プロローグ1
趣味なのでどれくらい続けるかわかりませんが、それなりにがんばりたいです、
ーー一体、自分はなんなのだろうか?
気づいたらそこにいて、ただただ風に流されるように浮遊しているような、ちっぽけで曖昧な存在。
何も見えず、音も聞こえず、話したり自分の意思を伝えることも出来ない。
唯一、ポツポツと疎らに存在する淡い光のようなものだけしか知覚できていなかった。
ただ、その淡い光のようなものはどうやら自分と同じ存在らしいというのだけはなんとなくわかった。
どれくらいの時間がたっているのか知らないが、その淡い光以外、知覚できるものもないからそれをただひたすらに感じるのがここ最近のライフワークだ。
淡い光が自分と同じような存在だとわかったのも、観察し続けてわかったことだった。
それからまたどれくらい経ったかわからない時間が過ぎた。
相変わらず淡い光の観察というライフワークは継続中だ。
それしかすることないしな。
あと、新たに分かったこともあった。
あの淡い光だが、暫くすると天?に上っていく。
あくまでも自分よりも上に上っていくことしかわからないから、その先がどこなのかは不明だ。
あと、自分と同じように動くやつもいた。大発見だ!
しかも、ある程度纏まって存在しているやつもいる!
いままで動かないやつしかいなかったから、自分と同じような存在でも性格には違うのかもしれないと思っていた。
だが、こうして自分と同じように動くやつがいるから、もしかしたらこいつらと自分は同じなのかもしれない!
ーーそう思っていた時期が自分にもありました……。
近くに寄ってみたのだが、無反応…。
他の淡い光同士は、馴れ合っているような感じがあるのに自分には寄ってくる気配もなかった。
単体で動いているやつにも近づいてみたが同じ結果だった…。
これは、それらか暫くしてから分かったことなのだが、どうやら奴らは生物らしい。
分かった経緯は、単体同士の淡い光の衝突。
正確には淡い光の同士でぶつかったり、じゃれ合ったりしていたのだが、それを観察していたら片方の光が上に上っていったのだ。
最初は何故?と思っていたのだが、自分の知識の中に該当するものがあってそこで奴らは生物、生き物だとわかった。
ようは生存競争や、補食をしていたのだろう。
そうなれば自ずと淡い光の正体も分かってくる。
ーー所謂、『魂』なのだろう。
動かないやつは植物。動いてるやつは動物か虫。
光が上っていく現象は、文字通り天に召されたのだろう。
だが、新たに分からないことも判明した。
それは『じゃあ、自分は一体何なんだよ?』という問題である。
否、恐らくは魂で間違いないのだろう。
根拠は自分の所感でしかないが、奴らと自分は同じ存在であると感じている。
つまり、自分は魂だけの状態で存在していることになる。
最初は幽霊とか精神体みたいなものかと思ったが、多分違うだろう。
だって、もしそうならもっと色々やれることあるだろうし、生前の記憶とかありそうなものだが、自分に出来るのは魂を淡い光で知覚することだけだ。
一番、自分の状態に近い精神体でももうちょっとなにか出来るだろう。
だから自分はただの魂と分類するのが妥当だった。
だが、そうだとしても不思議だった。
そもそも、魂だけの状態もいうのもおかしな話だが、中途半端な知識があるのも不思議だった。
前世の記憶というのがあってもいいのにそれがない。
なのに、色々な知識があるのもおかしい。
自分で言って変だと思うが、前世などの記憶が一切ないのに知識だけあるのは普通はあり得ない。
生まれたばかりの赤ちゃんは周りの風景や光を認識できるが、それが『周りの風景』『光』という感じに知識として分かっている訳ではない。
まっさらで何もない魂なら、自覚はあっても知識までは存在しないだろう。
…まあ、それも自分が思っているだけで実際には違うのかもしれないが。
ともかく、自分は魂だということがわかった!
何も分からなかった最初に比べたらかなりの進歩だ!
…それでもなにか出来るという訳もなく、ただ他の生物の魂を知覚することしか出来ないのだか……。
どうせなら、視覚ぐらいは欲しかった。
そうすれば、周りの状況も分かって、自分の状態も理解するのか簡単だった筈だ。
まあそれも、今言っても仕方のないことだが…。
はぁ、ホントに自分は一体何なのだろうか?