少年ユッカと青年の木
短編だけどもしかしたら、それなりの話数作るかも。
サワサワ、ザワザワ、ニョキッニョキッ
何の音?何のオト?
それは、草。それは、木
それか、何だろう。
何かに思える。何にでも思える。
もしかしたら、もしかしたら。
もしかしたら、それは人間のオトなのかもしれない。
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ボクは、ユッカ。おとこのこ。
ちゃんと名前はある。けど、ママもパパもみんなボクのことを「ユッカ」って呼ぶから、それでいいんだ。
ボクは、お花が好き。ママもお花が好きで、だからボクもお花が好き。
でも本当は、お花だけじゃなくて草も木もみんな好き。
いつか大好きなお花を、木と同じくらい大きく育てるのが夢なんだ。
お花たちはふしぎだ。
ママに教えてもらって、ゾウさんじょうろでお水をあげる。
でもね、毎日あげたら、だんだん変な色になって元気じゃなくなっちゃった。
だから今度は、お水をあげないでみた。
そしたらどんどん、おばあちゃんみたいにしわしわで、おじいちゃんの手みたいにかたくなっちゃった。
ママにそれをお話したら、どうしてそんな事したの?って少しおこられちゃった。
その後、教えてもらった。お水はお花たちにとっても大事。
でもね、お水をあげすぎてもダメなんだって。
どうしてダメなの?って聞いたら、ちょっと考えて、ボクが前にご飯を食べすぎてゲエしちゃったのと同じだよって、教えてくれた。
ご飯がないとお腹がぺこぺこ。でも、いっぱい食べても気持ち悪くなっちゃうんだ。お花たちもいっしょなんだね。
ボクは、1つ。いや2つ?大事なことをおぼえた。
少しだけ大人になれた。そんな気持ち。