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4ネタめ! 私がシスコンな理由

 妹萌えでは、ありません。

 私には、年齢(とし)のちかい妹がいます。


 いるんです。


 べつに、仲良くないけど。


 こどものころは、いっしょに遊びましたし。

 べつに、いまだって、にくみあってるわけじゃない——少なくとも、私のほうは。


 でも、いま、いっしょにすんでるわけでもないし。


 そりゃ。あえなくなったら困りますよ。


 困る。


 嫌だ——とかじゃなく。


 嫌だをとおりこして——とかでもなく。


 現実的に、困るのです。

 


 こんなわけのわからないエッセイもどきや、意味のよくわからない(自分でもわからないものも多い)詩を()く、私とちがって。

 妹は、実務肌。


 私は、構造論や、根源にある哲学をだいじにするのに対して。

 妹は、手続きやら、その運用やらが専門。


 肌があうわけはないんです。

 もちろん、ここで()いていることを、知らせているわけもありません。



 結果、なにか用件が無ければ、連絡はとらず。

 さいきんまで、スマホのアドレス帳に。番号やメイル・アドレスを登録してさえ、いなかったくらい。

※ さすがに、怒られました。


 なのに。なぜ、いないと困るのか?



 私が、至らないところを。妹が、フォローしてくれているからです。

 あちこちで言いますが、私は、だめなやつで。

 いろんなひとに、助けられながら、なんとかやっている——つもり。

 妹は、幼少のころから。いつも、私を助けてくれました。


 もちろん、私だって、あっちを助けたさ。

 してもらったのと。

 してあげたの。

 ——してもらったほうが、多いんだろうけど。



 まあ、いなくなったら。

 感情的に、嫌だではなく。

 現実的に、困る。


 そういうことです。



 なにもなければ、連絡などとりません。

 誕生日と、クリスマスにプレゼントを贈るだけ。

 妹に、娘が産まれてからは、こどもむけで、大人も楽しめる映画のDVDを贈ります。

 妹は、映画が好きでした。


 昔は、いっしょに、映画や海外ドラマを録画したものをみました。

 好きな映画をみて、ぼろっぼろに泣いてしまった私を、なぐさめてくれたっけ(笑)


 妹は、音楽も好きでした。

 重なるのは、私の音楽の趣味の1/5ほどですが。

 何年かまえ、ふたりだけでカラオケに行ってきましたよ。


 妹は、漫画も好きで。

 ふたりで人気週刊漫画誌を、まわし読みしたものですね。


 ふたりで、夜中じゅう、おしゃべりしながら、パズルゲームをやったのも、思い出しちゃいました。


 妹は、うまれた娘の首がすわると、私におしつけるように、だかせてきたんです。

 ちがうぞ!

 私にも、だいてほしかったのではなく。

 娘に、いまのうちに、私になれさせて。

 のちのち、妹の娘のベビーシッターを、私がこなせるように。その布石をうっていたのです。

 まんまと、その策略にはまり——知ってたもん!——育児の戦力として私は。たまにですが、活躍することになりました。

 このあいだは。妹の娘が、読書感想文を書く、てつだいをしたんですよ。



 そんなていど。

 ぜんぜん、仲良くも、なんともない。



 え? じゅうぶん、仲良いじゃないかって?



 でも、すべては彼女が私の「妹」だから。


 これまでのべたとおり、私と妹は、まるでタイプがちがうんです。

 いっしょに()んでいたのだから、とおってきたものも、ちかく。

 好きだった、漫画や歌のはなしをすれば、もりあがるけど。


 妹も、いわゆるオタク要素は、けっして少なくはないですが。


 彼女は、そのエネルギーを外にむけて放ち。

 私は、そのエネルギーを内にこめることを選んだ。


 だから、もし。

 彼女が私の「妹」ではなければ。仕事で、かかわりをもつことならあったとしても。

 友人には、なれなかったでしょう。


 私のほうは、ともかく。

 彼女のほうは、私に好意的な感情をもつことは、なかったはず。


 正直なところ、「妹」である彼女にしても、私に好意をもってくれているのか、よくわかりません。

 いや、「妹」としては。多少なりとも、親愛のこころを、もってくれているとは思いますが。

「妹」だから。

 その立ち位置だから、でしょうね。

 べつに、それでじゅうぶんなのですが。

 さみしいことだとも、ちっとも、思いません。


 でも、だからこそ。


 彼女が「妹」でよかったと思います。


 私には、ほかに。彼女と、かかわりをもてる間柄など、なかったのですから。



 妹よ。


「妹」でいてくれて、ありがとう。



 言わないけれど、わりと好きだよ。



 ——えっ? 知ってるって? 

 このあいだなんか、私は大好きって言ってた?

 あれ? そうだっけ?



?????????????????????



 妹の、育児期間が終わったら。


 ふたりで食事にでも、行きたいと思っています。

 もし、嫌じゃなかったら、って言う私に。

 彼女は、笑いながら返すことでしょう。



「いつにする?」

 美人ですよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 連絡取り合える仲ってだけで いいことだと思います。 兄弟姉妹に対する感情って、 友情とかとはまた別のところにある気がします。 少なくとも私はそうかなぁ。 ……他にもいっぱい感想書いてみた…
[一言]  ほっこりさせていただきました。  そんなつもりはなかったのかもしれませんが、ほっこりしました。  安心して子どもを預けられる人、貴重なんですよ?  小さい頃は特にですが、親が心を許してい…
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