさん生命創造できるって事ですよねぇ?? 配信切ってほんと良かったです~。
それと。
「「これは、好きになりますぅ」」 伊織と声がハモった。
ここまで、お読みいただきありがとうございます。
走り出したばかりですが、こんな文章の作りがあまい話を読んで頂けるとは正直思っておりませんでした。 ここまでたどり着いて頂いた皆様。 ありがとうございます。
少なくとも、1か月は虚空や虚無に投稿する毎日だろうなと思っておりました。そしてこれは、当たり前の事です。
不思議な事に、虚無に投稿する事を分っていても、やはり投稿時に恐怖を感じました。
その恐怖と言うのを掘り下げ考えてみると、虚無と言う事は、痛烈な人格否定に当たるものなのでしょう。承認欲求と相反するもう一つの力でしょうか。
しかしながら、数多の作品が新着に着く中、この様に見てもらえた事。
正直皆様に驚きました。凄いですね。 ほんと凄い。 0じゃないって凄いんですよ。
いや、なんで?? なんでだ? 分らない。
誰もがPV、評価、ブクマを欲しがるために、日々睡眠時間を削りながら、しのぎを削って、完成度の高い物を出していると言うのにです。
大手投稿サイトの力。そして、新着関係を掘り進める貴方が居るからこそ、投稿小説が成り立っているのでは無いかと感じます。
驚いております。それとも、この電子空間が生んだ妖精の様な存在なのでしょうか。
また、調子に乗ってブックマーク、評価を要求してしまいました。
本当に押してくれた、あなた様。ありがとうございます。
このポンと背中を押してもらった、一歩目、百歩ぐらいにして返せたらと思います。
横面の記事で、良質な文章記事を書いたとしても。
全体で1%~2% ぐらいの反応だと思います。
おそらく、小説文章記事が心の中に残ったとしても、実際にクソめんどくさい、評価反応を押す行動コスト。このポチッと押す行動がまで行かないのがあたりまえ。
これが、クソ凄い重たいコストと言う事を存じております。
投稿を長く続けて、頼んで、説得し、心動かし、頼み込んで20%ぐらいまであがるものでしょうか。
再三、頼み込んで押して頂ける。 行動コストだと思います。
もう少し、なろう投稿システムの感想をお話ししたい所ですが、失礼致します。
これからも、宜しくお願い致します。




