15 アヤメ配信
これが3日前の出来事だったんですねぇ。
中身が濃すぎです。
この3日で生活のすべてが変わった様な感じがしますがぁ~!
思い返せば、ダンジョンからの生還! 拘束からの尋問! いろいろありましたねぇ~!
世間の皆様に、生存報告をしなければ!
さて早速ですが、伊織とダンジョン生還配信です!
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まずは、配信前に、チャンネルで事前報告をする。
【なんとか、生きて戻ってきましたよぉ~!乙女なミンチに成らずにすみましたぁ! では夜7時から、伊織と一緒に生還配信やります~! ちゃんと本人が配信しているのを確認してくだしあ~!】
これでよし。
そして、伊織と再開のハグの後ですが、伊織に詳細をお話致しました。
そうです~、何度も謝りましたよぉ。
ゴメンね! 道中、死に急いだかもしれません、次はもう少し考えます・・?
いや、追ってくる66F筋肉ゴリライオンに勝てますかね??
伊織あれは無理ですよ。ミンチ確定ってやつです。ワンパンでグシャッ! と、なると思いますよ。
冷静にクールに、手を組みながらポニーテールの伊織は、こう答えた
「だが知らない男と手を繋いだのは、良くないな。」
疑問は、もっとありませんか?? 66Fモンスターに、童話のケット・シーみたいなネコさんと、異世界転生者の旅館ですよ? そして、あなたの弟の呪いが解ける可能性があるんですよ?? わかりますか??
「ああ、そうだな・・・。でも、弟は、ダンジョン探索者なんだから、呪いは自己責任だと思う」
すごい命に関してドライですねぇ。私も人の事を言えませんが。
「だが、次の攻略の際、全財産をもっていこうか・・・・。だが、階層転移を利用するとしても。時間をかけてLVを上げないとな。あれのゴリライオン姿を見る限り、補助アイテムを使ってもきついな」
そうですねぇ~。全財産使ってLV上げつつ、向かってみますか~。
では、そろそろ配信のお時間です! お家の白黒紫の配信ルームですねぇ!
伊織、時間です。準備はいいですか~?
配信のボタンを押し、配信を始める。
「では、始まりました~。加虐的乙女な配信者、(あやぽんず)が送る。ダンジョン攻略! そして、親友の伊織がお送り致します~! こんあやめ~」
「こん、あやめ~・・・」
伊織!相変わらず、動画配信に向いてないですねぇ~!
でも、寡黙的クールキャラは、素敵ですよね!
コメント配信には、怒涛の様にコメントが流れる。
【ひゃあああああああああああ、生きてたんですね!!!】
【涙が!!111 まさに有頂天の化身!!】
【ああああああああああああああ!!!生きてるうぅうう!!!】
【やらせだったんですか!??!!】
【何があったんですか!!?!?】
ありがとうみんな。ありがとう~!
「えー順を追って説明しますねぇ~! その前に、まずは、啓示を司りしステータスカードの神様、ご心配ありがとうざいました! 皆様!ステータスカードに異常はありませんでしたか~? このように、私、アヤメこと! 乙女は無事です! 啓示の神様、色々思う所があったとは、思うのですがぁ! 普段通りに接して頂けると、ありがたいですぅ!」
予期せず、配信画面がいきなり荒れる
【ステータスカードがおかしいぞ!!】
【何、どういう事!これ、神様いたの!?】
【メンテンナンスきてるぞ】
【ああああああああああ? ステータス見れなくなってる・・・】
:緊急メンテナンスのお知らせ:
対象 啓示神
(全力で、啓示神がスパチャしようと抗ってくる。
つらい。
・・・人よ、明日から重力が無くなったり。 世界中で溶岩マントルの噴火。自転、海流、貿易風の変化、この世の常在の物が変わったらどう思う? お前たちは、大きく淘汰を求められるだろう。 啓示もその分類なのだ。つまり、こういう前例を許すわけには、いかんのだ)
「ヒャー! つまりは! ありがとうございました!! これからも、人々のため、宜しくお願い致します!」
次に行こう次に。
「えー、あの動画配信で私が飛ばされた後ですね、超ゴリライオンに追われて66Fを進んだらですねぇ。そうです、ミンチ確定と思ったんですが。その先にお店がありました。旅館の名前が、秘密の宿屋ですよぉ、なんか、エッチですよねぇ。それで、お店の人にお願いしたら入り口に戻してくれましたぁ~!」
私、説明の語呂力足りてますかぁ?
そして、荒れてますねぇ
「うんうん、みんなが何を言わんとしてるか分かります~。あまり詳細は言えないんですよぉ。今度、66F目指す時、動画配信しますねぇ~。 その後、啓示の神様が、ダイレクトメッセージを送ってくれたように、私に少し権能がなんかつきました~! 謎の付与で与えられた力なので、地上で使うと、多分怒られます。ダンジョンなら・・多分大丈夫!!」
そして、一呼吸置きカメラを見つめる。
「それと・・・、生きてたのは、奇跡ですねぇ。ほんとにです。」
コメントは、もう追えない。凄い。凄い勢いです。
「では、伊織、私が生きてたとわかった時の気持ちをお願いしますぅ!」
しばしば間が流れる。伊織! 伊織?!! 実況中ですが??
「そうだな・・・。 やわらかいんだ。 アヤメは、なんかすっごいいい匂いがして。やわらかいんだ
わ、つまり、性のるつぼ、性の博覧会だな・・・。」
?!?! 配信中ですが?! 狂ってしまいましたか?!
「?! 感動の再開で、抱きしめあった時の話ですかぁ?!」
コメントには
【あぁ~^浄化されるんじゃぁ~^」
が、溢れかえってる。浄化されてどうぞぉ?
「では、次は再びダンジョン踏破再開をしていきたいと思います。ドラゴンを簡単に倒すぐらいじゃないと、先は厳しそうですよねぇ。私は、もう一度いきます!66Fへ!そして、次回は、私の新武器をお見せしたいですねぇ」
「それと、私が帰ってきた事による、色々な問題は、小雨様の超スポンサーが、何とかしてくれいます!」
長い物には巻かれてナンボですよぉ!!!
そして、小雨様の騒ぎの鎮圧の仕方を思いだす。
(ふむ、我は気分を害した。よって、ランダムで世界から加護を取り上げる。お前のせいでな。皆が困るだろうなぁ。もちろんお前の名前は、公表する。つまり、お前は、世界の敵となりたいのか? 返答は? はい?イエス? 喜んでやります? あぁ!すまない、すまない。もちろん強制じゃない。だが、お前にも肉親がいるだろう? あぁ!脅していない。交渉は、フェアじゃないとな。だが、何を持ってフェアとするか・・。わかるだろう?)
世界相手にこれですよぉ。アイテムボックスに依存させてからの、この論法。最強すぎませんかぁ?
「と、いう事で短いですが、私の無事を報告させて頂きましたぁ~。すぐに、ダンジョン配信の準備をしたいと思います。66Fに、本気で取りみたいと思いますぅ」
コメントが激しく疑問と質問で荒れる。
スパチャ、禁止にしてよかった・・。
「・・・最後になりますがぁ~! 永久、永遠、不朽。ありましたよ~。ダンジョンの中にありましたぁ。そして、感じて体感してきましたよ~。 私の半端な権能もそれですねぇ。そもそも、人類の夢と願い、この世界に顕現した神様達が一づつ持ってますがぁ。 この66Fの力は、人が願う望みの力とは違いますねぇ。永遠の力って相当にやばいやつですねぇ~。 最高に恐怖します。凄い怖い力です。 対価無く引き出せる無限の力って怖くないですか? 無限の力って色々と壊れちゃいませんか、星、人、そして自分自身」
私は、カメラをのぞき込み話を続ける。
乙女のあざとい仕草。如何ですかぁ~!
「でも永遠がある! あると分かった以上、掴みたくありませんか?つまりは、有頂天!一緒に掴みませんか!」
「でも、まず、到着が無理です。勝てませんよ、今の人類。アイテム駆使しまくって、ドラゴン倒すのやっとじゃないですかぁ?? ゴリライオンとか勝てません。その奥の、超ゴリライオンとか、無理ですよぉ。」
「そして、これから、転移罠の検証を含め少しずつ、進めたいと思いますぅ~! 応援お願いします!! そして、これが、楽しいと思ったら高評価・・・、いえ! 今日から、気にったら、評価を押してくださいね! これからは、あなたのダンジョン好奇心を打ち抜きます! 評価を押さずには、いられないでしょう!」
「「それでは、おつあやめ~」」
コメントがもう、早すぎて読めない。
伊織も、目をパチパチしている。コメントを取り上げるのも大変だろう。
「ふぅ~終わりましたねぇ。伊織。コメントが溢れて大変な事になってましたねぇ」
「まぁ、アヤメが生きていたんだ。そうなるだろう」
これから、ダンジョン探索ですよぉ。伊織、頑張りましょうねぇ。
財産、全部、ダンジョン探索アイテムに変えていですよぉ~。残りの4割程のお金で66Fお店に着いた時のお金にしましょう。現金のみですから~。本気でいきますよぉ~。
そして、チャンネルに書き込む
【今日は、生存報告でした~。質問疑問は、次回答えていきたいと思います~。皆さま気になるとおもうんですが、その66Fのダンジョンの奥の店、変わってるんですよ。なんて言うんですかね~、人を選ぶと思います。何とか到着して、配信できればと思っているんですが。言えないこともあるので、66F到着したら話していきたいと、思います。】
これでよし。メディアや、国の機関は、小雨様と、マユミさんが何とかしてくれるでしょう。
前回の30Fレアアイテムは、小雨カンパニーに換金納品、鑑定をひとまず済ましておりますのでぇ。
やはり。寄らば、大樹の陰ですよ!!
そして伊織、明日から、全財産使い、ダンジョン投資に充てましょうか~。
次こそは、対等にショウタさんと商談をして見せます。燃えますねぇ~。必ず行きますからねぇ。
「もちろんだ。必要アイテムは、鑑定流通部門の舞に任せれば、決まった金額で手配してくれるんじゃないか? あぁ、電話しようか。」
あぁ、舞ちゃんですか。
チラッと、部屋の時計を見る。今は、夜の9時だ。そして、なんだか、窓の外が騒がしい。
伊織が、時間に気にせず電話を舞ちゃんに繋ぐ。
「舞か、明日の朝一に(出勤と同時に用意されてる資料の意)で手配して欲しいのがあるんだが、そうだ、明日朝一 (なぜ、出勤と同時に提出されているのか)でだ。 そうそう。リスト送っておく。 用意の程を頼むぞ。何、明日休み・・? ああ、すまん。そうか、マユミさんに電話して・・・、何だ。大丈夫なのか。そうか。じゃあ、明日の朝までに頼むな。ありがとう。 そうか、次いつ休みなんだ? 飲みにいかないか? うんうん、シティホテルの近くがいいな・・。そうだ。そうそう。 じゃ、また連絡するからな。そしたらまた明日な」
伊織が、電話を切りこちらを見る。
「明日の朝には、必要アイテムが用意できるみたいだ。明日からダンジョンに潜るか。」
あぁ、私たちは、一流の探索者。
一流のサポートが必要なのです。
あぁ、舞ちゃんに出世してほしい。
出世すれば、きっと仕事を人に振れる様になります!
出来ます! エリート鑑定士の舞ちゃんなら!
さて、今日は休んで、乙女力を磨きつつ。明日からダンジョンへ潜りましょう。
伊織も私も、目標は、見えてます。66Fです。もう一度、お店にいきたいですねぇ!
集中してダンジョン攻略だ。
これからは、補助アイテムをバンバン使ってLV上げをして進んでみましょう。
さて打合せも、済みましたね。 また明日頑張りましょう。
しかし、窓の外が騒がしい・・・。魔道ヘリコプターの音がする。
こんな、事が昨日もあったような・・・?
考えすぎ? デジャヴュですかねぇ??
カンカンカンカン・・、玄関のドアを叩く音がする。
このマンション、オートロックで私の解除無しでそうそう外から中に入れませんが???
カンカンカン。また、ドアが叩かれる。
「アヤメ殿開けて欲しいにゃ~。気配を追ってきたにゃ~。この気配間違いなくアヤメ殿だにゃ~」
?? 魔道ネコさん? 童話のケット・シーですよね??
「動力で浮かぶ箱と、鉄の箱がうるさいにゃ。 そして人間が、こぞって襲ってくるにゃ~、これではオーク蛮族と変わらないにゃ~。文明民度が意外と低いのかにゃ? アヤメ殿を見たとき、文明力だけは高いと思ってたにゃ~。その半面、魔法科学は、全然進んでなく見えたにゃ~」
ネコさんですね。
「浮かぶ箱は、何個か壊したけど、中の人は無事にゃ~。襲ってくる人間も、吹き飛ばすぐらいで、命に別状は無いにゃ~。砲撃や、拙い魔法がうるさくて仕方ないにゃ~。吾輩の防壁を欠ける事すらできないけどにゃ~。まずは、入れてくれにゃ~」
窓の外を見る。物々しい重低音。赤ランプがガンガン点灯している。ヘリも飛びすぎである。
あぁっ! また、家が包囲されてる!!
そして、スマホや、通信機器が鳴るりまくるのを止めない。
プルルルル、ピコンピコン、トゥットゥツートウツツゥー
まさに、電子機器のオーケストラ。私は、まさにコンダクター
伊織が冷静に話しかけてくる。
「アヤメ?なんだろう。どう聞いても世界初、会話が出来る知的生命体のモンスターだ。何、ついてきた感じか? なんだろう。語呂が少なくて申し訳ない。やばいな。やばい。」
伊織、大丈夫です。会話は、出来ています。
そして、気配を感じるのを止めた方がいいですよ。
このネコさんの気配は、凄い強大、膨大、そして立ち位置は、難題ですから。
まず?カギを開けましょう?
ああぁ、でもまず電話ですねぇ、マユミさんかな??
小雨様に繋いでもらわなきゃ? それとも国防省??
あぁああああああああああああああああああああ!!!!
「ああああああ!?!?!!」
「落ち着け、アヤメ!!」
私を落ち着かそうとして、抱きつこうとしてくる伊織をスッとかわす。
少し脳キャパをオーバしましたが、大丈夫です。
ここ最近、正気度への攻撃に対して耐性がつきましたねぇ。
カギを開ける。そして、玄関を開けて。そこにいたのは
フワフワ浮く、魔道ローブのネコさんだ。あのネコさんだ。
フワフワ浮きながら猫さんが、話す。
「急にごめんにゃ~、これ、旅館の半額のクーポン券にゃ~」
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