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果物女子の帰「拓」部日記  作者: スモアmore
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初めまして!私の名前は桜さくら!ボッチだよ!(泣)

先に言っときます。この作品は作者が某日常系アニメや某生徒会ラノベを読んでる時に思いついたものです!……後は、分かりますね?それでは、お楽しみください!

 初めまして!私の名前はさくらさくら!名前に関してはノーコメントで行くよ!

 可愛いものが大好きな子供っぽい私も、今日から晴れて中学生! でも、特に部活とかは興味が惹かれなかったから「帰宅部」にしようと思います。

 よし!この「部活動希望調査票」に「帰たく部」って書けました!「宅」が漢字で書けなかったことは置いといてください!

 これでお家時間も増えて人形遊びができるぞ〜!



 ……と、思っていた時期もありました……


     □ □ □


 中学生になって早一週間。クラスの中では友達グループがほとんど完成している今日この頃。

 私、桜さくらは見事にボッチになっていました。

 帰宅部になったのがいけなかった!皆部活動を元に仲良くなってる。そんななか唯一帰宅部であり、しかも受験して入ったこの中学校に小学校からの知り合いも居るわけではなく。

 この嶺睦れいぼく中学校はつい最近、正しくは3年前に創立されたばかりの中高一貫の私立校。

 なんか元市長とその旧知の仲の凄い人が作ったらしいけど、詳しくは知らない。興味ないからね!そういうこと!

 とにかく、なんか皆がやらない凄いことをしたいと思った私は珍しい中学受験をした。そんな時、家の近くに徒歩で通えるところに新しく中高一貫校が出来たと聞いたので、私はここを受験し、見事合格した!

 ……までは良かったんだけどなぁ〜。


「特に話す相手もいないで帰る帰り道ほどつまらないものはないよ〜。この時間帯は皆部活だし」

 

 私立校であるこの学校は創立早々に県大会で優勝、全国大会でも軒並み入賞するなど、部活動がとても盛ん。そんななかで帰宅部を選択する私はとても希少で。クラスでも帰宅部なのは私だけで。すると当然ボッチになるわけで……


「ハアァ……」


 そりゃあ、ため息も出るってもんですよ!


「へい!そこのかわいいお嬢ちゃ〜ん?ちょっと待ちな?」


 突然聞こえた可愛いという言葉に反応してしまい振り向くと、そこにはなんかちっこい人がいた。

 あざとすぎない程度に可愛いサイドポニーテールに、私よりふたまわりぐらい小さい胸、そして年上の中学三年生を表す黄色のリボン。


「……って、年上!?」


「おいこら貴様ブチ転がすぞ!」


 つい言葉に出てしまった。


「えっと、それで私に用があるんですか?ちっこい先輩」


「ちっこい言うよお前!結構コンプレックスなんだよ!」


 ついまた口が滑ってしまった。

 ちっこい先輩はとても不機嫌そうに眉間にシワを寄せて睨んでいた。

 そうだ!こういう時こそ華麗に話を逸らしてこの場を離れるんだ!


「すいませんちっこいだなんて言ってしまって。つい口が滑ってしまいました。それでは、またの機会に。ごきげんよ―――」


「よし!お前が私のことをどう思っているのかよおくわかった!ここで貴様は殺す!」


 ちっこい先輩はかばんに手を突っ込むと、何かを取り出して私に向けてきた。


「え〜っとなんでしたっけ、これ。なんか見たことあるような……あ!ドラマで見たことあるやつだ!確か名前は―――」


「スタンガンじゃボケェ!」


「ギャアアア!?」


 パリパリっと電気を流し、私に向かって突進してくるちっこい先輩。

 反応の遅れた私はその場に押し倒され、スタンガンをとっさに避け顔の横に突き刺さる。


「ち、外したか」


「わ、私にようがあるんですよねそうですよね!だったら少し話し合いませんかねできるだけ穏便に!!」


「早口で何言ってるのかさっぱりわからん。とにかくいっぺん死んでから話を聞こうか!」


「死んだら話は出来ませんよ!死人に口なしって言うでしょう!?」


「そんなの知らんわあ!」


「ギャアアア!」


 決死の説得も虚しく、スタンガンが首に触れる感触を感じながら、私は意識を飛ばした。

 さよなら、私の人生―――

 

     □ □ □


「いや〜ゴメンね〜お兄ちゃんに叱られたばっかでムカムカしてたんだよね〜いや、すまんすまん」


 あの後、私達は保健室にいた。ちっこい先輩が運んできてくれたらしい。

 ちっこい先輩は私にそう言うと自己紹介をした。


「私の名前は果実かじつ りんご。これからよろしくね!さくら!」


 ちっこい先輩―――もとい、りんご先輩は笑顔で手を差し出してきた。……ん?


「あの、なんで私の名前を知ってるんですか?」


「え?だって新入部員の名前を知ってるのは当然でしょ?部長として」


 ?????


「え!?新入部員!?私が!?え、でも私は「帰たく部」って確かに書いた……」


「うん、だから「帰拓部」でしょ?」


「?????」


 わけがわからない。


「えっとね〜説明すると、この学校に「帰宅部」は存在してないよ。部活特化だからね」


「えっ!?でも帰宅部って選択肢に……」


「よく読んでみ〜?「たく」が漢字違うでしょ?」


 そう言って差し出されたプリントを見ると、たしかにそこには「茶道部」、「文芸図書部」、「帰拓部」と書いてあった。


「ホントだあ!え、じゃあ私は初めから勘違いして……」


「うん、そゆこと〜」


 うわ〜恥ずかしい!!

 きっと今私は恥ずかしすぎて桜みたいなピンク色を通り過ぎていちごみたいに真っ赤になってるよ〜。


「とにかく、これからよろしくね、さくら!」


 よくわかんないまま、よくわかんない部活に入っちゃって、そしてよくわかんないちっこい先輩に手を差し出されて。

 よくわかんないけど、面白そうだし、何より楽しそうだから。私はそのふにふにしてる手を握ったのだった。


「ところで活動内容って?」


「ただただ寄り道して帰るだけだよ」


「なにその部活!」


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