14 アヤメ留置場
睡眠は、大事だ。
乙女脳と肉体を休める大事な仕事だ。
有頂天を手に入れるなら。合間に寝れるようにならないといけない。
訓練の合間、スケージュールの合間、ダンジョンの休息時間、乙女タイムの合間。
寝なければ活動力、そして人間性に激しく影響がでるからだ。睡眠により膨れた脳の血管縮小により脳汁交換で休息、老廃物の撤去が行われるのだ。
ーーー
私は目が覚める。
そして、床引きマットレスから起きる。
ここは、やっぱり留置場ですねぇ。
うーん、ここ最近の事が夢だったら良かったのですが。
アクリル板越しに、マユミさんを見る。
私が寝る前に、一緒に乙女的筋肉体操をした。
わかりますか。
一日、10分でいいんです。10分でいいんです。あなたなら出来る、出来る。この10分があなたを美しく仕上げる。あなたなら出来る。さぁ! さぁ! 動きましょう! たるんだ肉体とおさらばです!
そして、マユミさんは、「ハハハ!シャワーを浴びて、寝るといい」と、睡眠を促し。
鬼気迫る顔で、「私は、報告書を書く」 と言って。机の上で仕事をしていたが・・・。
マユミさんの様子が・・・死んでる??
いや、死んでるように机の上で寝ているのでしょうか??
もぞもぞと、机の上からマユミさんが起きる。
美人顔は寝起きだって絵になりますね。
「アヤメ、おはよう。仕事を終えて、少し寝ることにしたんだ。寝れるときに寝るのが、高いパフォーマンス出すコツだからな・・・ 小雨様と面会の前に支度をしてくる・・・」
マユミさんが、奥の洗面所へ向かう。
そして、アクリル板越しの洗面所から、大声が聞こえる
「今日も一日全力で!!! やるぞ!!全力だ!!! 笑えマユミ! !笑うんだ!! 笑顔だ!! 笑いは、余裕を生み、思考をクリアにさせる! 笑顔こそ武器! 使え! 笑う余裕こそ、足を動かす原動力だ!!! やるぞおおおお!!」
ドンドンドンンドン 壁を殴りつける音がする。
あー、わかります、それ。自己啓発方法ですよねぇ。
私も疲れて全てがいやになって、精神状態が窮地の時よくやりますよぉ。
バリッと決まった、マユミさんが洗面所から出てくる。
そして、素敵な笑顔でニカッとこっちを向いてくれた。
それと同時に。
トントントン、留置所のドアをノックする音がする。
「こんばん~わ、こん、こんばんわー」
舞ちゃんだ。 もう、朝ですよぉ。
「マユミ統括・・、終わりました。これが、アイテム報告書ですよ。アイテムボックスの中は、呪いとか、状態異常のアイテムは、ありませんでした・・・、ただ、剣と、ブレスレット、ステータスがなんて言うか、ダメです・・小雨様案件です。後は、報告書を読んでくださいー。 ・・・アヤメさん、ああ、朝から生あやぽんがみられるなんて・・あぁ・・。私は、生きているのか、そうですよ、推しが私を認知してくれている・・・。あぁ、今日も生きられますよー」
全てを吸い込む、漆黒のカーボンブラックなオーラを出している、舞ちゃんだ。
あーこれ、寝ないとダメなやつですねぇ?? でも、この疲れは、これ寝ても残るやつですねぇ??
マユミさんが報告書を受け取り続ける。
「ご苦労様、舞。 夜通しの作業、お疲れ様でした。 舞、少しここで寝ていけ。もし、この休憩で、仲間に何か言われたら私の名前を出せ。お前は、よくやっている。少し寝るといい。体力もここらがピークだろう」
あっ、このセリフ。精神状態が窮地の時言われたら、これホレちゃいますねぇ。
「アグッ、フグッ・・・・ありがとうございまずぅ」
舞ちゃんが、涙を流している。
精神状態は、疲れで大分参っているだろう。
「おやすみ。舞、お前も出世していくなら、時間効率をうまく使うんだ。家に帰らず、ここで休める技術を身に着けるんだ。 そうだな、世の中がクソなら、そのクソの中でもクソ選べるようになり、クソを動かしたいと思わないか? 出世とは、そういうものだ。お前もいずれわかる時が来る。ハハハ!」
そして、舞ちゃんが、なぜかアクリル板越しの扉のカギをカチャチャと開け入ってくる。
目が虚ろでなんか怖い。
私の寝ていた床引きマットレスに、強引に倒れこんでくる。
「ああああああ! にわかファンども見てますかー? 推しの寝た布団で寝ますー! 死ぬほど勉強して、就職戦争勝ち残ってよかった! 仕事で勝ち取ったんですよぉおおお!! ごのご褒美をおおぉおお!?!?」
このセリフを最後に、彼女の意識は、こと切れた。
このやり取りを見た私は、この暴挙と思える行動を止める言葉を持たなかった。
この案件は、私の件ですね。
あっ、なんか胃が痛いかも! 痛みぐらいで私は止まりませんが!
つまり舞ちゃん。今なら、この暴挙が許されると思いましたか。舞ちゃん優秀ですねぇ。
また、アクリル板のドアが開き、マユミさんが話す。
「ああ、アヤメそのまま出ていいぞ。 報告書に目を通す所、一部のアイテムや、ステータスに異常はあるな・・・・。 アヤメ、本当に大丈夫なのか? いや、お前のせいではないみたいだが・・・。ステータスカードが・・・。ステータスカードじゃないな。ハハハ!笑えるな!ステータスカードの神様っていたのか~!」
笑えますぅ? それ??
困ったことに、権力を私物化する上位の神の方ですよぉ~。
「それじゃ、小雨様に報告に行こうか。まぁ、懇切丁寧に説明するしかないな。つまり、66Fにあの男がいたという事でいいな?」
「略すと・・・。そうですねぇ! マユミさん、ほんと優秀ですよねぇ、正直、憧れます~!」
「ハハハ!そうだろう。命、魂、いや・・・人間性。を捧げているからな! ハハハ!」
そこ、笑うところですかぁ~? 笑えませんよぉ~。
それと、アユミさんに聞きたいことがある。
「うーん、マユミさん。仕事そんなに、好きじゃないですかぁ? 私、仕事嫌いじゃないですけど。 でも、仕事の自分が自分なのか、自由の自分が自分なのか何かわからなくなる時ありますが~!」
マユミさんは、少し考えた顔をし、答えてくれた。
「ハハハ! 好きで仕事は、務まらない。 仕事の仮面が、いつのまにが自分を乗っ取っているのだ。しかし、アヤメは癒しだな。推せる。」
そして、小雨様の所に私たちは、向かう。
ーーーーーー
「失礼します」
拝殿執務室に入る。
いわゆる所の神社の本殿である。
片膝を付き、頭を下げる。
小雨様は、神と呼ばれる存在なのだ。形式でも小雨様の敬意を忘れてはならない。
人類の流通、運搬を支配する神なのだ。小雨様の加護のアイテムボックスが世界を変えた。
世界中の教科書に書いてある。
加護の大きさにもよるが、大体一人トラック1台分ぐらいで魔力の高いダンジョンアイテムは、制限がありあまり入らないのだが。人類にとって、革命的であるのだ。
「頭をあげよ」
これも形式である。
そして、マユミさんと私は頭をあげる。
金髪のロングウェーブ、風呂敷のような陣羽織が特徴の小雨様である。
「いや~、報告書を読ましてもらった。 アヤメは、アヤメで間違いないのだな。よく生きていた!お帰り、アヤメ!! 我は、うれしいぞ!!」
「小雨様、私も会いたかったです。 一瞬の選択ミスでミンチにされるのが見える中、なんとか生きて帰ってきましたよ~!」
「で、まず三点聞くとしよう」
小雨様が、黒の執務机に座りつつ話す。
「異世界転生者が、66Fに居た。という事だな。 にわかには、信じられんが。あの映像を見るとなぁ~。信じるしかないなぁ。人類の敵対者では、ないんだな?」
「はい、そうですねぇ。敵ではないと思います・・。だいぶ長い事の異世界暮らしで、感覚がちょっと人とズレてる感じですかねぇ。後、能力もやばすぎます。敬意をもって接しないと、モンスター扱いされて即、マテリアル材料にされてしまいそうですねぇ。そんな感じはありました。 で、そこで旅館の様な店を始めてまして、お客様第一号の後、送ってもらいました。あぁ、ショウタさんって言うんですが、ここの仮の住所もあるみたいですよ。」
「危険すぎるな、危険すぎる。一回、こちらに来た際、話してみないとなぁ。 地上に上がった初手が、記憶操作、状態変化をぶちかましてくるのは、やばすぎるだろう。ダンジョンの奥に異世界の門があるというのは、位相の世界に居る上位神から聞いている。そして、異世界転生もあったとは、な」
「これは、引き続き、調査だ。」
小雨様がひらひらと2枚目の報告書の紙と思えるもので、机を擦っている。
「で、2点目、お前のステータスカードだが・・・・えー、はい、マユミ、アヤメ、ステータスカードを開いてみてください」
「いきなり小雨様の敬語は、怖いですねぇ!!?」
ステータスオープン!
~日ごろから、ステータスカードをお使い頂き誠にありがとうございます。世界のシステムを個人利用するという、由々しき事態が起こりまして、システムカードを一部利用することができません。
人々には、ご不便をおかけいたしますが、何卒理解頂けるようお願い申し上げます~
【位相世界の上位神による霊魂的肉体懲罰メンテナンス】
懲罰対象:世界のシステムの一部。システムカードと言う啓示を司る神
メンテナンス日時
「暇を持て余したアホ神が、もう二度としませんと、言うまで。」
権能につきましては、人であります限り、地上では控えるようにお願い致します。
神様の付の巫女になりましては、この限りではありません。
「と、いう事だ。」
「ハハハ!笑えますね。位相世界でもこういう事あるんですね」
「笑えませんが?!?! どういうことですかぁ?! なんか、かわいそうですねぇ。今度、ステータスカードの神様、取り上げて、コメント読み上げますぅ」
「で。三つ目、これが、一番やばい。狂っている。 アヤメのアイテムの方だが、これらの異常は、無い。 えー、やばいのは、刃が紫の2本の短剣とブレスレットの鑑定結果だ。真剣に見てほしい」
「アヤメ、これはすごい事だぞ。鑑定の法則が上書きされている。これがブレスレットの方だ」
アユミさんが、私に鑑定結果と思われる紙を渡してくる。
どんな事が書いてあるのだろう。 不安になりながらも結果を見る。
(あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
【鑑定士Lv3 舞 認定】
いや、乙女に、なにを見せてくるんです? これ、怒っていいやつですよねぇ? 怒りますよ?
怒声を上げようと、紙から顔を上げる。
1柱と1人が真剣に私の顔を見ている。
「どうだ、世界のシステムが上書きされている。これは、先ほどのシステムの個人利用とは違うんだ。 鑑定を書き換えれるのが、完全におかしいんだ。」
えっ? 何か隠された暗号とかですか??? 私何か、見落としましたか???
再び見る。
(あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
【鑑定士Lv3 舞 認定】
即座に紙を丸め、地面に叩きつける。
「なんとなくわかるが・・。事は、重大なんだ。もっと真剣に考えてくれ・・・。」
はい?! なんか、怒られたんですけどぉお?!?!
「そして、・・・これが、剣の鑑定結果だ。」
:アヤメ専用装備 空間切断の2本の剣:
物理特性に抵抗されずに切ることが出来ます。アヤメさんの魔力を込めると、剣風斬が打てる。切れるだけ切ってください。
でも、嫌いな人間関係は切れません。その職場にいる限り。
若者よ、絶望しなさい。憎しみが、仕事の原動力になる時があるのだ。
「うわぁ・・・、上書きされてますねぇ・・。うわぁ・・・。」
「で、推定だが。鑑定を書き換えれるという事。位相に居る上位神より力がある。」
「よって、もう一度、あの男とコンタクトを取り、どんな者か観測する必要があるという事だ。ああ、この問題について、国は、私が何とかするので好きに進めようか。お前も好きにしていい」
小雨様、女性型なのに男前ですねぇ。
「という事で、アヤメ。今一度小雨カンパニーに協力を頼むぞ。 ああ、伊織を待たしてある。 会うといい。で、配信だが、してもかまわない。あの男のしでかしたことだけは、黙っているように。カバーストーリーが必要だろうか? なんかうまくできるか?」
「それ、考えていました~。猫さんと言う使い魔兼、従業員の方がいましたので、その方に助けられた事にしますぅ」
「まぁ、任せた。男の事を話して、炎上しても面白いしな・・・。まぁ、好きにやってくれ」
なんか、怖い言葉がでましたねぇ?!
なぜ、人気チュバーが元カレの話をしないのか、ご存じありませんか~?
「以上だが、何か他に報告はあるか?」
ひと段落したようだ。
「そうですねぇ~! 66Fの店に永遠の霊薬と呼べる物がありましたよ。人が求める英知ですかねぇ~!売ってくれるか分かりませんが、まだ現金取引が出来ると思いますよ~。 私、またこの生を嚙みしめて、配信しながら挑戦します! 伊織の弟さんも、これで治りますね。全現金をもってもう一度いきます! 66Fに!!」
「ふむ・・・。よきにはからえ」
済んだようだ。礼をしてマユミさんと退出する。
「マユミさんありがとうございました!! それと、見ていてください!必ずもう一度!ダンジョンで有頂天になります!」
「ハハハ! いいなぁ・・、有頂天・・・職場の頂点を極めても、有頂天では無かった。頂点ではあったが・・。 という事で、そんな有頂天の気分を感じさせてくれるのは、アヤメだけだ。応援しているぞ。」
マユミさんは、私の装備アイテムを返す手続きをして、外まで見送ってくれる。
「ああ。外で伊織が待っている。 一応、状況確認の連絡するからな。いつでも連絡入れてもらっても構わないからな。宜しく頼むぞ。」
「はい! ではでは!」
小雨様のダンジョン支部を出ると、黒ポニの伊織が居た。黒のポニーテールだ。
思わず叫んでしまう。
「伊織ぃいいい!!!」 親友との再会です。うれしくて涙がでます。
「アヤメえぇえええ!!! 良く生きていた!! もう離さないぞ!!私のアヤメだ!」
感動の再開となりましたが、伊織に揉みしだかれました。
なんか最近、エロイんですよねぇ! でも、なんかうれしい。
気が向いたら評価とかブックマークお願い致します。
食料みたいなモノなのです。
また、ブックマーク評価、本当にありがとうございます。
作者の匂いと言うものは、できたら極力消したいものなのですが。
お礼を言わせてください。 ありがとうございます。
この評価と言うもの。背中を押されていると言う同義の事なのです。
自分だけじゃない。連載をしている方々がそうだと思います。
そして、これは比喩表現じゃない。
もういいかな、今日は眠いし・・・、そんな事より、ネコミームを・・・と言うときにググッと背骨を押す力なのです。
それと、誤字脱字、多くて本当に申し訳ありません。
「ファ〇キュー、小説家になろうだぞ。誤字脱字ぐらい直して投稿しろ」
おっしゃる通り。
今後とも宜しくお願い致します。




